こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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72話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 特別な誕生日②
「それは本当ですか?」
「はい。」
私が願っていたことは、どうやら叶いそうにないようだった。
「聖国の使節団が今月の最終日に来るなんて……」
ある夜のこと。
久しぶりに父も参加した夕食会だった。
席を立ち上がった後でも、国王は王妃の機嫌を取らなければならなかったし、何週間も辛抱してきた上に、父の野望も継続される状況だったからだ。
「来るなら少なくとも1ヶ月前には知らせておくべきではありませんか?こうして2週間前になって突然、一方的に日程を伝えてくるなんて。」
「そうは言っても、その点についてはすでに伝え済みだったのですが……」
父が言葉を濁すと、母がそれを察したように頷いた。
まるで誰かが深い溜息をついたかのようだった。
「一人で問題を抱え込んでいたようですね。」
「こちら側に非があると言うのですか?」
「国王陛下は在位期間が10年を超えているのに、依然としてそのようですね。」
母は深い息をついた。
その言葉に、私は全面的に理解を示した。
聖国の立場でも、日程調整には十分に配慮し、適切な日時を選んで通知してくるのが普通だ。
しかし、状況を見れば、こちら側に落ち度があるようにも見える。
というのも、あの事件が起こった日から2ヶ月近くが過ぎていた時期だったのだから。
聖国はあの事件をそこまで重大視していないということだ。
本当に重大な過失だと考えていたなら、聖国はもっと早く対処しただろうに。
立場上、深刻な警告なり何なり、何かは行ったはず。
それでも結局、まずは使節団がやって来るというわけか。
何か他に理由があるのではないだろうか。
母もそう考えたのだろう。
責任を持つと宣言した後、母は本当に万全の準備を整えていたのだから。
「ミハイルにはまだ早い。」
母のその言葉に父も同意し、静かに相槌を打った。
「大公家にとっても、きちんと祝ってあげる最初の誕生日であるだけに、いくつもの準備を進めている最中だったというのに……。」
その言葉に、食事に集中していた姉がスプーンを置き、疑問の視線を投げかけた。
「じゃあ、ミハイルの誕生日パーティーはできないの?お祝いしようと思って一生懸命準備したのに。」
「誕生日プレゼントは渡せるだろう。」
「パーティーはできないの?」
再度確認する姉の質問に、父は寂しそうな表情を浮かべた。
父の立場からしても、もう少し調整できないかと思ったのだろうが、妙に頑固なところのある国王が意見を曲げる雰囲気ではなかった。
本当に空気が読めない奴らだな。
参列者が来ない方がいいと思えるような日程だったとしても、最低限、礼儀として王室の助言者にでも尋ねて調べるべきだったはずだ。
それができなかった結果、大使館でのやり取りに続き、この悪い選択肢まで。
聖国と神殿に対する評判はさらに悪化していった。
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父はどうにかして使節団の訪問日を延期しようと奔走し、国王を説得しようと試みた。
しかし国王は最後まで一人で決定権を握り、対話を拒んだ。
『結局、そのせいで。』
2月29日。
ミハイルの誕生日であり、聖国の使節団が訪問する日が来てしまった。
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「もう、本当に腹が立つ。」
朝、目を覚ました瞬間から。
いや、実際には数日前からずっと気分がモヤモヤしていた。
今日の主役であるミハイル・レヴェンティスのせいだ。
当然のことながら、ミハイルも聖国訪問の日だと知っていた。
しかし、その話を聞いても、ミハイルの気分はまったく悪くなさそうだった。
むしろ…。
『どうしてこの子、怒ってるように見えるんだろう?』
『違うよ。』
『本当に? 頬が普段よりも膨れているように見えるけど。』
こんな話をしながら楽しそうにしているように見えて、気持ちは複雑だった。
4年に一度の誕生日なのに、しかも初めての誕生日の時も何も特別なことはなかったという。
子どもたちにとっては、とても大きなイベントだもの。
私の姉は、誕生日が近づくと必ず「自分の誕生日だ」と使用人たちに自慢していた。
いつもは威張っている兄でさえ、誕生日の日には、送られる祝福に感謝しながら喜んでいるのを見たことがある。
実際、初めての誕生日パーティーなんてそんなに違いがないのに、なぜ大騒ぎする必要があるんだろう。
本来であれば、使節団が来る直前に子どもたちだけの誕生日パーティーを開くこともできた。
しかし、聖国から将来の指導者となる子どもたちも見に来るので、子どもたち全員を見せたいと提案されたのだ。
本当に雰囲気を読み取れない子たちだな。
もちろん、ミハイルは私が不安に感じているのを分かっているようだったが、自分なりに何かを求めてきた。
「赤ちゃん、私が惨めに見える?」
「……。」
確かに残念に思う気持ちはあるが、「惨め」という言葉を口に出していいのか迷った。
しかし、それを深刻に受け止めるほどではなく、ミハイルは普段通りのように、無邪気な笑顔で提案してきた。
「じゃあ、その日も一緒に手をつないでくれる?」
「手……?」
「うん、赤ちゃんが僕の手を握ってくれるのが一番嬉しいんだ。赤ちゃん以外には手を握ってくれる人がいないからね。」
もしかすると、私が断ると思ったのかもしれない。
まだまだ自分の評価をアピールすることも忘れていないようだった。
本当に抜け目ないやつだな。
だから私は今回もミハイルに根負けしてしまった。
一方で、やっぱり理解できない部分もあった。
5歳の子供がただ手を握るくらいのことが、そんなに嬉しいの?
彼の手を握るということは、私の面倒を見てくれるということと同じ意味だ。
ミハイル・レベンティスは、その幼い行為を本当に好むという、奇妙な趣味を持っていた。
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