こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は137話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
137話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side オルカ・フィペリオン
side オルカ・フィペリオン
フィペリオンの空気は鬱陶しいものだった。
それはオルカのため。
パンドラに続き、フィペリオンに帰還したオルカは、すでに一週間以上暗い空気を振り回していたのだ。
「失敗した・・・。この人生は失敗だ・・・」
彼は今日も窓際に座って、微かに窓の外を見ながら陰惨な独り言を呟いていた。
下に力なく垂れ下がった肩には世の中のすべての苦悩と傷心が落ちているようだ。
彼の懐には酒瓶も抱かれている。
「いい加減にしろ」
パンドラはその姿を見て思わず舌打ちした。
「一体いつまで落ち込んでいるのよ?」
彼女の言葉にオルカは振り返る。
「姉さん、酷いんじゃない?」
彼の表情は「どうしてあなたがそんなことを言えるのか」と訴えていた。
「姉さんも魔手師なのだから、私が今どんなに深い喪失感を感じているのか誰よりもよく分かっているはずだろ!」
その通りだ。
パンドラは、オルカが魂を失った人のように過ごしている理由が何かを知っている。
そして、その気持ちもとてもよく理解している。
しかし、パンドラには首長に一任された使命があったのだ。
「そうね、私だってあなたの気持ちが分からないわけではないわ。でも、そんな風に部屋の隅に閉じこもっているからといって、無くなった魔物が再び戻ってくるわけではないのよ」
オルカがこのように魂を抜かれた人のように振る舞う理由は、保有していた魔物を一夜にして大挙失ったためだ。
彼はフィペリオンに強制送還されたパンドラより一歩遅れてペデリアンを抜け出した。
そのニュースは当然、フィペリオンにも伝えられる。
ところが、その後オルカからは何故か連絡が無かったのだ。
それでオルカがまたどこかで事故を起こすのではないかと、首長をはじめとするフィペリオンの人々はそれぞれ不吉さと不安を感じていた。
結局、フィペリオンの首長はオルカを見ることができないまま、ユグドラシルの会議のために出発することに。
そんな頃、連絡が途絶えていたオルカがフィペリオンに戻ってきた。
ところが、ペデリアンの馬車に乗せられて帰還したオルカは、まるで廃人のように落ち込んでいた。
ペデリアンの騎士は、「ユグドラシルに移動する途中、野原に倒れていたオルカを発見し、ここまで保護して連れてきた」と説明する。
一体何があったのか気になったが、オルカには状況を詳しく説明する余裕もないようだった。
信じられないことにオルカは体に所持していた装身具、すなわち魔物を全て失ったと言った。
その知らせを聞いてパンドラも帰還せざるを得なくなる。
いつも体に所持するほど大切にしていた魔物を一度に全て失ったわけなのだから、オルカが深い失意に陥って四方八方に暗鬱な気運を振り撒くのも当然の話だろう。
「それでも、いつまでもみっともない格好でいるの?」
パンドラはオルカを宥めた。
「もうすぐユグドラシルに行かなければならないと言ったはずよ。残りの時間の間、新しい魔物でも捕まえて気分転換をしたら?」
フィペリオンの首長は、これ以上オルカの放蕩に目を瞑ることはできないと判断した。
それで今回の懇親会の時には、どんな手を使ってでも彼を引っ張っていくつもりなのだ。
何とかオルカを元気づけるように助けることがパンドラに下された任務だった。
パンドラは「どうして私が?」と思ったが、彼女自身も犯した過ちがあるので仕方がなかった。
彼女がペデリアンの敷地内で無礼を犯して追い出されるようになったのは、今考えてもかなり面目ないことだから。
パンドラはあの時の事件を思い出すたびに押し寄せる強烈な恥ずかしさに、今も毎晩布団を蹴飛ばすほどだった。
いずれにせよ、フィペリオンの首長はペデリアンのでの事件を口実にパンドラにオルカのことを一任している。
事実上、他の誰も引き受けたくない仕事を彼女に押し付けたのだった。
それでも今回はオルカが今までとは違う反応を見せる。
「ユグドラシル?」
「昨日も言ったでしょ!また聞いていなかったのね?」
まるで忘れていたことを思い出したかのように、オルカの瞳に一瞬煌めく光が漂った。
「姉さん、ユグドラシルに来る出席者リスト知ってる?」
それが生き生きとした目つきではなく、煌めく目つきなので、パンドラは気まずさを感じてしまう。
「そんなこと私は知らないわよ」
「じゃあ叔父さんは知ってるかな?」
突然、オルカは蒸発していた熱意を見せながら、腰掛けていた窓枠から体を起こした。
彼は胸に抱えていた酒瓶を置いて、首長の執務室がある方向に向かい始める。
飛ぶように続くオルカの歩みに沿って一つに纏めた彼の長く薄い青色の髪が青い鳥の尻尾の羽のように揺れた。
パンドラはオルカの後ろ姿を曖昧な感情で眺める。
「まだ何の努力もしていないけれど、とりあえず元気が出たから良かったのかな?」
そう思いながらパンドラもまた自分の部屋に移動するために席を離れた。
しかし、彼女はなぜか、モゾモゾと背筋に乗って這い上がる意味の分からない不安感に、何度もオルカが消えたところを振り返ってしまうのだった。
魔物を全て失ったオルカは可哀想ですが、ロクサナを狙っていたことを考えると自業自得なので・・・。
ユグドラシルの出席者で、オルカは誰を探しているのでしょうか?
自分の魔物を排除した人物に心当たりが?
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