こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は219話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
219話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 脱走④
ごちゃごちゃした空気が四方から押し寄せてくるのが感じられた。
人々は皆ニックスについて熟考し、騒いでいる。
直前に追撃者たちが言及した「ベルティウムの人形」が何かについて話すのに続き、中にはあの正体不明の人物に顔が誰かと似ているのではないかと耳打ちする人もいた。
ニックスの突発行動で気分が非常に悪くなったが、すでに起きたことは仕方がない。
ロクサナの顔には申し訳ない気持ちと自責感が入り混じった表情が浮かんだ。
わざと作って見せた顔だったが、一部は本気だった。
ロクサナは格式ある姿勢で頭を小さく下げ、集まっている人たちに話す。
「今起こった不慮の出来事に対する一部の責任はアグリチェにもありますので、一族の一員として被害を受けた方々に申し訳ない気持ちをお伝えします」
事情を知っている人たちは沈黙し、知らない人たちはなぜロクサナがこのような行動を見せるのか分からず、疑問に思った。
ロクサナはニックスに直接被害を受けたシルビアにも謝罪する。
「酷い目に遭わせて本当にごめんなさい、シルビアさん」
「や、やめてください!私は本当に何でもありませんから」
シルビアは頭を下げたロクサナを見て、手をバタバタさせながら、何とかしろというようにリセルとカシスを見つめた。
「謝らないでください、アグリチェさん。今、この人形が起こしたことであなたが責任を感じる必要は少しもありません」
人々の好奇心と疑問に満ちた視線を後にして、カシスが口を開いたのはその時だった。
「ベルティウムで作ったこの人形の所有者は、あくまでノエル・ベルティウムではないですか」
その瞬間、周りにいた人たちがまた少し騒がしくなる。
その後、付け加えられたカシスの言葉を聞いて、尚更そうだった。
「ベルティウムで作ったあの人形があなたの兄の遺体を着ているのも、現在のアグリチェが意図したことではないか」
人々は今、自分たちが聞いたことが何なのか耳を疑う。
何かとてつもない言葉が青の貴公子の口から出たが、それが容易に理解できなかった。
「だからあなたも被害者と同じです。他の一族の代表も、今起こったことでアグリチェのせいにしませんから、安心してください」
そばにいた首長たちもカシスの言葉を遮ったり、あえて何かを反論することはない。
いずれにせよベルティウムの聴聞会が目前だった。
また、今日このようなやり方でニックスの姿が明らかになった以上、どうせ他の人たちにも人形に関することを説明しなければならないだろう。
その混乱した叫びの中でロクサナの目が横に動いた。
彼女の視線は、まだ鼻から血を流しているニックスに行き止まる。
まさにその瞬間だった。
それ自体がこの上なく可憐で美麗な美しさを漂わせていた女性が見る人の切ない感情が広がったのは・・・。
その姿を目撃した人々は息が詰まるような気分を感じながら思わず口を開けてしまう。
ニックスも、そのようなロクサナと視線が合った瞬間、ビックリしてカシスから抜け出すために体を捻っていたのを止めた。
何度か赤い唇を小さく動かしていたロクサナが、ついにその間に細々とした声を吐き出す。
「もし彼を連れて行く前に血を拭いてあげてもいいですか?」
カシスは一瞬瞳孔を固め、すぐに小さく頷いた。
そしてロクサナは席から足を引き、彼女はニックスに近づき、ゆっくりと手を伸ばす。
すぐにでも腕を上げてそれを掴まなければならないかのように、非常に弱い身振りだったので、ニックスはその姿をぼんやりと見ていた。
今まで彼女がニックスに見せた冷酷な姿さえ一気に忘れてしまうほど。
何故か今この手に触れると、彼の重要な部分がすっかり変わりそうな不思議な予感がした。
そしてついに悲しい光を帯びたロクサナの口から微かに漏れた名前を聞いて・・・。
「・・・アシル」
ニックスは雷に打たれたかのように凍りつく。
さっきは奇異に揺れていたアグリチェの人々も、それに劣らず動揺してヒソヒソ話をする。
ビックリしたニックスが反射的に目の前に突き出た白い手を冷たく振り払う。
パシン!
ニックスを圧迫しているカシスの手に瞬間的により強い力が加わった。
ニックスが動揺したのは、アシルの魂の残響がロクサナの心に響いたから?