こんにちは、ピッコです。
「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

99話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 姉の11歳の誕生日
お姉さんとミハイルの喧嘩、いや対決は今回が初めてではなかった。
当然、武術を習って2年程度のお姉さんはミハイルの相手にはならなかった。
しかしやはり母の娘だからなのか、お姉さんの実力はぐんぐん伸び、今ではなんとか対抗できるようになってきた。
それでもこれまで一度も勝ったことはなかったけれど。
「今日はミハイルが悪かったから、左手だけにしておこう。」
やっぱり私のお姉ちゃんでありお母さんの娘だよ!
手段や方法を選ばないんだ。
「ひどいな、私は右手で剣を使うのに。」
「だから何よ!」
ミハイルの殺気にもお姉ちゃんは堂々と腰に手を当てて話した。
「むしろミハイルだからこそ今まで刺したのよ!ねえ、シャシャ?」
「うん!」
どこを刺したのか正確にはわからないけど、お姉ちゃんが刺したと言えば刺したんだろう。
どうせミハイル・レベンティスは普通に刺されるものと分かっているから。
するとミハイルは私に向かって目を鋭く細め、冷たい表情をした。
私はもちろん無視した。
数日間、私はミハイルのために十分に気を配り、今回の月の訓練分のタスクはすべて埋めたんだから!
「どうして試合をするの?私とラウレンシアは、たった1歳しか差がないじゃない。」
「武術を学んだ年数の差があるんだよ。だから両手を使うのはずるいじゃないか!」
ミハイルはその言葉に小さく笑いながらも仕方なく、左手で騎士が用意してくれた木剣を取った。
そしてお姉さんが騎士から受け取ったのは剣ではなく、槍だった。
お姉さんの背丈に合わせて特別に作られた練習用の槍は、精巧に細工されており美しかった。
「今日は私が必ず勝つから!だから誕生日のパートナーは私がやるんだから!」
その言葉にミハイルの目がぱっと変わった。
「それは私も簡単には譲れないけど。」
「ミハイルは、譲ることもできるみたいに言うの?」
お姉ちゃんは呆れたようにぶつぶつ言いながら槍をぎゅっと握った。
「あなたが譲らなくても、ララが分かって勝つんだからね?!」
お姉ちゃんはそう言いながら槍を大きく振った。
当然、ミハイルはとても軽やかにその攻撃を簡単に避けた。
ちょっとくらい当たってよ!
パチン、パチン!
木製の練習用武器がぶつかり合って音を立てた。
あたかも呆れて言ったことを物語るかのように。
ミハイルは自分の間違いを認めようとする様子はあったが、積極的に謝ることはなかった。
だからますます再戦の余地はないと思えた。
『やはり左手だけでもミハイルの方が上なのね。』
お姉さんに対する複雑な感情を抑えてみると、正直なところ少し複雑だった。
でも実力が勝敗を決めるわけじゃないのだ。
お姉さんが弱々しく私を見つめてきた。
私は思わずお腹を手でさすり、涙がにじんだ。
『お姉さんが前に言っていたこと、でも本当にそうなるの?』
そう思いながら。
「赤ちゃん?」
私を呼ぶと同時に、ミハイルの手から木剣が飛んできた。
パシッ、カラカラッ!
あの子、立ち合い中でもずっと私の様子を見てたの?
痛いって一言も言わなかったのに、あんなに慌てて駆け寄ってくるなんて。
しかも木剣が飛んできて試合で負けたのに、それは全然気にしてない様子だった。
「大丈夫?」
ミハイルの問いかけに、私は落ち着いた顔でそっと顎を上げて見つめながら答えた。
「立ち合い中に他を見ちゃダメだってお父さんが言ってたけど。」
「……痛くないの?」
「痛くない。」
「……よかった。」
この抜け目なく気の利く子が、私が姉を勝たせようとしてわざとやったことに気づいていないなんてことはないだろう。
ただ「よかった」と言う顔をして、私が少し格上の人間のように振る舞っただけ。
でも、まあ、姉のためならどんなことでもしてあげたかったのは事実だ。
「お姉ちゃんの言った通りだよね?サシャがいると、ミハイルは絶対集中できないんだって。」
姉が冗談めかして言った言葉だったけど、でも、それってちょっと意地悪じゃない?
