こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は185話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
185話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リュザーク・ガストロ
コンコン。
「お母さん、リュザークです」
ドアを叩くと、すぐ中から入ってこいという受諾が落ちた。
リュザークは静かにドアを開けて中に入る。
まもなく目の前の視界を見て、彼の表情がしかめっ面になった。
「最近、飲み過ぎです」
リュザークはバドリサに近づき、酒瓶を傾ける彼女の手を止める。
「大丈夫。これは今飲んだのではなく、昨日飲んだ空き瓶よ」
しかし、リュザークが身動きを取らないので、結局バドリサが彼に根負けした。
「そうね、君の言う通りよ。ここはユグドラシルだから、品行にもっと気をつけないと」
テーブルの上には、すでに空き瓶がいくつか並んでいる。
バドリサは普段、節制が優れていることで有名だ。
しかし、最近はこのように人知れぬ心配に浸って一人で酒を飲む時間が増えた。
「もうこんなに一人でお酒を何本も空けても全然酔わないんだな」
バドリサは向かいに座っているリュザークを見ながら椅子に深くもたれかかる。
しばらく表情が暗かったバドリサだったが、ユグドラシルに入ってからはさらに気分が悪く見えた。
そうするうちに何を考えたのか、彼女の唇の間から笑いが噴き出す。
「ちょっと考えてみると、お酒と麻薬はかなり似ているわ。口に付けなくても気分は甘くなるし。一度味を覚えたら意志だけでは切りにくいということも。だから、もしかしたら私も人を言う立場ではなかったかもしれないね」
しかし、それは愉快な感情が少しも含まれていない冷笑。
バドリサの話を聞くと、ガストロを去る直前に見た男の理知を失った真っ赤な目が再び浮かんだ。
「少しも似ていません」
リュザークはバドリサの言葉を断固として否定した。
すると彼女の視線がぼんやりと彼の顔に留まる。
やがてバドリサはゆっくりと目を閉じて、独り言のような低い声を流した。
「私の一生であれほど軽蔑していた黒い羊の手を今になって必要とする時が来るとは想像もできなかったわ」
リュザークは彼女を悩ませるものが何であるか知っている。
彼は自嘲的に微笑む母親の顔を固い目つきで眺めた。
ユグドラシルに入ってから、バドリサはすぐにアグリチェに神経を尖らせていた。
彼女がこれまで家門の恥部を一人で抱え込んで徹底的に秘密にしていたため、リュザークがその事実を知ったのは最近のことだ。
「お母さん、いっそ・・・」
リュザークは衝動的に口を開く。
しかし、結局は言葉を終えることができず、再び口を固く閉ざしてしまった。
今、ガストロ家を根っこから膿ませ、またバドリサを苦しめる人をいっそのこと切り捨ててはいけないのかという話は、他の誰でもない母親の前で言うべきことではない。
そのため、言葉を飲み込む間、中から微かな不快感と吐き気が漂っているようだった。
「リュザーク」
そんなリュザークを黙って見つめていたバドリサが口を開いた。
「あなたは私の子供たちの中で一番私に似ているわ。だから、今あなたがどんな気持ちなのか見当もついてる」
リュザークは母親の声がいつものように淡々とまっすぐで安心できる一方、後に続いた彼女の言葉には口の中が苦くなるのを感じなければならなかった。
「私の不足で、あなたに荷物を片付けてくれるようで申し訳ないと思う」
「いいえ、お母さん」
「後であなたがこの席に座るようになったら、私のようにはならないで」
「・・・」
何を言えばいいのか分からず、リュザークは沈黙する。
すると、すぐに彼は少し前に片付けておいた酒瓶を持って、バドリサの前に置かれた杯に酒を注いだ。
「飲み過ぎだと言ってなかった?」
「一杯くらいは大丈夫です」
二人とも相変わらず無愛想な口調と表情だったが、そんなお互いに慣れているだけに、今の相手の本音を察するのも難しくなかった。
そのように母子は一席に向かい合って座り、順に杯を空ける。
リュザークはふと胸が苦しくなり、暗い窓の外に視線を向けた。
本来、この部屋からは赤い花が咲いた花園が一目で見下ろされたが、今は真っ暗で何も見えない。
先ほどバドリサと話している間に軽蔑する人を再び思い出してしまったせいだろうか。
まるで反作用のように、聖火の中の一場面のように美しかったバラの花園の中の姉弟の姿がもう一度視界にちらついた。
リュザークはユグドラシルに入ってきてずっと一人で煩悶してきたように、こんな感情を誰に向ければいいのか分からない気持ちになってしまう。
今や彼にとってアグリチェが嫌悪と恨みの対象であることは明らかだが、これまでユグドラシルで密かに見守ってきたアグリチェの姉弟たちは罪とは程遠い無垢な存在のように感じられた。
彼らはガストロ家だけでなく、他の家族にも危害を加えようとする怪しげな行動を見せなかった。
実はあの時、バラの花園でリュザークが二人に接近したのは明確な目的があったからだ。
だが、実際に彼らに会っても何を言えばいいのか分からず、心の中に迷いが残っていたため、状況が不如意で彼らに近づくことができなかったのがむしろ幸いに思えたりもした。
だから結局は意味のない記憶だ。
リュザークは不思議なほど網膜にハッキリと刻まれたその光景を、目を閉じて消してしまった。
ガストロ家が恨んでいるアグリチェの人物とは?
ロクサナはガストロ家の内情を把握しているようですが、リュザークとの関係も非常に気になります。
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