影の皇妃

影の皇妃【230話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は230をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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230話 ネタバレ

影の皇妃【229話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は229話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 身分の壁

「どうして答えないの?」

「それは・・・」

露骨に皮肉ったベロニカが階段を降りる。

ぼんやりとシャンパンを持っている令嬢からグラスを奪ったベロニカが男に近づいた。

(まさか?)

エレナは目を疑う。

同時に自分の心当たりが間違っていることを願った。

しかし、不吉な予測は間違いなく的中する。

シャンパングラスを頭上に持ち上げていたベロニカが、それを男の頭上に注いでしまった。

とてもゆっくりと、頭の中から顔まで濡れるように。

静けさの中でベロニカの笑い声だけがサロンに低く広がった。

彼女の狂気に満ちた笑い声は、エレナさえ言葉を失うほど衝撃的だ。

「な、何をするんだ!」

我に返った男の声が上がる。

屈辱的な状況に自尊心を傷つけられたのだ。

しかし、ベロニカはこの状況が楽しかった。

「怒るの?」

「・・・」

「怒ると何が変わるの?あなたに何ができるの?卑しい平民のくせに、そうじゃない?」

ベロニカの言葉に男が唇を噛み締める。

頭に血が逆上するほど怒りが込み上げてきたが、何の抵抗もできなかった。

身分の壁。

ベロニカと狭められない溝に男は絶望した。

 



 

「皆さん」

ベロニカの狂気に満ちた目つきに貴賓たちが息を殺す。

「仮面をかぶったからといって平民が貴族になるのですか?」

「・・・」

「とんでもない規則のために貴族の待遇さえ諦めるなんて、平民かもしれない人間に尊大するなんて?ああ・・・、考えただけでも屈辱的ですね」

狂気に満ちたベロニカの言葉には妙な説得力が込められていた。

それは身分を超えて文化芸術の交流を重視するサロン文化の根本を揺るがすと同時に、貴族が持つ特権を想起させた。

「貴族は一瞬にして生まれるものではありません。数代に渡って血筋として高貴さが完成します。そんな貴族が平民と同等というのは話になると思いますか?」

ベロニカは質問を投げかけると同時に、階段上のエレナを見上げる。

今日爵位を受けて貴族になった彼女を貴族として認めないという意味だ。

「・・・聞いてみたらその通りだと思う」

「私は何かに取り憑かれていたのかな?私は貴族なのに、どうしてここに来て平民と同じ扱いを受けているんだ?」

「どうしてこんな規則に従っている?騙された気分だ。考えるほど不快になる」

ベロニカの言葉に惑わされた何人かの貴族が動揺した。

これまでサロン文化に慣れ貴族の特権意識を忘れていたが、ベロニカが再び火種をつけたのだ。

意気揚々としたベロニカを見下ろすエレナの目つきに寒気が流れる。

ベロニカはサロンの根幹を揺るがした。

エレナが前面に掲げた、身分を超えた文化芸術交流の場という空間を根本から倒そうとしていた。

 



 

しかし、だからといってじっと座ってやられてばかりでいるエレナではない。

エレナは階段に沿って優雅な足取りで降りてきた。

そんな彼女が近づくほど、ベロニカの言葉に同調していた貴族たちの声が小さくなっていく。

実におかしなことだ。

少し前まではサロンの規則が不当だと騒ごうとしたが、エレナに向き合うと騒がないのだから。

エレナから無闇にできない雰囲気が流れ出て、思わず縮こまったのだ。

ベロニカを無視して通り過ぎたエレナが牛仮面の男に近づく。

自分のハンカチを取り出して濡れている彼の顔と首を自ら拭いた。

「サロンのオーナーとして、こんなことを経験させてしまい申し訳ありません」

「あ、いいえ・・・」

エレナの真心に男が首を横に振る。

「別に用意していた所にご案内します。新しい服と仮面もご用意いたしますので」

静かにエレナの後を追ってきたカリフが男を連れてホールを出た。

エレナは頭を下げて彼に謝罪する。

明らかに平民であることを知りながらも、エレナの態度はこの上なく丁寧だった。

エレナは振り向いてベロニカと向き合う。

鏡を見るように驚くほど似た顔で、このような常識のないことをするベロニカに耐えられない怒りが込み上げてくる。

逆にベロニカはこの上ない爽快感を感じた。

シアンの格を落とした彼女のものを崩すたびに喜悦が押し寄せてきたのだ。

「皆さんの考えはどうですか?あえて仮面までかぶりながらこんな扱いを受ける理由がないんじゃないですか?」

ベロニカは座中を振り返り微笑む。

権威的だが、そのため人を従わせる妙な笑みに、躊躇していた貴族たちが一人二人同調して仮面を脱いだ。

その数は実に十数人を超えた。

ベロニカは意気揚々をエレナを見る。

その時だった。

困った状況の中で、なぜかエレナの表情にだんだん余裕が滲み出てきたのだ。

(笑ってるの?)

エレナの意味深な笑みがとても気になったが、ベロニカは努めて無視した。

規則が破られてしまったエレナの虚勢ぐらいに思ったからだ。

「醜いですね、L」

ベロニカは皮肉を言っていたが、この上なく図々しい彼女の身振りに背を向ける。

その後を仮面を脱いだ貴族たちが従った。

躊躇って同調した貴族たちを合わせれば、その数はなんと20人に迫る。

遠くなるベロニカを見ながらエレナは言った。

「また会うことになると思います」

立ち止まったベロニカが振り向く。

「勘違いしないで。また会うかどうかは私が決めるのだから」

最後にベロニカと彼女に同調した貴族たちがホールから退場した。

 



 

最初の対決はベロニカの勝利?

エレナの笑みが気になりますが、この後のパーティはどうなってしまうのでしょうか?

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