幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【125話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

125話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 狂気

数日後、深夜。

コンコン。

扉を叩く音に、ペルセウス皇帝は「入れ」と答えた。

「陛下。急ぎ申し上げることがございます……」

控えていたユドクが慎重に近づいてきた。

ペルセウス皇帝の容体を確認するように。

皇后の提案で急きょ休養が決まったが、彼がこの地を訪れたのには別の理由があった。

表向きには健康回復のため。

だが実際には、かつて神殿で幼少期を過ごしたというレリアの痕跡を探すため。

そして最後に——

「……よい、近くに来なさい。」

「はい、陛下。」

ペルセウス皇帝は安心したように近づいてきた。

その瞬間、皇帝は頭がじんじんするのを感じた。

まただ。

「自分の子供も見分けられない虫けらめ。」

――死んだライディオスの声が聞こえ始めた。

この声が不吉だった。

――私はお前の娘を救った恩人だ。それなのにそんな私を殺す?兄を殺す?お前は死んでも許されないだろう!

しばらくして耳をつんざくようなその声が聞こえたかと思うと、すでに死んだはずのライディオスの幻影が現れた。

それ以降の記憶はなかった。

側近の話によれば、彼の瞳は青く変わり、剣を振り回していたという。

――狂気だった。

この地を訪れた最後の理由は、大神官に会ってその狂気を治療してもらうため。

治せるかどうかは分からないが、とにかく助けを求めるしかなかった。

レリアとの最後の会話の後、彼は幻聴を聞き始め、幻影を見た。

側近が慎重に近づいて皇帝の様子をうかがった。

ペルセウスはやっとのことで正気を取り戻した。

「どうした?」

「えっと……それが。妙な報告が届きました。あまりにも奇妙な内容ですが、それでも陛下にお伝えすべきと思いまして。」

「言ってみろ。」

「……この近くでレリア皇女を見たという兵士がいます。」

「誰を見たと?」

ペルセウス皇帝はその瞬間、死んだライディオスの幻を一気に振り払った。

あまりにも突拍子もない話だったからだ。

「レリア皇女です。」

「……はぁ。」

レリアがここにいるはずがなかった。

今レリアはアウラリアの皇城にいるはずだ。

カリウスのそばで、安全に。

「とんでもないデマを聞いたようだな。」

ペルセウスは呆れたように言ったが、側近もまた冷静を装いながら言った。

「私も見間違いではないかと疑ったのですが……兵士が描いた皇女様の外見と、実物がとても似ていたため報告いたしました。」

「………」

その言葉にペルセウス皇帝はしばし考え込んだ。

現在、アウラリアの首都皇城では、レリアが行方不明になったという噂がすでに広まっていた。

しかし皇后は、その知らせが皇帝に届かないように遮っていた。

休養中の皇帝に大きなショックを与えてはならない、というのがその理由だ。

だが内心では別の考えがあった。

皇后は今こそ好機だと考えた。

レリアはあらゆる面で権力にとって障害となる存在。

この機会に彼女を他国へと送り出すのが得策だった。

だからこそ、可能な限り皇帝にその知らせが遅れて伝わるよう、どうにもならない状況に陥るまでは気づかれないようにしていたのだ。

この事実をよく知らなかった皇帝は、目を細めた。

もしかして本当に知らないのかという考えがよぎった。

「レリアを見たという場所はどこだ?」

「近くの森のあたりです。兵士が村の女性と密会しているところを目撃したようです。」

「一人だったのか?」

「いえ、銀髪の男性と一緒だったそうです。」

その言葉に、ペルセウスの眉間に皺が寄った。

同時に、ある人物の顔が脳裏をよぎった。

――フレスベルグ帝国の皇太子。

一瞬、焦るような気持ちが湧いた。

もしかすると目撃されたというその者が本当にレリアなのかも分からなかったからだ。

彼はすぐに出発の準備を始めた。

 



 

ペルセウスは数人の親衛隊騎士を引き連れ、レリアが目撃されたという森へと向かう。

森は小さく静かだった。

広い森ではあったが、地形が平坦で捜索には支障がないと思われた。

彼は騎士たちを分けて周囲を見回らせた。

そして自らも一人の親衛隊騎士と共に、片側の方向へと歩き出した。

「殺人鬼。」

その時だった。

「お前は娘の恩人を殺した殺人鬼だ。」

また始まった。

死んだライディオスの声が囁くように彼を苦しめ始めた。

ペルセウスはその場に立ち止まり、頭を押さえた。

「陛下、大丈夫ですか?」

側近の声に思わず後ろを振り返ると、騎士の顔に死んだライディオスの姿が重なった。

「陛下…?」

「エリザベス、その継子を殺したのは私ではなく、お前だ。」

「違う…。」

「それに、お前は自分の娘まで殺そうとした。ろくに勝利も得られなかったくせに。」

「違う!!」

ペルセウス皇帝の目が一瞬で変わった。

一瞬のうちに彼は剣を抜き、親衛隊の騎士に剣を振り回した。

間近で剣をかわした後衛の騎士は、すぐに逃げ出し始めた。

数日前に受けた命令のせいだ。

ペルセウス皇帝の目つきが変わったら、どうにかしてすぐに逃げろ——と。

そのあとで騎士たちを集め、魔法使いを動員して追跡しろと。

伝えられた指示通り、彼は素早く宿舎に戻った。

森へと散った騎士たちはすでに遠くへ行っていたが、むしろ宿舎の方が近かった。

そこに残っている騎士たちと魔法使いを連れて戻らなければならなかった。

それまでにペルセウス皇帝が誰とも接触しないよう、祈るしかなかった。

狂気に囚われた皇帝は、目の前のすべてを斬ってしまうからだった。

 



