こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は231話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
231話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 認識の変化
サロンを出たベロニカは勝利に酔いしれた目で振り返った。
彼女に従う20人の貴族はベロニカをじっと見るだけで、何のジェスチャーもできずグズグズしている。
いざベロニカの意思に同調してサロンを出たが、次の行動まで考えていなかったのだ。
ベロニカは彼らを見つめながら穏やかな声で話した。
「今日、皆さんは貴族の誇りを守りました。誇らしく思っていいのですよ」
貴族たちが待っていたかのように言葉を加える。
「いいえ、貴族として当然のことをしたと思います」
「公女殿下がいなかったら、今でもあの場で時間を無駄にしていたと考えるだけでゾッとします」
「これは全て公女殿下のおかげです」
ベロニカの満面の笑みがさらに濃くなった。
Lのサロンに打撃を与えただけでも痛快なのに、不本意ながら自分に追従する貴族たちまで得ることができるのだから、嬉しいことではないか。
(付き添いは多いほどいい)
ベロニカは本格的に社交界に出る準備をしていた。
そのためには、現在の社交界に影響力が最も大きいアヴェラを牽制するための派閥が必要だ。
彼らはその一部になるだろう。
「貴族の誇りを失っていない皆さんは、私の招待を受ける資格が十分にあると思います」
「しょ、招待ですか?」
葛藤していた彼らの目つきが変わった。
他でもない大公家の後継者であるベロニカの招待という言葉が彼らの期待を刺激したのだ。
「私は縁をとても大切にしています。一人も忘れずに覚えておいて、大公家に招待します」
ベロニカが高慢に振り向くと、後ろの貴族たちは上機嫌な表情を浮かべた。
「お気をつけて」
「招待をお待ちしております。是非とも忘れないでください」
「今日の件は感謝します。お気をつけてお帰りください」
貴族たちからの言葉に、ベロニカは一度も目を向けず馬車に乗り込んだ。
車輪が転がり馬車が進む。
ベロニカが外を見ると、貴族たちは馬車に向かって礼を尽くして見送りをしていた。
何とかベロニカの目に入るための涙ぐましい努力。
そのような努力にもかかわらず、ベロニカは関心を示さない。
彼女は公女であり、当然のことに感謝する理由がなかったのだ。
「スッキリした一日だったわ」
馬車の外、遠ざかるサロンを見るベロニカの口元に歪んだ笑みが浮かんでいた。
嵐が去ったサロンの中は重い静寂だけが満ちていた。
誰も先に口を開こうとせず、瞳を転がして顔色だけを伺うのに忙しい。
どうやらベロニカが妨害した蛮行の余波が残っているようだ。
しかし、皆がそうしたわけではなかった。
「おかしいですね」
誰かが呟く。
熊の仮面をかぶった彼は、声から見て若い令息と推測される。
「気分が悪くてこそ正常なのに、気分が悪くないのです」
沈黙を破って流れ出た声は落ち着いていた。
「私もです」
「あえて、ああしなければならないのかと思うほどです」
エレナは愛情のこもった視線で席を振り返る。
「ちょっとした騒ぎがあって、何人かの方がサロンを離れましたね」
「・・・」
「ところで、旅立った方より、サロンに残っている方がずっと多いです。私のように」
彼の言う通りだった。
20人余りの貴族がベロニカについて行ったにもかかわらず、あまり目立たない。
目分量で見ても100人近くの貴族が依然としてメインホールに残っていた。
有効的な世論が形成されると、エレナが待っていたかのように前に出る。
彼らの信頼と反応に応える番だった。
「サロンのルールは破られていません」
「・・・!」
「むしろサロン文化を多くの貴賓が尊重していることに気づいたきっかけになったと思います」
エレナは認識の変化を目の当たりにした。
啓蒙思想で学び悟る平民だけでなく、既得権である貴族たちもサロンを通じた文化・芸術・学問の交流で少しずつ変わっていたのだ。
その結果がまさにこれだ。
ベロニカについていかなかった多数の貴族は、身分の優越性を示し、誇示したり待遇を要求したりしなかった。
サロンを認め、規則を尊重し、一つの文化として受け入れたという傍証だった。
「ですから、皆さんいつものように私たちの文化を楽しんでください。小さな混乱さえ楽しめる余裕と美徳が私たちにはあるじゃないですか?」
エレナはそれとなく私たちを強調する。
結束力を引き出すと同時に、誇りを植え付けるためだ。
彼女は時代を代表する画家の作品を鑑賞でき、革命的デザイナーの新作ドレスに接することができ、偉大な交響曲を楽しめる彼らこそ真の知性人であることを知らせた。
エレナの笑顔と声に表現できないほど自負心が滲み出ていた。
その感情は、そのまま貴賓に伝わる。
貴族という特権意識を超えてサロン文化を享受できる自らが、他人より悟った知性人だという自負心を呼び起こしていく。
「Lの言う通りです」
「サロンは私にとって幸せです。サロンが無かったらどうやって暮らせばいいのか分かりません」
「討論会を参観するほど、新しい世界に目覚めていきます」
貴族たちはそれぞれ本音を出してエレナの言葉に応えた。
サロン文化を理解して享受できる自分が誇らしく、ここに集まった人々と絆で結ばれる満足感。
自分が特別だという印象を感じられる。
エレナは侍女が出したシャンパングラスを手にした。
貴賓たちも一緒にグラスを持つ。
「シークレットサロンと、享受できるあなたのために」
乾杯の音頭で凍りついていた雰囲気はいつの間にか溶けていた。
ベロニカの乱暴な行為が頭から忘れられるくらいに、皆がサロン文化を楽しみながら素敵な時間を過ごす。
ベロニカは満足していますが、これくらいで崩壊するシークレットサロンではなかったですね。
むしろベロニカについて行った貴族たちは、後で後悔するのではないでしょうか?
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