なんだかんだ言いながら、当然のことのような顔をしている姉の表情が思い浮かんだ。
「ラウレンシアだって、もし赤ちゃんがわざとやったって知らなかったら、すぐに飛んで来たはずだよ。」
「もちろんだよ、だって私はうちのシャシャお姉ちゃんだから!」
お姉ちゃんはそう言いながら私をぎゅっと抱きしめた。
本当に手段や方法を選ばずに手に入れた勝利だけど、そんなことは全然気にしていない様子で。
「お姉ちゃんの誕生日には、お姉ちゃんのそばに必ずくっついてなきゃだめだよ、わかった?うちのシャシャ。」
「うん!」
私もすごく嬉しい顔で顎をこくりと動かした。
「私にもそうやって可愛がってくれたらいいのに。」
「じゃあまず、呼び方を“赤ちゃん”じゃなくて名前に変えてくれる?どうせ絶対変えないくせに。」
私はその言葉を聞こえないふりをして、お姉ちゃんとふざけ合った。
ミハイルは笑った。
しばらくその様子を見ていたミハイルは、すべてが良いことのように微笑みを見せた。
その日、姉との決闘の後、ミハイル・レベンティスは兄に対しても同じような態度だった。
ダミアン兄は基本的に弟妹たちが何をしていようと、ただ信じて見守るタイプだ。
だから私がミハイルやラミエルを少し気にかけていたとしても、特にうるさく言われることはなかった。
ただそれだけだ。
『私のアナスタシアももう少し自分を大事にしてくれたらいいのに。』
『私はご飯もちゃんと食べてるし、よく眠れてるんだけど?』
知らないふりをして言った言葉に、お兄ちゃんは笑いながら私の頭を撫でた。
『すごく優しいから、まず他の人のことを考えるんだろうな、きっと。』
『そうか。』
私が拗ねると、お兄ちゃんはどうしようもないというようにため息をついて話した。
『お兄ちゃんがもう少しちゃんと見守ってあげなきゃな、うちの赤ちゃんを。アナスタシアが辛くないように。』
『私はお兄ちゃんが大好き。』
『お兄ちゃんも私たちの末っ子が大好き。お兄ちゃん、最近ちょっと顔を見せてくれない気がするけど?』
もう少し時間を作ってほしいっていうアピールだったんだろうけど、それは私がどうこうできることじゃなかった。
公爵家の子どもたちの中でも、兄が一番忙しいのだから。
顔を見られるのは、朝食や昼食、そして時々のおやつの時間くらい。
私もお兄ちゃんとの二人きりの時間が足りないと思って、夜にこっそり会いに行ったりしては、嬉しそうにしながらも小さな文句を言われたりしていた。
『うちの末っ子は早く大きくなりたがってたみたいだな。』
『そうだよ!』
『じゃあこんなに遅くまでお兄ちゃんと遊ぼうって来ちゃだめだろう。』
『お兄ちゃんは私と遊ぶの嫌い?迷惑だった?』
『そんなわけないだろ、どうして勉強がうちの末っ子と一緒に過ごす時間より大事になることがあるんだ。』
そう言いながらもお兄ちゃんは、あまりに遅い時間だとお菓子を少しだけ渡してすぐにおやすみのキスをしてくれた。
当然、部屋まで送っていってくれるのも含めて。
『お兄ちゃんもアナスタシアともっと長く遊びたいだけ。』
『じゃあ、もっと遊んで。』
『うちの末っ子が後で背が伸びないって悲しんだら大変だからね。』
そう言われたら、私は何も言えなかった。
工房にいる子どもたちの中で、一番小さいのは私だったのも事実だから。
本当にしっかり食べて寝ているのに、どうしてこう背が伸びないんだろう?