 

「兄さん、一体どうしてあの子を殺したんですか?しくしく……兄さん……」

「やめろ、もうやめてくれ!」

「お前の妻が俺に何て言ったか知ってるか?自分の子どもも見分けられない、無能な夫なんていらないってさ。」

目の前に沈黙するライディオスの顔が見えた。

ペルセウスは幻影を追い払うために剣を振った。

シュッ!

振り払った剣によって真っ二つに裂かれたライディオスが、後ろから現れた。

「この声、聞こえる?」

「ペルセウス……どうして私たちの娘を見失うことができたの?」

死んだ妻の声が聞こえ始めた。

ペルセウスの顔に苦悩の色が浮かんだ。

一瞬にして、周囲は燃え盛る火災現場へと変わった。

目の前には燃え上がる建物があった。

その中で、妻が死にかけていた。

ペルセウスはすぐさま炎の中をかき分けて建物の内側へ走って行った。

しかし、再び周囲が変わった。

皇宮の執務室。

扉が開き、誰かが入ってきた。

小さな少女の姿が見えた。

幼いレリアと初めて出会った時だった。

生まれたばかりで、抱きしめてあげるべきだったその子を、その時ようやく初めて見たのだ。

「瞳の形が、あの男に似ていたのか。」

心とは裏腹に、口からは冷たい声が飛び出してきた。

「もう一度連れて帰れ。」

それで終わった。

再び会った娘を認識することもなく、優しく抱きしめることもせず、冷たく突き放した。

そのときからすべてを知っていたというレリアの瞳は、どこか虚ろだった。

幼い子どもの目つきに短い失望と傷がよぎる。

胸が締めつけられた。

「お前の娘がもっと幼かった頃を見せてやろう。」

再びライディオスの声が聞こえた。

視界の景色が変わった。

「お前が女だということは、絶対に知られてはならない。わかったな?」

「は、はい、陛下。」

痩せ細って小さくなった幼い子どもだ。

幼いレリアは、皇帝の服を着たライディオスの前にひざまずいて座っていた。

犬のように床に並べられた食べ物を素手でがっつき、汚れた手で口に押し込みながら、もぐもぐと食べていた。

「美味しい食べ物を食べさせてくださってありがとうございます、陛下。注文されたものは全部いただきますね!」

幼いレリアは嬉しそうに話しながらも、そわそわしていた。

その前に立っていたライディオスが首を振った。

ペルセウスはそれを見て「これを見ろ」と言わんばかりに肩をすくめた。

笑う顔はまるで悪魔のようだった。

「俺はお前の娘を食わせて肥やして生かしてやっただけだ。なのに俺を殺すのか?え?」

「やめて…やめて…!」

「お前の娘はあんなにもみすぼらしく惨めに生きてきたのに…それに比べて、お前はどう過ごしてきた?」

再び場面が変わった。

彼の前には、真っ白な顔に赤く染まった両頬を持つ幼いユリアナが立っていた。

「…パパ。」

彼女が初めて彼を“パパ”と呼んだ瞬間だった。

ユリアナは愛おしそうに呼びながら、彼に抱きついてきた。

「この子を一生守っていこう」と彼は誓った。心から。

血のつながりはなかったが、それでも実の娘のように大切にし、愛していた。

「……こんなに……本当に幸せそうだね、お兄さん。」

ライディオスは感嘆しながら、つぶやいた。

場面がまた変わった。

レリアが過ごしていた皇城の小さな塔だった。

大きな満月が浮かび、星がきらめく夜だった。

「私たちのお母さんを殺した殺人犯の娘なのに、平然と食べて寝ているなんて!あまりにも不公平じゃない?」

「しかもユリアナの体に傷でもつけたらどうなるか分かってる?帝国の皇女に手を出すことが、どれほどの刑罰に値するか知ってるの?」

幼いセドリックとデミアンがレリアを見て叫んだ。

その隣にはどうしていいかわからず戸惑っているユリアナが立っていた。

青ざめた様子で気を失ったレリアが彼らの前に倒れていた。

「こっちに来いよ。殺人者の娘。」

「ここに来て、ひざまずいて謝れ。帝国法では本来なら処刑対象だが、心から許しを乞えば命は助けてやる。」

ユリアナに小さな傷ができたという理由で、レリアはひざまずいた。

「…申し訳……ありません、皇女様。」

「申し訳ありません、皇女様……。」

「申し訳ありません……。」

「申し訳ありません……。」

幼いレリアは声が枯れるまで、その言葉を繰り返さなければならなかった。

脅すセドリックとデミアンによって膝を折り、頭を下げ、額を床にこすりつけるようにして何度も何度も謝った。

その様子を見ながら、幼い三人の子どもたちはくすくすと笑っていた。

幼いレリアは頭上でくすくす笑う三人の子どもたちの嘲笑に耐えながら、ただ「申し訳ありません」とオウムのように繰り返すだけだった。

心臓がチクチクと痛んだ。

「ひっ……うっ……」

やめろ、もうやめてくれ……!

