こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は156話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
156話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 遭遇
ペデリアンの行列に招待されなかった客が訪ねてきたのは、まさにその夜。
その時ニックスは四肢を縛られたまま馬車に一人で閉じ込められていた。
ロクサナが言ったように、彼は本当に地下牢から取り出され、どこかに移送されるようだ。
もしかしたら、本当にこのまま自分をベルティウムに帰すつもりなのかもしれないと思うと、ますます混乱してしまった。
だが、この全てが罠である可能性もあるので、ニックスは虎視眈々と脱出する機会を窺っていた。
しかし、自分を守っている人が周辺にはあまりにも多い。
全員が一分一秒も監視を疎かにしなかったので、ニックスの気が休まる時間は全くなかった。
この前地下監獄で会ったペデリアンの王女とロクサナは、なぜか自分の前に一度も姿を現さない。
だからニックスがここで見慣れた顔はカシス・ペデリアンだけだ。
ニックスは四肢を縛られ、身動きの自由を奪われたまま、馬車の中で不自由に寝返りをした。
深い夜。
起きているのが世界で自分一人だけのように静的な時間。
音もなくドアが開いたのはその時だ。
小さな騒音一つもなく、どれほど滑らかにドアが開いたのだろうか。
ニックスは白い月明かりが視野に溶けて流れ落ちるまで固く閉ざされていたドアが目の前で開かれたという事実に気づかなかった。
「え?」
一歩遅れて状況に気づいたニックスの口から疑問の声が漏れる。
この時間に自分を訪ねてくる相手に心当たりがないからだ。
星が彩られた夜空に背を向けたまま「その人」は現れた。
視界を満たしても残る巨大な暗黒。
目の前にそびえ立つ存在を認識した瞬間、ニックスはそう感じた。
「彼」は自然に背筋をすくめる強烈な気運を持った男だった。
どんな光もすべて吸収してしまいそうな真っ黒な髪が吹いてくる風に沿って空中から細かく舞い降りる。
その間にゾッとするほど冷たく無慈悲な赤い目がそのままニックスを貫いた。
「・・・!」
暗闇の中で目が合った瞬間、二人とも同時に息を止める。
サアアア・・・。
遠くから身を寄せながら揺れる木の葉の音が雨音のように耳元に響く。
デオンは視界に映った少年を見て一瞬、今自分は幻覚を見ているのかと思った。
彼はさっきから暗闇の中に身を隠し、ペデリアンの行列を見守っていた。
そうするうちに見慣れた金髪がここに消えることを確認し、夜遅い時間に監視が疎かになった隙を狙って行動したが・・・。
ドアを開けると彼の目に食い込んだのは、全く予想もしなかった人物だった。
二度と見られるとは思わなかった凍った青い瞳を目の前にしてデオンは考える。
これは真夜中の歓迎なのか、それとも自分を訪ねてきた幽霊なのか?
最後にこの顔に向き合ったのは極めて古い過去のことだったが、まるで僅か一日前に会った人のように、アシルは今日までも奇異なほど鮮明にデオンの記憶に残っていた。
永遠に消えないシミのように。
なぜなら、彼はデオンが殺した最初の人だったから。
ニックスは生まれて初めて感じる巨大な恐怖が、どうしようもなく自分を飲み込むのを感じた。
足元から捻りを巻いてゆっくりと這い上がった冷たい蛇が彼の息の根を締めてくるように。
狂ったように悲鳴を上げたかったが、舌が硬って出来ない。
大きく開いた目も、ぼんやりと開いた唇も酷く震えていた。
全身が冷たく凍りつき、そのまま深い深淵の中に沈んでいく感覚。
それは自分でも理解できず、納得できな強烈な感情の嵐だった。
そのように壊れた時間の破片の中で、デオンとニックスは同じ時計の針に刺さったまま、漠然とお互いを見つめていた。
二人のうち、先に動いたのはデオン。
自らさえ自分の行動を認識できない状態で、彼は目の前にいる「アシル」に向かって手を伸ばした。
ある目的意識を持ったからではなく、ただ無意識の一環だっただけ。
ある意味では、今ここにいるのが幽霊や歓迎ではなく、本当の実体を持った人なのかを確認しようとする身振りでもあった。
ニックスは隅に集まって蛇の口を前に頭を差し出したネズミのように身動きがとれなかった。
そんなデオンの手がニックスに触れようとした瞬間。
鋭気を抱いた空気の波がデオンに突進する。
それに気づいて後ろに退くのが1秒でも遅れていたら、カットされたのは裾ではなく腕だったはずだ。
「さすがだな、デオン・アグリチェ」
月明かりが入り混じった真っ白な輝きが鋭い剣に反射して視界から崩れ落ちた。
ゾッとするような眼光が霞んだ赤い瞳と割れた月のかけらのような冷たい金色の瞳が宙でぶつかる。
粉々に割れた視線が目の前に立った相手の肺部まで鋭く刺さった。
ニックスとデオンの遭遇。
そして、カシスとデオンの遭遇。
ロクサナがいない事を知ったデオンはどんな行動に出るのでしょうか?
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