こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は145話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
145話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 差し込む温もり
私は向き合ったニックスの顔をしばらく黙って眺めた。
沈黙が長くなるほど、ニックスの青い瞳に小さな波紋も次第に大きくなっていく。
「目的だから」
わざと不明瞭に答えると、ニックスはより濃い寒気を振り撒いた。
「言葉遊びしないで正しく言ってよ」
私はうつむいて彼を見下ろす。
「何をそんなに恐れているの?」
そうするうちに、すぐ分かるように首を小さくうなずく。
「確かに、ベルティウムでやったことがあるから当然だと思うけど」
ニックスは眉間を皺くちゃにする。
私はその姿を見て唇の先を上げた。
「今は状況が逆転したわね。もちろん、私はあなたがしたように毒を与えるつもりはないわ。どうせ、あなたに通じないだろうから」
地下牢に入る前にイシドールから聞いたことを思い出す。
ところが、その言葉に対する最大の反応は前ではなく横から流れた。
カシスの体を巻き付けていた気運が一瞬、刃のように鋭くなったのだ。
ベルティウムでニックスが私に毒を飲ませたという言葉を吐いた直後のことだった。
ニックスも急に閑散とした雰囲気を感じたのか、身を震わせる。
「もちろん、あなたに痛みを与える方法がそれしかないわけではないから、他の方法であなたを苦しめてもいいのだけど」
言葉尻を濁しながら向き合った顔をじっと見つめた。
ニックスは依然として感情を表に出さないようにしているが、それでも何気に焦っている様子だ。
それならもう少し焦るようにしてあげるのもいいだろう。
本来、精神が限界まで追い込まれた人間は、自分の好みで調理しやすいものだから。
「目覚めたのを見れたので良かったわ。時々見にきてあげるから」
私はそう言った後、未練なく振り返った。
すると背後から鉄格子と鎖がぶつかりガタガタ音が鳴る。
「ちょっと待て、このまま行くの?待て___」
背後から叫ぶ声が聞こえたが無視した。
そのようにニックスを一人置いて再び地下牢を抜け出す。
「毒を食べたなんて、そんな話をしたことがないじゃないか」
外に出るや否やカシスの視線が私の顔に差し掛かる。
ただでさえ、さっき彼が地下牢の中で見せた反応を私も感知したところだった。
だから今の状況が想定外とは思っていない。
私がチラッと見るち、イシドールとオリンが勝手に距離を広げていた。
彼らとある程度離れたことを確認した後、私はカシスに話す。
「耐性があるから、どうせ私に毒は効果がないわ。だから結果的に何もなかったのと同じよ」
「たとえ結果がそうだからといって過程自体がなかったことになるわけじゃない」
鋭い返事だった。
カシスから感じられる気運も、それに劣らず鋭く冷たい。
しかし、もし反対の場合なら、私もカシスのように反応するだろうから、理解できないわけではなかった。
カシスを見て腕を上げた。
「ごめんなさい。心配すると思って話さなかったのに、むしろもっと気になるようにしてしまったわ」
真っ直ぐ凍っている顔が指先に届く。
カシスの頬を撫でながら、私はなだめるように囁いた。
「次にまたこんなことがあったら隠さず全部話すわ。だからそんな顔をしないで」
静かに話を続けるほど前から漂う冷たい気運が次第に弱まり始めた。
硬くなっていた目つきも徐々に緩んでいく。
直前までは毛を逆立てた獣のように危険な感じを漂わせていた人が、こんな風に私の一言と小さな行動ですぐに大人しくなるのを見て、なにか妙な感興が生まれる。
カシスの手が彼の頬に触れていた私の手を覆う。
「君に怒ったんじゃない」
「知ってる」
「心配になったから」
「それも知ってる」
今、目の前にいる人は私をとても大切にしてくれているとい感じがした。
私はカシスの手を優しく引っ張る。
「もう行きましょう、カシス」
ニックスの状態を確認したので、これからリセルに会うために執務室に行かなければならなかった。
今度はカシスも大人しく私についてくる。
距離を置いて離れていたイシドールとオリンも、再び私たちの後を追った。
カシスと私はそのまま手を繋いで歩く。
触れ合う箇所から差し込む温もりがあった。
ロクサナはニックスを最終的にどう処理するつもりなのでしょうか?
そのままベルティウムに返すとは思えませんし・・・。
カシスとリセルの意見も気になりますね。
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