こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は88話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
88話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side イースケ②
「本当に格好いい兄妹じゃない?」
「・・・」
「一人で何を飲んでるの?お酒なら、また奪って飲もうとするつもり?一度も奪えたことはないけど」
イースケは返事もせずに目をそむけてフレイヤを眺めた。
悪戯っぽく輝く紫色の目を、爽やかに微笑んだ口元を。
ずいぶん前から見てきた顔。
彼の妹が歩き回った頃から、彼の母親が亡くなる前から。
そのためだろうか。
「心配しないで、今日は奪わないから。何で一人でこうしているの?あなたと踊りたがる人がどれだけ多いか、残念じゃない?」
「・・・お前の弟はどこにいるんだ?」
「うん?ローレンが急にどうしたの?」
「最近目立たなくて気になるね」
「何よ、それ」
呆れたように噴き出す笑い声に微妙な戸惑いが漂っていた。
イースケは表情に何の変化もなく彼女をじっと見下ろす。
「急に私の弟に会いたくなったのなら、あそこにいるから挨拶すればいいんじゃない?ところで、あなたの奥さん本当に羨ましいわ。私もあんなに心強いお兄さんがいたら。でも本当に似ていないのね」
「惚れたかな」
「うーん、ハンサムだけど、私はああいうタイプは苦手かな。それに、あんなに妹と親しい人はやっぱりちょっと・・・」
「じゃあ、気にするな」
「え・・・?」
「気にするなと言った。俺の妻のことは」
極めて穏やかな口調。
まるで天気の話でもするかのように淡々とした穏やかな声。
磁器のように滑らかなフレイヤの顔に小さな波紋が広がった。
「もしかしてティーパーティーのこと?そうでなくても、その話をしようとしたの。夫人があなたに何と言ったか分からないけど・・・」
「言葉が多いな。みんな一度言葉にすると聞き取れないのか分からない」
赤い瞳は生臭い冷笑に照らされた。
そうでなくても涼しい目鼻立ちが冷笑に染まる姿が息詰まるほどだ。
わざと怯えた様子を隠しながら、フレイヤは開いた唇をそっと抱きしめた。
「あなたが何の誤解をしているのか大体分かった。とりあえず、私が夫人に・・・」
「立場をわきまえずに話すことは親に教わったのか?」
「え?」
「お前が妻に何をする権限があると思う?」
「・・・」
「勝手に話しかける権限もないのに」
権限。
生半可に響く言葉が耳を尖らせた。
首筋からヒンヤリと広がっていく侮蔑感もまた不慣れな種類だった。
フレイヤはすっかり固まった顔でイースケを睨みつける。
落ち着かなければならないとうことを知っていたが、恐怖よりは衝撃に理性が制御されなかった。
「言い過ぎね。どうしてこんなに変わったの?女性には興味がないって話は、本当じゃなかったの?」
薄っぺらな挑発。
吐き出した方がかえって傷つくような。
「じゃあ、今まで私が女だと思っていたのか」
これほどとは思わなかった。
フレイヤは飽きるほど無関心で、さらに乱暴に感じる反応に辛うじて自分を落ち着かせ、口元を引き寄せる。
いくら衝撃的でも平静を失ってはならない。
瞬間の感情に流されて近視眼的な行動を取るのは、彼女の性情とは程遠いもの。
遠くを見て行動しなければならない。
それにしても精一杯踊る人形に惚れているだけなのだから。
短い余興に酔って目が眩んだだけのはず。
兄と関係を持っている薄汚い女との遊びは長続きしないはずだ。
そのように心を固めながら、フレイヤは澄まして背を向ける。
「そうね、私がこれまで豪勢に勘違いしていたみたい。ハンサムな小公爵の心気を気にしていたら、ひどく面目がないから」
遠ざかっていくフレイヤの後ろ姿を眺めながら、イースケはふと6年前の今日を思い出した。
17歳で剣闘大会に参加した年、これと言った理由もなく参加を決めた瞬間、特に理由もなく優勝花冠を手にした瞬間、特別な理由もなく花冠を妹に渡した瞬間、次にまた優勝したら、その時は自分にちょうだいと言うフレイヤの言葉にも同じく特別な理由もなく頷いた瞬間が。
大陸で最も権威のある大会を経て、何かが変わると思っていた。
しかし、歴代最年少優勝タイトルを獲得した後も、楽しい退屈さはそのままだった。
鳴り響いた観客の歓声も、父親と叔父の顔に浮かんだ自負心も、ただ馬鹿げてばかりいた。
もし今度、自分がもう一度優勝者になったら・・・。
「ここにいたのですね」
イースケは自分の肩に気兼ねなく手を置く枢機卿を振り返る。
見れば見るほどルードベキアと少しも似ているところがなかった。
兄妹の間柄だとしてもそっくりとは限らないが、種自体が違う花を見ているような。
本当に完全な他人かも。
「ルビは・・・」
「ちょっと涼みに行ったね。すぐに戻ってくるよ。ところで、うちの義弟はこんな席があまり好きじゃないみたいだね?」
「特に苦手なわけではありませんが、楽しむ性格でもありません」
「それは残念だね。いつか一度君を南部宴会に招待しようと意気込んでいたのに」
「南部の宴会だと私も少し気になりますね」
「うちの妹が喜びそうだから?こっちに行こうか」
分かるような笑みを浮かべたチェシアレが晩餐テーブルの方へ先導する。
フレイヤに一撃を加えたイースケ。
少しだけスカッとしましたね!
そしてチェシアレとの対話。
彼の本質が少しでも分かるのでしょうか?
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