ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜

ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜【54話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。

今回は54をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!

アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。

そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。

その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。

アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。

最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。

ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。

シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。

カシス・ペデリアン:シルビアの兄。

ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。

アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。

ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。

シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。

デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。

シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親

マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。

エミリー:ロクサナの専属メイド。

グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。

ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。

リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。

ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者

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54話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 焚き火の近くで

カシスは、やはりイシドールと一緒だった。

私はこっちに近づいてくる彼を見て、再びドアを開ける。

「カシス」

私が呼ぶと、カシスの視線が飛んできた。

昼と似たような静寂感が辺りに舞い降りる。

静かなキャンプ場を横切って、近づいてきたカシスが尋ねた。

「食事は?」

「いただいたわ」

カシスの視線が馬車のそばで待機していたオリンに向く。

彼女が頭を小さく振っているのを、私は見逃さなかった。

しかし、カシスはそれ以上何も言わず、再び私に目を向ける。

「もし必要なものがあれば、これから私がいない時はオリンに話してくれ」

小さく首を頷いて、口を開く。

「息苦しいから、少しだけ風に当たりたいんだけれど」

短い空白が過ぎ、カシスは再び口を開いた。

「さっきより気温が下がって寒いと思うが」

私は黙ったまま、カシスから貰ったマントを羽織り、その上に毛布を巻いた。

それなりに断固たる意思表現をしてみたのだ。

「中にいた方が・・・」

そばにいたオリンが少し躊躇いながら、私を止める。

心から私の状態を心配している様子だった。

しばらく黙っていたカシスが手を差し出してくる。

私は彼の手を取って、馬車から降りた。

 



 

キャンプ場で最も温かみのある場所へ、カシスが私を導く。

周囲にいた人々が離れた場所に移動し、彼らは私たちの方向へ視線を向けなかった。

このような環境でも、やはり彼らには「騎士」という言葉がピッタリだ。

「食べて」

しばらくして、カシスは私に湯気の立つ器を差し出してくる。

席に着く前に部下を呼んで何かを指示しているかと思えば、私が食事をほとんど取っていないことを気にしていたらしい。

「あまりお腹が空いていないの」

「食欲がなくても、少しは食べておけ。三日間何も食べていないのだから」

今回も私は断ったが、オリンと違ってカシスは退かなかった。

彼は私にスープの入った器を持たせて、もう一方の手にスプーンを握らせる。

「まさか、自分のことを水だけ飲んで生きられる生物だと思っているんじゃないだろうな?」

手に持っている温かいスープを見下ろして、こっそり眉をひそめた。

このような状況は少し不慣れなのだ。

食べないと意地を張る私に、誰かがここまで強引に食事をさせようとするのは、少なくとも生まれて初めてのことだから。

そのせいか、なんとなくむず痒い気分に。

照れ臭い気持ちを隠そうとして、食器を持った手を動かしてスープを混ぜる。

妙に気まずい気分を切り替えようと思いつくような適当な言葉を投げかけた。

「あなたの言うとおり、一眠りして起きたら熱が下がったみたい」

「それは良かった」

「私、解熱剤を飲んだの?記憶がぼうっとしてて」

「熱が上がる気がしたから、私が飲ませた」

カシスは淡々と答える。

その姿が平然としていたので、私もあまり気にしなかったの。

ところが、ふと隣の方で怪しい反応を発見する。

「ごほ・・・。ゴホゴホ___」

隣の焚き火で食事中の何人かが急にむせたように吹き出したのだ。

同時多発的な反応から、私とカシスの会話を聞いているのが明らかに。

急に不思議な気持ちになり、目を細くして彼を見つめた。

けれどもカシスは、表情一つ変えずに私を見ながら話す。

「食べろ。冷めると不味くなる」

明らかに「何かある」という感じがしたが、敢えて問い詰めるのも気まずい。

隣にいた人々は、急いで食事を終えて席を外す。

いつの間にか、辺りが閑散としてきた。

わざとなのか、みんながカシスと私の居場所から一定の距離を置いて近寄ってこない。

 



 

焚き火の燃える音の間から草虫の鳴き声が小さく聞こえる。

「フレデリカ高原であれば、魔物生息地に向かうの?」

私の質問に、カシスが答えた。

「魔物の生息地はエメラルド湖に接する高原の端に位置しているから、ここは安全だ。明日の正午に生息地の近くを通る予定だが、迂回して移動する計画だから危険なことはない」

その言葉に「なるほど」と思う。

カシスは、聞きたいことがあれば聞けとばかりに私を見た。

焚き火を少しの間眺めてから、もう一度口を開く。

「ラント・アグリチェはどうなったの?」

「・・・簡単に結果だけ言えば」

すぐにカシスが短く答える。

「あなたの望み通りに」

それを聞いて、私は小さく笑った。

「そう、彼は死んだのね」

燃え上がるアグリチェの城が、揺れる焚き火の向こうで幻影のように揺らめく。

少しずつあの日の記憶が蘇ってきた。

執務室から出て別れた後、デオンが向かった場所はラントのいる場所だったはず。

結局、誰がラントを殺したのか、また彼の最後がどうだったのか気になる。

それと同時に、そのようなことなど少しも重要に感じられなかった。

矛盾していることは、自分でも理解している。

 



 

ロクサナが気絶していた間に、カシスが何をしたのか気になりますね!

騎士たちの反応が面白いです(笑)

ラントはやっぱり死んだようです。

デオンはどうなったのでしょうか?

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