ペルセウスは脚から力が抜け、その場に崩れ落ちた。

床に手をつき、震えた。

お願いだから、もうやめてくれ。

「それでもまだ、妻を殺した私を恨むのか?恨むなら、自分自身を恨むべきじゃないか?」

ライディオスが静かにすすり泣いた。

ペルセウスの目つきが変わった。

もし妻が死んでいなかったら… 妻が生きていたら。

子どもを助けるために、イリス皇女に子どもを頼むようなことはなかっただろう。

あのとき… あのとき…!

嫉妬心で目がくらんだ。

ペルセウスは再び剣を振り回し始めた。

ライディオスの幻影を斬り、また斬った。

するとまた風景が変わり、大人になったレリアが現れた。

レリアは冷静に彼を見ながら言った。

「私には父なんて必要ありません。」

いや、私は……!

「これまでそうやって生きてきたし、これからもそう生きていくと思います。」

「だから陛下に会ったときも……ひざまずいて許しを請うしかなかったんです。空腹なのが嫌で。惨めなのが嫌で。またゴミ箱をあさるような生活に戻るのが嫌で……皇城を逃げ出したのも、同じ理由です。」

「だから、私にはここが地獄にしか思えません。そんな場所に、私がずっといろって……それを望むんですか?」

レリアの切なさの混じった目が彼を見つめた。

ペルセウスは逃げ出し始めた。

自分を見つめるその切ない視線から逃げた。

狂ったように駆け出すと、小さな掘っ立て小屋が見えた。

ああ、あの小屋だ。

亡き妻が愛情を込めて通っていた皇城の小さな小屋。

過去のある日が思い出された。

「あなたは広くて華やかな皇城を差し置いて、なぜこんな所にしょっちゅう来てるの?」

「だって、秘密の研究をするにはここがちょうどいいから……」

エリザベスが戸惑いながら彼を見つめた。

無言のその顔を見て、もやもやとした感情がこみ上げてきた。

若いペルセウスは、むくれた妻を見て笑いながら言った。

「それでもいいさ、静かで。」

そして時が流れ、またある日が訪れた。

「小屋へなぜ行ったの?君が?どうして?どうしてあの場所を知ったのだ?幼い頃、イリス皇女が教えたのか?あそこは…!」

幼いレリアがどうして行ったのか詰問していた、

あの小屋はまさにここだった。

「そこは… イリスの付き人程度が行ける場所じゃない。答えろ。なぜそこへ行った?」

「え、食べる物がなくて…それで…」

「何?」

「お腹がすごく空いていて…食べ物を探しに行ったんです。でも私は何も盗んでいません!ただ見ただけで、すぐに出てきたんです!」

ペルセウスは小屋の扉を開けた。

すべては夢で、時間を巻き戻すことができるなら――この小屋の扉を開ければ、研究に没頭していた妻が彼に気づいて笑ってくれるような気がした。

そうだ、すべてをやり直せるなら……だが扉を開けて中へ入ると、見えたのはライディオスの歓迎だけだった。

「自分の手で兄弟を殺した罪を、今、受けるのだな。」

「……やめろ、もうやめてくれ!」

皇帝は迷いなく剣を振り下ろした。

 



 

意識を取り戻した時、日はすでに昇っており朝だった。

ペルセウスはとぼとぼと森の中を歩いていた。

夜中の幻影を見て、彼はライディオスを殺してまた死んだ。

一瞬、弟が死んだ妻に見える幻影を見たのが、狂いそうなほど苦しかった。

その瞬間、彼は必死で逃げ出した。

自分が振るった剣に斬られた妻の表情があまりにも生々しくて、吐き気がこみ上げた。

一体いつまでこの幻影に苦しまなければならないのだろうか。

今日にでも代神官に会わなければならない。

そう思いながら、重たい足取りで歩き出した。

夜露に濡れた剣の刃のきらめきが、彼を不安にさせた。

またしても、部下の騎士が自分のせいで傷ついたのではないかと、胸が重く沈んだ。

命だけでも無事であれば――。

重たい罪悪感を抱えたまま、彼は宿舎へと戻った。

宿に着くと、彼を待っていた部下たちが驚きながら駆け寄ってきた。

そのうちの一人が昨日の出来事を報告した。

「皇帝と共にいた騎士が、魔法使いたちと森を探索しに行ったのですが、途中で道に迷ったようです。」

ペルセウスは、疲れきったように座り込んだ。

 



 

 

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