こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は115話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
115話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 2度目のお茶会
どこへ行っても花が咲き乱れているベルティウムの春の風景はまさに絶景だった。
「ベルティウムは、本当に美しいと思わないかい?」
けれど、実際に誰かがこう言うと、訳もなく反論したくなる。
だから退屈そうに言った。
「そう?ありふれた風景だけど」
するとニックスは私を見て苦笑いを浮かべる。
私は今日もお茶の世話をしているニックスをじっと見つめた。
今日は応接室ではなく野外で茶菓の時間を過ごしている。
今回もこの席にいるのはニックスと私、二人きりだ。
それを要求したのは私の方。
ノエルは思ったよりも快く許可したが、内心では不満そうだった。
ニックスを見る彼の目には隠すことのできない嫉妬の感情が溶け込んでいたのだから。
ニックスを利用して私をベルティウムに誘き出したのは、明らかにノエルの策だったはずなのに、いざこのような状況になると嫉妬するなんて。
本当に面白いことだ。
それでも夕食会の時には一緒に食事をすると約束したことがあり、ノエルは素直に退いた。
「その左目、本当の人の眼球じゃないようね」
自分の前に置かれたコップにお茶を注ぐニックスを見て口を開く。
「それは義眼?」
羽のように舞う花びらの間からニックスが視線を上げて私を凝視する。
彼の右目は母親に似た青色で、左目は後ろにある花に似た紫色。
「うん。ベルティウムに来た時、私の身体はすでに損傷していて完全ではない状態だったらしい。だから所々復旧が必要だったんだ」
ニックスの言葉通りだ。
アシルは最終的にはデオンによって心臓を貫通されて死んだが、廃棄処分を受ける直前に受けた最後の月例評価で目を大怪我したのだから。
「当時ノエルが持っていた眼球の中で一番相性の良いものを探していたら、結局両目の色が違うものになってしまったよ」
何かを知ってわざとそうしているのか、ありはただ偶然重なるだけなのか分からないが、ニックスは私の前で死んだアシルを思い出させるような姿をよく見せていた。
その反対に、私はニックスと一緒にいる間、彼からアシルと違う点を一つずつ見つけることに意味を置いている。
「今日はお茶がお口に合えば嬉しいな。今回はもう少し気を遣ったんだけど」
私の向かい側に座ったニックスは優しく笑ってお茶を勧めてくる。
私は黙々と茶碗を持った。
味わったお茶は確かに昨日のように甘くない。
そして昨日と同じように、その中で微かに異質な味が感じられた。
昨日と今日の二日間に渡る確認の末、私は確信する。
舌先に漂う特有のほのかな香りから推測すると、これは体の五感を一時的に遮断する毒薬だった。
説明は簡単だが、視力と聴覚を含む体の感覚を全て遮断し、人を完全に無力化させる極悪な効能を持った薬だ。
もちろん毒に耐性のある私には通じないのだが。
しかし、私はそぶりを見せず、何も知らないように淡々と口を開く。
「茶菓の準備は全部あなたがしているの?」
「うん。あなたを接待するのは私の手で直接したいからね」
私がお茶を飲んでも平気そうに見えると、ニックスは一瞬戸惑っている様子だった。
けれど、すぐに彼の顔に自然な笑みが浮かぶ。
笑っているニックスにつられて、私も口元に笑みを浮かべた。
アシルの顔がこんなに憎らしく見えるなんて、今までは想像できなかったことだ。
「えーと、前から気になっていることがあるのだけど、聞いてもいい?」
ニックスが慎重に口を開く。
私はどうぞと言わんばかりに彼を見つめた。
「どうして死んだの?」
その瞬間、ティーカップを持った手が思わず止まる。
「心臓にあった貫通が死因のようだと聞いて。アグリチェで廃棄処分されたって聞いたけど、理由が気になって」
続いてニックスが軽く笑いながら通り過ぎるような口調で付け加えた。
「いっそ死んだ方がいいほど、私は役に立たなかったのかな?」
私を刺激しようとする意図で切り出したに違いない。
その証拠として、今私の目の前にいる人はあえて自分のことを「私」と呼んだのだから。
いずれにせよ、彼がアシルの顔をしているのは事実だ。
一瞬だが、私は仕方なく彼にアシルの面影を感じてしまう。
「使い道がなくはなかったわ」
唇を開いて囁く。
「けれど・・・」
色違いの彼の両目が私を見つめている。
「私の兄は役に立たなかったわ」
私がこの話をしてあげたい人は、もうこの世にいない。
だから今、これは私の自己満足に過ぎない。
今私の目の前にいるアシルの肉体は、私の記憶の中のように15歳の姿で止まっている。
時間が経って大人になった私とは違い、彼は依然として少年時代の姿をそのまま維持していた。
今後もその事実は永遠に変わりはないだろう。
当然のことだったので、今更胸が痛むことはなかった。
手に持っていた茶碗を置いて席を立つ。
「今日飲んだお茶も最悪ね」
空いているティーカップの中に白い花びらが一つ飛んできて、軽く舞い降りた。
ニックスは妙な目つきで私を見ている。
「私があなたに出せる時間は明日まで」
そんな彼を見下ろして最後に言った。
「最後は失望させないことを期待しているわ」
明日、最終的な決定を下すだろう。
ロクサナも毒には気づいていた様子。
ニックスのことは完全に信用していませんね。
次が最後のお茶会。
ニックスはどんな行動をするのでしょうか?
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