もちろん、お兄ちゃんだってたまには少し寂しそうな顔を見せることもあったし、私やお姉ちゃんと一緒に寝たことだってあった。
もう1年も前の話だけど、とにかく、あんなお兄ちゃんだからこそ、ミハイルがこの状況に何も感じないはずがなかった。
『私のせいもあっただろうけど、お兄ちゃんはミハイルの友達でもあるしね。』
あの日、ミハイルはピオニが何を言ったのか最後まで教えてくれなかった。
正直、二人の話をちょっと覗き見していればわかっただろうとは思ったけど。
『友達同士の会話をいちいち聞きたいわけじゃないし。』
あの生意気で正直な子が最後まで私に言わないのなら、本当に話したくないってことなんだろう。
私が知らないことで彼女に危険が及ぶのでないなら、私もある程度は知らないままでいたかった。
まあ、国だの何だのをあれこれ気にしてばかりいるのが趣味だったわけでもないし。
『私は、私の好きな人たちが幸せでさえあれば、何でも構わない。』
ピオニがあのとき言っていたように、長生きできるかは分からないけれど、この人生が20歳近くで終わったとしても、今度こそ最善を尽くしたなら、それだけで十分じゃないかと思えた。
5月5日。姉の11歳の誕生日だった。
「サシャ、起きた?」
「うん。」
ちゃんと起きて顔を洗って、適度にご飯も食べた。
公爵家で一番起きるのが遅いのはお姉ちゃん。
でも今日は誕生日だからか、いつもより1時間も早く起きて私の部屋にやってきた。
「今日もうちのシャシャはかわいいね。お姉ちゃんはシャシャが妹で本当にうれしい。小さい頃からずっと大好きだったの。」
うんうん、よく覚えてるよ。
初めて会った瞬間、お姉ちゃんがどれだけうれしそうに走り回ってたか。
だからピリピリしてた警戒心も和らいだんだ。
「私もお姉ちゃんが好き。」
「知ってる!うちの末っ子はお姉ちゃんがすっごく、すっごく好きだもんね。」
「好きだよ。」
私がそう言うと、姉の顔がぱっと明るく笑顔になった。
武術を習ってから、だいぶたくましくなったはずなのに、姉の可愛らしさと優しさは変わらなかった。
だから、余計に嬉しかった。
『でも、なんで朝から私の部屋に来たの?』
姉が来たこと自体は驚くことではなかった。
武術の稽古を始めてから、時々、朝の食事前にふと私の部屋を訪れる日もあったからだ。
でも、今日は姉の誕生日なのに?
「姉さん、ここにいても大丈夫?」
姉は、わざわざ服を着替えることもせず、ワンピースのパジャマの上に可愛らしいウサギ柄のガウンを羽織っていた。
真剣な顔で私の手をぎゅっと握り、顎をこくんと動かした。
「もちろんだよ、今日はとってもとっても大事なことがあるんだから。」
「大事なこと?」
「うん!絶対にシャシャがいなきゃだめなの!」
あまりにも真剣そうなので、一体何事かと思ったら。
「うーん、もちろんそれもうちのシャシャにはすごく似合って可愛いと思うけど、今日は赤いリボンがいいと思うな。」
「さすがララお嬢様です。末っ子お嬢様に一番似合うものを一番よく分かっていらっしゃいますね。」
「私がサシャのお姉ちゃんなんだから。さあ、髪型はこうしてね。こうやって。」
お姉ちゃんはまるで決めたように、可愛くしてほしそうにあれこれ指示してきた。
まあ、久しぶりにお姉ちゃんの遊び相手になるのも悪くない。
小さい頃は、私の服や髪型をいじるのも、ほとんど気にしていなかったくらいだった。
もちろん、頭を丸坊主にしたり、髪の毛を全部剃るとか、そういう極端なことは絶対に嫌だったけど。
ともあれ、私はいつもお母さんやお姉ちゃんたちが用意してくれた服を着て生きてきた。
どれだけ楽だったことか!着るものについて悩む必要がない生活なんて!
