こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は203話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
203話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 悲壮な決意
生死を行き来する熾烈な戦闘が繰り広げられると、メイが慎重に話しかけてきた。
「お嬢様、見ない方が・・・」
「いいえ、見ないと。あの二人が死ぬことを覚悟して戦うのは、私のせいだから」
エレナは毅然として気を引き締める。
血と殺戮が気持ち悪くて怖くないと言えば嘘になるだろう。
それにもかかわらずエレナは正面を見つめていた。
むしろ目に力を入れて一瞬も逃さないようにしている。
遅れて合流したレンもそうだが、ヒュレルバードは命を懸けて昔の仲間たちを斬っていた。
騎士として最も不名誉という裏切りの汚名まで甘受しながらエレナを選択したヒュレルバードのためにも、自分がそっぽを向くのは道理ではない。
エレナの瞳に悲壮な決意が垣間見えた。
「最後まで見るわ。そして、皆で新しく始めるのよ。私を信じてついてきてくれた人たちと」
ルーカスと騎士たちは保守的に対抗した。
チャンスを見て、カイドを離脱させて支援軍を呼び出せばいい。
それまでは無理をしないで耐えればいい。
そうしようとしていたが。
「く、くそっ。怪物が一人だけではなく二人も・・・」
ルーカスと騎士たちは瀕死だった。
帝国の三剣と言われるレンの実力は常識を超えている。
ヒュレルバードが理性的に相手を目で追いつけない快剣で駆使するとすれば、レンはその対極点に立っていた。
まるで飼い慣らせない野獣のように形式にこだわらず剣を振るが、それが息が詰まるほど猛烈なのだ。
(このままでは・・・!)
ルーカスはこのままでは長く耐えられないと直感して視線を送る。
熾烈に戦う中でも虎視眈々と離脱する機会だけを狙っていたカイドが頷いた。
殺伐と攻防が行き交う隙に、カイドは愛馬のいる方向へ駆けつけた。
尋常でない空気を感じたヒュレルバードが追いかけようとすると、騎士たちが前を遮る。
ここままではカイドを逃すしかなかった。
反対側でルーカスと二人の騎士を実力で押していたレンも反応する。
彼は既にこのような状況が起こると予測していた。
視線を交わすルーカスとカイドの気配が尋常ではなかったからだ。
「悪党の考えは、悪党だから分かるよ」
レンは両手で剣を握り、力一杯振り回した。
ルーカスは剣の重さに後ろに押し出され、レンは地面を蹴り、他の二人の騎士の目に砂を浴びせる。
「うっ!」
レンは流浪馬車に飛び乗った。
「借りるね」
彼はメイの持っていた短刀を奪う。
その間にも、カイドが逃走しようとしていた。
前足を高く持ち上げた馬が後ろ足を蹴って進もうとしたとき。
サッ!
空気を裂く音が聞こえ、光を反射しながら飛んでいった短刀がカイドの背中に正確に刺さった。
「カイド!」
ルーカスの声が消える前に、馬に乗っていたカイドの体がグラグラする。
そのままバランスを崩して地面に倒れた。
レンはニヤリと笑い、ルーカスの前に飛び降りる。
「みっともない真似をするから、あんな風になるんだよ」
「こいつ!」
「叫ばないでもらっていい?後ろが驚くだろ?」
言葉遣いは悪戯だったが、レンの目つきは冷ややかだ。
「もう死ね」
これ以上時間を延ばす必要性を感じなかったレンが全力を出す。
規格外に降り注ぐ猛攻に、ルーカスと呼吸を合わせていた騎士が一人、二人と血を吐きながら倒れていく。
ヒュレルバードも疲れた体でも全力で自分の前を塞いでいた騎士たちを全員倒していく。
「こ、こんな・・・。あり得ない・・・」
レンの爆撃に近い攻撃に耐えられなかったルーカスが座り込んだ。
肩に刺さった剣が斜めに引かれ、腕はボロボロに。
全ての状況が整理されると、ヒュレルバードとレンは流浪馬車に近づいた。
「ありがとう。二人のおかげで助かりました」
血生臭い匂いで胃がムカムカするが、エレナは表情に出さない。
生死を懸けて戦った二人に対する礼儀ではないと考えたのだ。
「当然のことをしただけです。それより遅くなって申し訳ありま・・・、お嬢様!」
エレナがふらつくと、ヒュレルバードが反射的に彼女を支えた。
「だ、大丈夫です。少し眩暈がして・・・。卿、もう大丈夫です。一人で立てますので」
眩暈はしたが、エレナは自分の足で立ち直る。
そんなエレナを眺めるヒュレルバードの目つきには心配と不安が混在していた。
「早くここを抜けましょう。もう少ししたら追撃隊が来るかもしれません」
リアブリックの執拗さと大公家の戦力を考慮すれば、いつまた追撃隊が来るか分からない。
だから急いでここを離れた方がいいだろう。
カリフは再び手綱を手に取り、放浪馬車を運転する。
たった一人、レンだけはその場に立っていた。
最強のタッグですね。
無事に敵を全滅させたエレナ一行。
これで本当に脱出は成功なのでしょうか?
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