こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は215話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
215話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 本当の名前
「実は腹が立っています」
「・・・」
「憎くて恨めしいです」
エレナは率直に自分が感じる感情をそのまま吐き出した。
平気なふりをしているが、エレナは分かっていた。
レンが傷ついたということを。
生まれて初めて見たことのない虚しさとぎこちない笑顔がその証拠だ。
「でも先輩も仕方なかったじゃないですか」
「え?」
「ベロニカに怒っているだろうし、憎くて、恨めしかったのでしょう?」
レンの瞳が地震でも起きたかのように容赦なく揺れた。
これまで誰も彼の傷と真心を理解しようとしたことがなかったため、レンを理解するエレナの言葉が彼の最も薄くて弱い部分に染み込んだ。
「だから理解しています。すごく痛かったし、今も痛いけど・・・」
後悔で啜られた過去の人生だが、結局自分が選択したことだった。
そしてイアンに会った。
イアンに会っただけでも祝福であり、かけがえのない喜びだった。
今になって言える言葉だが、ベロニカが中毒になったおかげで、今のエレナがいるのだ。
シークレットサロンの女主人Lになって。
時代をリードする新女性と呼ばれ、酷い悪縁を縁に衣替えさせた。
エレナは微笑んだ。
いつにも増して濃くて自信に満ちた笑顔は、今彼女が歩いている人生に対する自負心が滲み出ている。
「何だよ、ビビったじゃん」
「先輩が怖がることがあるのですか?」
「冗談だよ。私がこんなことでビビると思う?」
レンはわざと虚勢を張った。
ハラハラしていた本音がバレたくなくて強がるふりをして。
「レンと呼んで」
「レン」
話が終わるや否や、待っていたかのようにエレナが名前を呼んだ。
「なんでこんなに適応が早いの?」
「正直、先輩という言葉、あまり慣れませんでした」
エレナもスッキリした表情を浮かべた。
レンを先輩と呼ぶのは、いつも不自然だったから。
「君も教えてよ」
「何を教えるのですか?」
「本当の名前」
「・・・」
「ずっと私が君と呼ぶわけにはいかないじゃないか」
「Lと呼んでください」
「ねえ、今日は嬉しい日じゃないか。こんな日に、私たちの仲で名前を呼び合えないのかい?」
エレナは呆れたように聞き返す。
「私たちの仲とは?」
「名前を教えあった仲?」
「まだ教えていないのですけど?」
「だから教えてよ」
とんでもない論理にエレナは呆れた笑みを浮かべる。
なぜだろうか。
以前ならレンのとんでもない要求と強要にうんざりしただろうが、今はそうではなかった。
(まさか笑い話に聞こえるなんてね)
自ら考えても信じられない変化だ。
そのためだろうか。
隠すことができたのに、ベロニカと毒殺に関連していることを告白したレンの真心がありがたかった。
「エレナです」
エレナは名前を言いながらもぎこちなかった。
帝国に来て以来、本名を明らかにしたのは今回が初めてだからだ。
その相手がレンというのがナンセンスだけど。
「エレナ、エレナ、エレナ。いい名前だね」
オウムのように何度も名前を呟くレンは興奮しているようだった。
「エレナ」
「どうしたんですか?」
「エレナ」
「もう呼ばないでください」
子供じゃないのに名前で悪戯をするレンを見るとため息が出た。
訳もなく教えてしまった後悔に頭がむずむずする。
「それより大公家の事情はどうですか?」
大公家を出た後、内部事情を把握する道が遠かった。
けれど、邸宅にレンが植えたスパイがいるので情報は得やすい。
「ベロニカが実務に手を出しているようだけど?」
「ベロニカが?」
エレナの声が上がる。
大したことではないかのように話すレンと違って、エレナにとって非常に重要な事案だった。
「邸宅内でアセラスとベロニカが接触する回数が増えた。その二人が和やかに時間を過ごす仲でもないのに、何をすると思う?」
「陰謀」
「頭を突き合わせて同じような工夫を考えているんだろうね」
エレナは顎を触りながら物思いに耽る。
(ベロニカが実務に手を出している?)
大公家に復帰したベロニカは、公女の仕事にだけ集中すると思っていたが・・・、それは誤判だった。
(そういえば、私はベロニカについて何も知らない)
死ぬ前、ベロニカと向き合っていくつかの言葉の対話を交わしたのが全て。
その残忍な性格と性情は推察できたが、いざ彼女がどんな人間なのかは全く把握できていない。
ベロニカを知らないので、彼女がどう出るか予測が難しかった。
「何か気になるの?」
レンは何でも聞いてみろというように、手を動かすジェスチャーをとる。
「ベロニカについて教えてください」
「狂人」
「ふざけないで」
「本当さ」
エレナが一度我慢した。
「あいつは完全に正気じゃない」
「真剣に答えてくれませんか?」
「私は真剣だよ。君から見ると、私が今ふざけているように見える?」
エレナは笑いを堪えたレンの問い返しに唇を舐める。
返事はあまり気に入らなかったが、これ以上追及するのは曖昧だった。
「あの女が好きなものが何か知ってる?鳥だよ」
「鳥ですか?」
「正確には死んだ鳥。自分が殺した鳥だね」
「・・・!」
エレナの脳裏に、ベロニカの部屋にかかっていた怪奇な絵が通り過ぎる。
エレナとレンの関係がグッと縮まりましたね。
この二人が結ばれる可能性も?
最近はシアンが登場していませんので、この後が気になります。
そして断片的に分かってきたベロニカの情報。
レンはどこまで知っているのでしょうか?
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