『これで45回目だっけ?毎日髪型から靴まで全部変えなきゃいけない時は、本当に面倒だったんだよね。』
そのとき、本当に何のわけもなくひたすらみじめなことを全部やり尽くして、何百年もずっと質素に生きてきた記憶があった。
そういえば、そのときもお兄ちゃんがいたんだ。
最初の人生でもお兄ちゃんがいたからだろうか、私は家族関係がわかる年頃になると、お兄ちゃんがいることが多かった。
45回目の人生でもそうだ。
『君は本当に全部手に入れられると思う?僕の病気さえ治れば……』
『わかったから、さっさと病気治して起き上がってよ、お兄ちゃん。』
私が生まれた場所は、代々の悪名高い家門だった。
飲食で有名な家だったから、病弱な兄が前に出ることはできなかった。
他の家がひとたび崩れると、あっという間に潰されてしまうのは当然だった。
だから当時、両親は私を最高の「飾り用の人形」として育てた。
美しく、優雅に、歩き始めたその時から死ぬ瞬間まで、そうなるように。
美しく、華やかで、強くすらあって、誰も家に手を出せないようにする存在。
そのおかげで、勉強も必死で頑張ったし、勉強量も多くて、天才のように見られたりもしたけれど、それも全て、両親にとって良い人形であるためだったんだと思う。
『私は両親にとって良い人形であるために……。』
そんな思いで、表情が固くなった記憶が残っている。
そして、結局、死ぬ時にはそれが自分の「役割」だと思っていたんだ。
分かってたのはお兄ちゃんだけだったでしょ?
自分の夢が叶ったから喜ぶと思ってたのに。
『なんか、気まずいじゃん。』
あの日お兄ちゃんは目尻を赤く潤ませながら、何かをつぶやいていた。正確には覚えてないけど。
『僕が病気じゃなかったとしても、君が立つ場所なんてなかったはずだよ。』
そんなことを言ってた気がする。
もし病気じゃなかったら、すぐに死んでた気がする。
唯一その人は私に、何もするなって何度も言ってた気がする。
ほとんどの人は、いつも私に何もさせられなくて大騒ぎだったのにね。
私がそんなことを考えているうちに――お姉さんと他の子たちは、私の着飾りを素晴らしく仕上げてくれた。
『お姉ちゃんの誕生日なのに、私がこんなに華やかでいいの……?』
そんなふうに心配になるくらいだった。
白いドレスはフリルとレースで可愛く装飾され、赤いリボンがポイントとしてあちこちにつけられていた。
まとめた髪の上にも赤いリボンを飾って、セットで合わせたような雰囲気だった。
まるで自分自身がプレゼントのように見えるように仕立ててくれた感じだった。
お姉ちゃんの誕生日プレゼントだと思えば、なんだか嬉しくなった。
どれだけでも、愛しいお姉ちゃんには喜んでもらえるんだから。
「私のサシャ、すっごく可愛い。」
私が可愛いって笑ってくれるお姉ちゃんが、誰よりも可愛かった。
私のお姉ちゃんは、ああやって満足そうに笑うときが一番優しくて子どもっぽかった。
「じゃん!」
私に少し待っててと言った後、お姉ちゃんは自分も着替えて戻ってきた。
お姉ちゃんは私と似たスタイルの白いドレスに、リボンを黒でまとめていた。
「私はシャシャとお母様が一番好きだから、二人を同じ色で揃えたかったの。」
お姉ちゃんはそう言いながら、私の首に自分の瞳と同じ色の宝石がついたネックレスをかけてくれた。
お姉ちゃんと他の子たちは、私の装いを完璧に整えてくれた。
「これはお姉ちゃんから頼まれて届けるプレゼントだよ!」
今日はお姉ちゃんの誕生日なのに?
