政略結婚なのにどうして執着するのですか?

政略結婚なのにどうして執着するのですか?【53話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「政略結婚なのにどうして執着するのですか?」を紹介させていただきます。

今回は53をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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53話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 真夜中の事件②

その夜、遅い夜明け。

お嬢さんの担当下女は使用人の宿を使う代わりに、主人の寝室横の小さな部屋が功を奏する。

夜中に突然世話をすることができた時、早く訪ねて行くためだ。

まさに今のような時にだ。

ばったりとした目で夜を明かしたジェリーが飛び起きたのは、柱の鐘の音が嗚った直後だった。

「・・・」

あの鐘が鳴ったということは、つまり隣の部屋にいるナディアお嬢さんが自分を呼ぶということだ。

ジェリーは急いで上着を着て隣の部屋へ走る。

「お呼びになりましたか?」

寝室に入ると、ベッドの上に座っているナディアのシルエットが見えた。

ジェリーはランタンを持って彼女に近づく。

近づくほどナディアの姿がより詳しく目に入る。

彼女は腕を爪で掻いて、ベッドにもたれかかっていた。

ひどく歪んだ表情がかなり痛そうだ。

「お嬢さん?どこか悪いんですか?」

「この布団、私が来る前に洗ったの?どうやらノミがいたようだけど」

「まさか、そんなはずがないのに・・・もしかしてアレルギーではないでしょうか?夕食中に食べられないものがあったり・・・」

「いいから医者を呼んでくれ。まったく眠ることができないわ」

そう言うナディアの顔にはイライラが混じっていた。

「すみません。よりによって今日主治医が不在なので・・・私が薬を持って行きます!少々お待ちください」

「薬?薬も扱えるの?」

「はい、薬を保管する地下室の整理を私が担当しているんです。かゆい時に塗る薬がどこにあるのか程度は知っています」

「じゃあ、頼んだわ」

ナディアに頼まれたジェリーは、すぐにドアを開けて外に出た。

しかし、階段を降りたジェリーが向かったところは地下倉庫ではなく、母屋の裏口。

キィッ。

裏口を開けて裏庭に出た彼女は、庭の観賞用樹木の間に隠れて、窓越しに見える廊下を観察した。

薬を待って我慢できなかったナディアが、我慢できず直接地下に降りるまで。

「残りのロープはすべて切っておいたから、鐘の音を聞いて走ってくる使用人はいないだろう」

夜遅い時刻だったので、下女たちはみんな使用人の宿舎で寝ていた。

警備に立つ歩哨たちも建物の外を歩き回るだけで、中には入らない。

どれくらい待ったんだろうか?

薄暗い廊下に一筋の光が漏れ始めた。

それは開いたドアのすき間から漏れる明かり。

やがて灯火のような小さな光が階段を降りて1階に到逹する。

明かりが向かう方向は地下室のあるところだった。

「出来た!」

本当にありがたいことに、彼女はちょうど自分が望んだ通りに動いてくれていた。

心の中で快哉を叫んだジェリーは、そのまま使用人宿舎に向かって走る。

使用人の宿泊施設は裏庭に近いので、すぐにたどり着くことができた。

あっという間にメイドの部屋の前まで到着したジェリーがドアをドンドン叩きながら叫んだ。

隣の部屋まで全部寄れるように。

「大変なことになりました、侍女長!ナディアお嬢さんがいなくなりました!」

 



 

きつい仕事を一度もせずに育ったカレインに一晩中眠気をこらえるのは非常に大変なことだった。

コーヒーを何杯も飲み、興味深い小説を開いたにもかかわらず、苦役というのは変わらない。

現在の時刻は午前3時。

公爵、私の夜明けは虫の鳴き声一つもなく静かだった。

窓の外に月の位置を確認するカレインの顔が次第に暗くなる。

「失敗か・・・?」

まだ静かなのを見ると何かが起こる確率は低い。

カレインは舌打ちをして本を閉じた。

「ああ、こうなると分かっていたら、もっと薬をかけろと言えばよかった」

ナディアが泊まる部屋の布団にかけた薬。

それはまさに全身をくすぐるものだった。

「きっと到底眠ることができないほど体が痒くなると言ったけど・・・」

それでもまだ何の便りもないということは二つ可能性がある。

まず、薬を間違って購入した。

第二に、薬効がまともに回るほどの量ではなかったか。

「チッ」

カレインは心残りに舌打ちをし続けた。

ナディアが公爵邸に滞在する日は、今日が最後である確率が高かったためだ。

自分の領域でない場所では、ナディアに裏切りの疑惑をかぶせるには、色々と難関が多いことが明らかだった。

一瞬のミスでいい機会を逃してしまうなんて。

カレインは立ち去った機会を惜しみながらも、もぞもぞとベッドの上に上がらなければならなかった。

計画が失敗した以上、眠りでも誘うしかない。

ところが、その時だった。

「・・・方にはない・・・探して・・・!」

「・・・には・・・そこに・・・」

「・・・知らせないと・・・!」

窓の外からの騒音が彼女の睡魔を追い払った。

「・・・」

飛び起きたカレインは、ほとんと飛ぶように窓際に走り、下を見下ろす。

庭では使用人の群れが夢中で走り回っていた。

まるで誰かの行方を探しているかのように。

その姿を見下ろすカレインの目がすっと細くなった。

「いよいよね」

 



 

