こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は103話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
103話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- アシル・アグリチェ
しばらくしてカシスは森から抜け出した。
「そ、それは白の魔手師じゃないですか」
カシスの命により森の外で待機していたイシドールが驚きの声を上げる。
彼の顔には動揺と困惑が入り混じっていた。
オルカは四肢を縛られた状態でだらりと垂れ下がって、荷物のようにカシスの肩に担ぎ込まれた状態だ。
「森に隠れていた」
リセルは先にユグドラシルに出発した後だった。
カシスが警戒周辺を一度偵察すると言った時、イシドールはあまり気にしていなかった。
しかし、まさか白の魔手師がいたとは。
カシスは彼らにオルカを投げつけ、フィペリオンへの移送を命じる。
「ユグドラシルに向かう途中で倒れているのを偶然発見し、ペデリアン側で保護したと伝えてくれ」
「はい、分かりました」
どう見ても白の魔手師があんな姿になったのはカシスの仕業であることは明らかだが、部下たちは知らないふりをして彼の命令に従う。
「私たちも出発しましょう」
イシドールの言葉に、カシスはちらっと目を向けてどこかを眺めた。
彼の視線が届いた場所はペデリアンの邸宅がある方向。
彼の瞳が浅く沈む。
ベルティウムがペデリアンに向かって動いているという事実を既に報告されていた。
先日、ロクサナが黄の首長から書簡を受け取ったことも。
彼女は自分がいない間にベルティウムに行くつもりなのだろう。
カシスはロクサナが見た目ほど弱くないことを知っている。
しかし、それでも気が楽でないのは仕方なかった。
ロクサナがこのまま何もせず、自分の胸の中でいつまでも安全に保護されてほしいという考えをしなかったわけではない。
けれど、ロクサナはそのような方法を望まないだろうと思ったのだ。
カシスが知っている彼女は、もし彼が阻んでも何とかして自分の意志を貫いてしまう女性だから。
しばらくして、カシスは遠くを眺めていた視線を断ち切る。
「予定より時間が遅れたから急ごう」
「はい」
カシスも同様に、万が一の状況に備えて対策を取っておいた。
だから多分大丈夫だろう。
しかし、そのように思いながらも、カシスは出来るだけ早くユグドラシルでの仕事を終えなければならないと、もう一度心を固めた。
「・・・私の兄なの?」
ロクサナは小さく唇を動かして囁いた。
周りが奇異なほど静かだ。
宴会場の中にいる全員が息を切らずに彼らを注視している。
「それは、お前が本当に知っている兄だってこと?」
目の前の少年は、15歳で死んだアシルと同じ姿をしていた。
波打つような派手な金色の髪。
整った白い顔。
アーチ型を描いている眉毛とその下に位置する澄んだ青い瞳。
細い顔に刺さった繊細な目鼻立ちや、その下に垂れ下がった特有の柔らかい微笑も記憶の中の兄と鳥肌が立つほど似ていた。
そのため、目の前にいる人が人形なのか、人なのか見分けがつかない。
まるで彼一人だけ止まった時間の中に存在するようだ。
ロクサナの問いに、アシルの顔をした少年が笑顔で答える。
「私の死んだ肉体をノエルが蘇らせたんだ」
それは彼女の質問に対する答えだったが、核心的な本質では食い違っている説明。
「残念ながら、私には私の前までの記憶はないけどね」
少年はロクサナが尋ねた自分の根源に対する返事はせず、妙に遠回しに答える。
けれど、ロクサナは本能的に知ることができた。
彼が明らかに兄ではないことを。
今、彼の名前が「アシル」ではなく「ニックス」であるかのように。
それでも彼はロクサナ自らさえ驚くほど、彼女から強烈な動揺を引き出していたのだ。
しばらく向かい合っていた顔をじっと見つめていたロクサナの唇が再び広がる。
「死んだ肉体を甦らせるなんて、それは人形術師ではなく死霊術師の領域ね」
「ああ、それは違うよ。人形術と死霊術は原理自体が違うから。気になるなら、私が詳しく説明してあげるよ、ルナ」
ロクサナとニックスの出会いを楽しく眺めていたノエルが割り込んでくる。
「ところでニックスの昔の名前はご存知のようだね。そんな愚鈍な名前よりもニックスという名前が似合うよ」
彼は兄妹の久しぶりの再会に満足しているような顔をした。
二人を眺める瞳がこの上なく無邪気で明るく輝いている。
「そんな風に一緒に立っていると、私の思った通りそっくりだね。本当に素敵だよ。とても完璧な絵だ!」
ノエルの浮きだった声が歌声のように宴会場の中に広がった。
両側に分かれた人々も合わせたように拍手をする。
パチパチパチパチ!
雷のような騒音が容赦なく鼓膜を突き刺す。
まるで舞台上の演劇俳優たちに賛辞を送る観客のようだった。
本当に・・・、笑わせもしない行為ね。
ロクサナは微笑みかけたアシルの顔を視界から遮るように目を閉じる。
「ノエル・ベルティウム」
その後、再び姿を現した彼女の瞳には、先ほどまで残っていた感情の残骸が綺麗に収められていた。
ノエルを見つめる視線は氷海のように冷たい。
その瞳に正面から向き合ったノエルが情熱的に拍手をしていた手を中途半端に止めた。
「うん?」
「今日の宴会は、この辺で終わらせた方がいいと思うのだけど?」
それは勧誘や了解を求めるのではなく、一方的な通達。
「今言えなかった話は明日またすることにしましょう」
そう言ってロクサナは振り返る。
靴の踵が大理石に床にぶつかる音がホールの中に響き渡った。
白いスカートの裾と長く垂らした金色の髪の毛が影のように残像を残す。
彼女は一度も振り返らず、真っ直ぐ宴会場を抜け出した。
「・・・え?」
ノエルはそのようなロクサナの後ろ姿をぼんやりと見守っていたが、一歩遅れてぼんやりと口を開けてしまう。
カシスの話す万が一の対策とは?
ロクサナの安全を確証する何かであることは確かですね。
一方で、ロクサナは兄のアシルと再会。
けれど、アシルの人格ではないようです。
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