こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は64話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
64話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 小説のシルビア
「・・・」
私は浴室の天井を見て妙な気分になった。
さっき見たシルビアの綺麗な微笑みが脳裏を過ぎる。
元々、小説の今頃のシルビアはあれほど汚れなき明るさと溌剌さを持った少女ではなかった。
この小説のジャンルは、夢も希望もない疲弊物だったから。
そしてシルビアは疲弊物のヒロインらしく、小説が進行するにつれて純粋さと明るさを失っていく。
そして、ついにはアグリチェによって兄が死んだという事実を知り、悲痛さに血の涙を流しながら復讐を誓うようになった。
ところが、あんなに活発なシルビアの姿を見ると、自然と妙な気分になるしかなかった。
成長したカシスを見た時と似た感覚。
和合会の時は、かなり大人びた姿をしていたようだが、ああ見るとシルビアもまだ子供っぽい。
そういえばジェレミーと同い年だ。
「・・・」
頭のてっぺんまで水に浸かって潜水する。
水面に上がる泡と一緒に頭の中の思考も散った。
風呂を終えて外に出た時は、すでに日が暮れていた。
熱いお湯にかなり長く入っていたせいか、全身が気だるい。
ガウンを一人で着て、ソファまでよろめきながら歩く。
しばらく座っていようとしていたが、いつの間にかうたた寝をしたようだ。
目が覚めると、誰かが私をベッドに移動させようとしていた。
「正直に話して」
私を抱いていたカシスの視線が落ちる。
「私に内緒で何かしたんじゃないの?」
寝ぼけた声で呟いた。
「こんな風に目を覚まして、すぐに寝るのは正常ではないわ。私が逃げられないように何かしているの?」
もしくは、カシスが私の気力を回復させるために無理やり眠らせたのではないかと疑う。
するとカシスは、余計な考えはするなというように淡々と口を開く。
「それだけ体が休息を必要としていることなのだろうね」
「もう降ろして。今日は十分寝たから」
カシスは私の言うことに従わずに、またソファに戻って私を上に座らせた。
そういえば時間がどのくらい経ったのだろう?
シルビアがお風呂が終わったらまた会おうと、他の部屋で待つと言ってたけど・・・。
「あなたの妹は?」
「さっき帰したよ」
やっぱり遅くなったから、そのまま帰ったのね。
目覚めるまで待つのではなく幸いだった。
もちろん、約束をしたわけではなく、シルビアが一方的に言って去っただけなのだが・・・。
けれど、あの笑顔を見て、はっきり断ることができなかったのは私も同じだから。
今度また会ったら、ごめんなさいという言葉でも言うべきかな?
「お腹が空いただろうから、部屋に食事の準備をさせるようにするよ」
カシスは私に意見を聞かずに動く。
ここでお腹が空いていないと言っても通じないことを、私も経験から知っていた。
「ここはペデリアンの領地?」
「ああ」
代わりの質問を問いかけると、カシスは短く答えてくれた。
私はカシスの考えで遅い夕食をとる。
でも依然として食欲が湧かないので、手に持っているスプーンをいじりながら口を開いた。
「妹さんは私のことを非常に楽しみにしていたようね」
「そのようだ」
向き合ったカシスの目つきが少し柔らかくなる。
シルビアは意外にも、思った以上に私を歓迎してくれた。
今テーブルの片隅には、彼女が私にくれた花束が置いてある。
カシスは、一体妹に私のことを何と言ったのかしら?
これほど私を歓待させたカシスの手腕が人並みはずれていると感心するべきなのだろうか・・・。
私がペデリアンに来たのは、別の理由や意図があったからではない。
ただ、カシスの言葉通り、どこでも構わないからだ。
特に行く場所もなく、行きたい場所もないので、その目的地がペデリアンであっても構わないと思った。
一旦はカシスに沿って今このようにペデリアンに来てはいるが、ここが最後の終着地だとも思っていない。
もし私に一緒に行こうと言った相手がカシスでなかったら、私は断らなかっただろう。
「ここは、ずいぶん静かね。人の気配があまり感じられないわ」
「来賓用の別館だから普段は使わない」
やっぱり母屋ではないようだ。
私を別館に連れてきたのは、おそらく二つの理由のためだろう。
第一に、再び制御を失って暴れる危険性のある自分の体の毒気のため。
第二に、アグリチェ所属の私をペデリアンに入れて、人目を気にせずにはいられなかったから。
もちろん、カシスはここまで移動する道でも何の躊躇いもなく行動したが、それは外でのことだったから。
ペデリアンの中に入ってきた今、カシスも身の振り方に注意しなければならない必要性があるかどうか分からないのだろう。
元の小説のシルビアも見てみたいです。
ロクサナがカシスを救ったことで、原作にも大きな変化が生まれているようです。
ロクサナとシルビアの会話が早く見たいです!
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