それは数日前のことだった。

カレインがこの1年間、北部で起きたことについて詳しく調べる必要性を感じたのは・・・。

彼女は最も効果的な情報収集方法を選んだが、それはまさに父親を近くで助ける補佐官を脅迫する方法だった。

「カルト卿。あれこれと予算をたくさん盗んでいたわよね?」

補助官ジョナサン・カルトの不正を証明する書類が宙に舞う。

カレインは自分の前にひざまずいた父親の補佐官に証拠を一つ一つばらまいていた。

カルトは青ざめた表情で、若い女性に書類で顔を殴られながらも何の抵抗もできなかった。

ただ、白くなった顔で慈悲を願うだけ。

「お嬢さん!」

「いくらお父さんの信頼を受けていてもそうだね、酷いんじゃない?私じゃなかったとしても近いうちにばれたはずだよ。それにギャンブルだなんて・・・ああ、その夫を殺害するまで?」

「い、一度だけ許してください!私が悪かったです!」

むろん、後の3つの罪目は、父親の庇護を受けることができれば、十分にもみ消すことができるものだ。

殺人であれ不倫であれ、公爵は私に忠誠を尽くし、有能な者の傷は皆目をつぶってくれる人だったからだ。

しかし、主君をだまして予算を横領したことまでばれたら?

むしろ突き放すだろう。

彼の主君は絶対に自分の手足を保護してくれないだろう。

恐怖に震える彼の頬を撫でながら、カレインが柔らかい声で囁いた。

「お金が必要な事情があったのでしょう?」

「実は・・・」

「いや、あなたの都合はいいから。とにかく、私の要点は、私もあなたに厳しく扱いたくないということよ」

「それじゃあ・・・」

「その代わり気になることがあるんだけど、教えてもらえるかな?父は仕事に関する話を私にあまりしないから」

「・・・」

一言で罪を覆い隠したいなら、知っている機密を解きなさいということだった。

横領罪を隠すために機密流出罪を犯せとは・・・。

カルトの顔はゆっくりと血の気が抜けた。

「ウィンターフェル侯爵家がとあるハーブで大金を稼いだこととバロン城を陥落したことについて、知っている通りに話してみて」

「ハーブで儲けたのは・・・ウィンターフェル侯爵家の話ではありませんか?私は知っていることがありません」

「だから、その件について父の反応がどうだったのか、詳しく話してみなさい」

「あの、黒死病の勃発を隠した地域が、領主が罰を受けたということは、お嬢さんもすでにご存じだろうし・・・」

「そういえば、そういう話を聞いたような気もする。何か知られていない他の話はないの?」

「そ、それが・・・」

カルトは、何と言えばこの傍若無人なお嬢さんの好奇心を満たすことができるのか、しばらく悩まなければならなかった。

とうとう彼は再び口を開いた。

「バロン城の陥落後、内部から機密を流出する者がいるのではないかという探索がありました」

「そうなの?」

カレインの目がきらりと光る。

「それはちょっと興味深いね。詳しく話してみて」

「お、お嬢さん・・・」

「早く。あなたが教えてくれたという話は、絶対に漏れないから。考えてみて。私はこの家の娘だよ。そんな私が公爵家に害になるようなことをすると思う?」

結局、彼は仕方なく知っていることをすべて打ち明けるしかなかった。

父には中立貴族の弱点を収集した機密書類があり、その一つがバロン性の弱点だったことを。

「だからウィンターフェル侯爵はその機密書類に書かれた内容を利用して攻城に成功し、父は彼に弱点を流出した人がいたってことだよね?それで流出者は見つかった?」

「補佐陣の中で何人かが入れ替わりましたが、正確な犯人は見つけられませんでした。もしかしたら、最初から流出者が存在しなかった可能性もあります。私たちが分かったことをウィンターフェル侯爵が見つけられないという保障もないからです」

「だから流出者を正確に突き止めることができず、父の疑いは現在進行形ということだね?」

カレインの口元ににっこりとほほ笑みが浮かんだ。

やはり父親の側近を働かせてよかった。

こんなに利用しやすい情報を聞き出せるなんて。

(これをどうやってナディアにかぶせようか?)

ナディアが首都を訪れている今が適期だった。

でも同じ数の中にいるだけで、彼女はほとんどの時間を侯爵家のタウンハウスで過ごしていないか?

「お父さんがお姉さんを食事に招待すると言ったから・・・その時に機会を見なければならない」

そう、家に訪問したナディアが秘密書類が保管された金庫をこっそり覗き見ようとしたという絵を作ろう。

父がバロン城の弱点を流出したのがナディアだと思うように。

彼女が裏切り者だと誤解するように。

「信じられる娘は私しかいないと思うように」

そのためには機密書類がどこに保管されているのか、どうやってその秘密の場所を開くことができるのかを突き止めなければならない。

(幸いにも答えてくれる人が私の前にいる)

カレインはにこやかに笑いながら再び視線を交わした。

「ところで、その機密書類は、どこにあるの?」

「・・・」

「知らない秘密の場所がこの邸宅の中にあるだろうね?言ってほしいんだけと」

「それは誰にも口外してはいけないと・・・。しかも私は秘密空間の存在を知っているだけで、金庫の開け方は知りません」

「心配しないで。その程度なら十分だから。そして秘密空間の存在が外部に知られることはないだろうから。もう一度言いますが、私がバラジット公爵家に害になるようなことをするわけがないでしょう?」

 



 

やはり新米メイドはカレインの手先だったのですね。

罠に嵌められたナディアですが、この窮地を乗り切ることができるのでしょうか?

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