こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は53話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
53話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 自身の待遇
トントン。
「起きられましたか?」
熟睡した自分に少し懐疑を感じていた時だった。
馬車の扉を叩く音とともに、聞きなれない声が聞こえてくる。
どこか女性的な感じを漂わせる落ち着いた中低音の声。
自分で馬車の扉を開くと、オリーブ色の髪と濃い藍色の目を持った人物と目が合った。
「少々お邪魔いたします」
目が合った瞬間に私はピリッとして、視界に映った固い表情は少し緩む。
微妙ではあるが、私が目覚めて幸いだと思っているような表情。
髪が短髪で声も低い方ではあったが、私を訪ねてきたのは確かに女性だった。
アグリチェでも実力さえあれば、性別に関係なく部下にする主義だったため、特に不思議ではない。
私が気になっているのは別の理由から。
「お腹が空いているのでしたら、簡単な食事でしたら用意できますが?」
「カシスは?」
「ウィンストン卿と、しばらく席を外しています。・・・お嬢様・・・」
「・・・」
ウィンストン卿は、あのイシドールという男性だろう。
まあ、それは二の次にして。
彼女の話を聞いて、私はここでの自分の立場がどうなのか今更気になったのだ。
今、私の目の前にいる人も、私の呼び方をどうすればいいか困っている様子。
同じように、私も彼らにどんな話し方をするべきか少し悩んでいた。
「ご希望であれば、馬車に何か食べ物をお持ちいたします」
「じゃあ、そうしてちょうだい」
しかし、あまり長く考えずに、いつも通りにすることに。
カシスに敬語を使わない私が、彼の部下に敬語を使うのは不自然だから。
だからといって、カシスに敬語を使うつもりもないのだが。
前にいる女性も、私の話し方がどうであれ、あまり気にしていないようだ。
彼女は表情を変えないまま、俯いて馬車のドアを閉めた。
「・・・」
あの無表情な顔を見ると、エミリーを思い出す。
母に彼女を送ったのが最後で、私の最後の命令。
思っていたよりも早く食事が提供された。
「キャンプ中ですのできちんとした食事ではありませんが、味は悪くないと思います」
「ありがとう」
さっきから感じていたのだが、私に対する態度が思った以上に丁重だ。
捕虜に対する扱いではない気がする。
「もしかして、私がアグリチェに人間であることを知らない?」という気もしたが、事実上、そうするのは難しいはず。
「あなた、名前は?」
「オリンと呼んでくだされば結構です」
名前を聞いてはいるが、おそらく彼女が教えてくれた「オリン」は名字だろう。
初めて会った私に親近感を持って名前を教えるはずがなかったから。
私は彼女が渡す皿を受け取った。
思わず指先が触れたとき、オリンがビクッとする。
そういえば、彼女の態度は、私に必要以上に丁重であるほかに、少しおかしい部分があった。
私を避けるというほどではないが、何となく、私の手に触れないようにしていたのだ。
「ありがとう。いただくわね」
自分でも気づいたことがあったので、彼女の動揺に気づかなかったように平然と話す。
再び一人残された時、私はため息をつく。
そうだろうね。
三日間も意識がなかったら、体の毒気をまともにコントロールできなかっただろう。
他の人たちが私に近づくこと自体が不可能だったはず。
ひょっとしたら、外にいる人たちに迷惑がかかっているかもしれない。
だから今も、私に手を出さないように気をつけたのだろう。
あ・・・、もしかしてカシスが私を診ていた?
かつて経験したところでは、カシスは私に近づけたようだ。
じゃあ、もしかしてこの三日間、カシスはずっと私の面倒を見てくれていたのだろうか?
そう考えると、徐々に眉間に力が入る。
そういえば、意識がないうちに、ちゃんと洗えないのは当たり前だったのに、体が清潔なこともおかしい。
人が洗ってくれるはずはないだろう・・・。
カシスが私にそんな恥知らずなことをしたはずはないので、おそらく彼の持つ異様な能力の一部ではないかと思った。
アグリチェにいる時も、カシスは地下の牢屋に数日間閉じ込められていても、清潔さを保ってきたではないか。
後でカシス本人から聞いてみたかったが、一方では気まずい答えが出るのではないかと思って、このまま黙っていようかと思ったりもする。
オリンがくれた食事を一口すくって口の中に押し込む。
こんな野営地で簡単に調理できる割には、彼女の言った通り、素晴らしい味だった。
けれども私は、そのままお皿を置く。
もともと食べ物に好き嫌いがあるわけでもない。
しかしどうしても食欲がなくて、食べ物が喉に通らなかった。
私は申し訳ない気持ちでオリンを呼ぶ。
彼女は、器の中身がほとんど残っているのを確認し、口に合わない場合は別のものを用意すると提案してくれたが、私は「体が食事を拒否しているみたい」と言って断った。
オリンが席を外した後、私は開いたドアから外を見回す。
カシスの姿はまだ見えていない。
キャンプの準備をしている人たちが目立たないように私をチラッと見るが、それでもわざわざ私のいる方へ進んでくる人はいなかった。
扉を閉めて、カーテンを開ける。
そして窓からしばらく外を眺めていると、キャンプを準備している人々の向こうから見慣れた人物の姿が映った。
オリンや他の兵士の反応から察するに、ロクサナが気を失っていた三日間の間に何かが起こったのは確実でしょう。
カシスの気持ちが非常に気になりますね!
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