「実は、ミハイルのおじいちゃんがララに、ミハイルの誕生日プレゼントだって前もって送ってくれたものなんだけど、サシャには色が合うと思って、サシャにあげたくて。」
そう言いながらも、お姉ちゃんは何か大事なことを話すように、そっと声を落として話し始めた。
「それね、すごく高いんだって。だからなんだか、サシャにあげたくなっちゃって。」
「高い?」
「うん……なんとかっていう宝石だったらしいけど。」
お姉ちゃんはその後、「長すぎてもう覚えてないや」と笑った。
『高そうな宝石だな……』
そしてその宝石の名前を前世の記憶で知っていた私は、思わず顎を引いた。
グランディディエライト、希少性があってどの世界でもかなりの価値がある宝石だった。
ここでもやっぱり珍しい宝石なんだ。
これを11歳の子どもが誕生日プレゼントとしてもらうなんて、まるで「おじいちゃん」って呼ばれるような気分だな、なんて思いながら、なぜか首がムズムズする感覚を覚えた私はお姉ちゃんの手を握ってホールに出ていった。
両親は幸せそうな顔で迎えてくれた。
「うちの娘たち、今日はとってもかわいく着飾ってきたね?」
「うん!私がサシャを飾りつけたんだよ。上手にできたでしょ!」
お姉ちゃんは、まるで「お母さんに褒めてほしいな」というふうに、キラキラした目でお母さんを見つめた。
「そうね。じゃあ、ラウレンシアも可愛くしてあげよう。ラウレンシアもこんなふうに可愛くおめかしして、ラウレンシアの誕生日なのにお母さんが喜んでくれるなら、どうしよう?」
「それならもっといいよ!ララはお母さんが幸せなら、もっと幸せだもん。」
そう言いながら、お姉ちゃんはぎゅっと私を抱きしめた。
お母さんも嬉しそうにお姉ちゃんを抱きしめて、その様子を眺めていたお父さんは、羨ましそうな表情で腕を広げた。
「私の末っ子、すごく可愛いから、お父さんも抱きしめてもいいかな?」
ダメな理由なんてあるわけないよね。
だって私のお父さんなんだから。
なんのためらいもなくお父さんに抱きつくと、お父さんはとても嬉しそうにぎゅっと抱きしめてくれた。
「きゃっ、お父さん。シャシャをそんなにぎゅっと抱きしめちゃダメ!髪の毛かわいくセットしたのが崩れちゃうじゃない。」
そのおかげでお姉ちゃんに小言を言われたけど、後ろから軍服を着たダミアンお兄ちゃんも現れて、お姉ちゃんに「かわいいね」と言って頬にキスしてくれた。
「妹たちが可愛ければ可愛いほど、お兄ちゃんは嬉しいけど、心配にもなるんだ。」
「なんで?」
「だって、あまりにかわいすぎて、誰かが一緒に連れてっちゃうかもしれないだろ?」
お兄ちゃんの言葉に、お姉ちゃんが笑い出し、顎をこくんと動かした。
「大丈夫!ララが全部勝てるから!」
負ける前に悪い人だと思われないか心配だったけど、お姉ちゃんはとにかく人を良く見てばかりだから。
でも、家族のみんながその堂々とした言葉に思わず笑った。
もちろん、その後、ラミエルやミハイルもお姉ちゃんに「可愛いね」って褒めてくれた。
お姉ちゃんは本当に幸せそうだった。
自分が「可愛い」って言われたことよりも、みんなが私を可愛い、可愛いって褒めてくれるから嬉しかったのだ。
「みんな羨ましがるくらい、うちのサシャって可愛いんだから!私のパートナーでいてくれて、お姉ちゃんはすっごく幸せ。」
私も幸せだよ。
お姉ちゃんがこんなに私を好きでいてくれるんだから。
だから私は、かわいいお姉ちゃんに感謝の気持ちを込めて頬にキスをした。







