こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は143話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
143話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- いい朝
次の日、そばで誰かが動く感覚に自ずと目が覚めた。
瞼を持ち上げると明るい日差しが視界に食い込む。
その間からカシスの後ろ姿が見えた。
窓から滲む光彩のため、まるで彼の体から自然に輝いているように感じられる。
カシスの美しい銀色の髪も澄んだ日差しで輝き続けていた。
彼は私より先に起きて服を着ている。
私から見て後ろ向きの姿勢なので、カシスの背中が一目で見えた。
何度見ても本当に綺麗な筋肉だ。
3年前、アグリチェにいた時から感じていたが、カシスは後ろ姿すらハンサムだった。
ところが大理石の彫刻のような彼の背中には、昨夜私が引っ掻いた爪痕が長く残っている。
まもなく白いシャツがカシスに背中を覆い、赤い跡は視界から隠れた。
「その傷、なくせるんじゃないの?」
私が流した声にカシスが振り向く。
「起きた?」
カシスが私に近づき、ベッドの上に座る。
「私が起こしたのかな?もう少し寝ててもいいよ」
優しい手つきが私の髪を撫でながら耳元をくすぐった。
私に向けられた彼の瞳も、窓の外から差し込む日差しのように暖かくて柔らかい。
まもなく上半身を下げたカシスが、流れ落ちた布団の上に現れた私の肩に唇を下ろした。
柔らかい温もりが私の体の上に短く留まって消える。
「背中にある引っ掻き傷、ヒリヒリすると思うんだけど。早く治療したほうがいいんじゃない?」
私は先ほど見たことを思い出しながらカシスに尋ねた。
そういえば今日だけでなく、この前もそうだった。
カシスなら私が引っ掻いたり噛んだりした跡をすぐに消すことができるだろう。
ところが朝見ると、カシスはいつも傷跡を体にそのままつけていた。
朝だけでなく、また戻ってきた夜に確認する時も、またその翌日も・・・。
「このままでいい」
カシスはこの上なく清潔な顔で私を見ながら言った。
「君が残したものだから」
その口調があまりにも淡々としていて、すぐに言葉を失う。
まさかという考えが無かったわけではないが、それが本当に事実だったなんて・・・。
この人、さりげなく恥ずかしい話をするのよね。
でも、それで気分が良くなる私も私だ。
「カシス、こっちにおいで」
私はしばらくじっと横になってカシスを見上げ、すぐ上半身を半分上げた。
そのまま彼に手を差し出すと、カシスは黙って私の要求に従って上半身を下げる。
私は彼の首を引っ張ってキスした、
ただ唇に触れただけで落ちる軽いキスを。
「いい朝ね」
それから目を細めて囁いた。
その瞬間、近くで向き合ったカシスの目つきがやや霞んでいる。
カシスは手を上げて彼に触れている私の手に感謝した。
手の甲全体と手首を覆った手から、やや高い体温が伝わってくる。
カシスから葛藤が感じられ、私は彼が再び体重を乗せる前にベッドの上で体を起こす。
「洗いに行かないと」
腰をまっすぐに立てて座ると、シートの上に曲がっていた髪の毛が体の上に流れ落ちた。
何も羽織っていない裸身で背中と胸を掠める髪の感触が生々しく感じられる。
昨日カシスが脱いだガウンはテーブルに上に落ちているはず。
私はベッドから出てテーブルにある場所に向かう。
歩いている間、私の背中にカシスの視線が感じられた。
カーペットの上に落ちていたガウンを拾って羽織ると、突然私の体に慣れた手が届く。
「連れて行ってあげるよ」
いつの間にか近づいてきたカシスが私の体を抱きしめる。
「一人で行けるんだけど?」
「どうせ私も行く場所だから」
私がこれ以上何かを言う前に、カシスは私を抱きしめたまま足を運んだ。
ど、どうも不本意ながら火をつけてしまったようだ。
いや、でも私には本当にそんな意図が少しもなかったのだろうか。
自分でもちょっと怪しかったけど、私は何も知らないふりをしてカシスにそっと身を寄せた。
その日の朝の時間は特に早く過ぎる。
ロクサナが付けた傷跡を残すカシス。
ロクサナも満更ではない様子ですね!
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