ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜

ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜【86話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。

今回は86をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!

アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。

そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。

その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。

アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。

最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。

ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。

シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。

カシス・ペデリアン:シルビアの兄。

ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。

アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。

ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。

シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。

デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。

シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親

マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。

エミリー:ロクサナの専属メイド。

グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。

ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。

リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。

ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者

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86話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • side デオン・アグリチェ

光一つない暗黒。

果てしなく吸い込まれるように四方が暗く静かだった。

もしかしたら、今自分がいる場所は真っ暗な深海なのかもしれない。

騒音一つない完全な沈黙の世界。

それはある意味で安息とも似ていた。

驚くべきことに、塵一つ存在しないようなこの空間が、この上なく平穏に感じられる。

これまで一度も感じたことのない感覚。

確かに慣れないが悪い気分ではなかった。

しかし、彼が魂を依託しているこの空間は、そうは思っていないようだ。

体は捩りながらもがいている。

無形の世界は、彼を吐き出すのに必死だった。

やがて虚空が歪み亀裂を描き始める。

バサバサ!

そして砂金のように粉々に割れ始めた空間が彼を外に吐き出した。

 



 

「・・・」

デオンは石のように重い瞼をゆっくりと持ち上げる。

彼が寝ているベッドの大きさは、それほど大きくないように思えた。

全身が痛み、首には特に鋭い痛みが走る。

これは父親のラントによって受けた傷だ。

外から話し声が聞こえるが、その内容までは識別できない。

周囲にいる人は最低3人。

外で話している2人と、今デオンのいる部屋に待機している1人。

今、この部屋にデオンは一人でいなかった。

誰かの微かな寝息が耳に食い込む。

そして、ふと息を飲み込む音が聞こえた。

ガタンっ!

びっくりしたように何かを落とした後、椅子が床を引っ張るような音が静寂を破る。

「き、気がつきましたか?」

「・・・」

女性の当惑した気持ちが震える音声に乗せられ、波紋のように伝えられてきた。

心なしか、女の顔にどこか見覚えがある。

彼女はしばらくの間スカートの裾を握りしめて、途方に暮れて急いで出口に向かう。

「し、少々お待ちください」

女性はデオンに待つことを告げたが、彼がそうする理由はなかった。

デオンは立ち上がるために体を動かす。

しかし、彼は思い通りに上体を動かすことができなかった。

全身を巡る痛みに顔を歪めることしかできない。

ドアの外から近づいてくる足音が聞こえた。

デオンはベッドに横になったまま冷ややかにドアの方を見る。

その後、部屋に入ってきた人物の顔を確認したデオンは、思わず目元を震わせてしまった。

「お目覚めのようですね」

落ち着いた女性の声が耳元に響く。

彼女はロクサナの専属メイド、エミリーだった。

さらに驚くべきことに、しばらくするとロクサナの母シエラが部屋に入ってきたのだ。

「本当に、目が覚めたのね」

彼女は目が覚めたデオンを見て一瞬表情を小さく変えた。

しかし、すぐにそのような気配を消して、彼に話しかける。

シエラの女中ベスは静かに後方に退き、エミリーはシエラのすぐそばについていた。

表向きの気配は静かだが、デオンがもし危険なことをしたら、すぐに静止しようとする意志がエミリーから感じられる。

「医者に状態を見せたら、急所を深く刺されて危険だったと言われたわ。もう少し遅れていたら本当に死ぬところだったって」

シエラの話し方は温もりのない単調で無味乾燥だった。

デオンを見下ろす目つきも同じ。

「十分な休息が必要だというから、もう少し横になっていて」

奇妙な状況だった。

デオンは手足を拘束する枷を壊そうとしたが、体が思うように動かない。

「ここはどこ?」

酷いガラガラ音が外に吐き出される。

「ラント・アグリチェはどうなった?」

デオンの問いかけに誰も返事をしない。

シエラは、湿り気と乾きを同時に抱いたような目で静かに彼を見つめていた。

「・・・やっぱり、もう少し寝ていた方がいいと思うわ」

そう言って、彼女は部屋を出て行こうとする。

デオンはシエラの横顔を見て、再びゆっくりと口を開いた。

「どうして連れてきた?」

「・・・」

結局、シエラはデオンに何の返事もなく部屋を出ていく。

ベスは火をつけた蝋燭をテーブルに置いた。

拒否できない強烈な睡魔に飲み込まれ、デオンを瞼を落とす。

(・・・そうか、もしかしたら彼女は復讐のために自分を連れてきたのかもしれない)

徐々に目の前がぼやけてきた。

デオンは自分の体を深淵まで引き寄せる柔らかい手を拒まずに目を閉じた。

 



 

side ニックス

「見つけた」

ノエルの人形のニックスは、鼻先に甘い香りを味わうように目を閉じる。

太陽の光を溶かしたような金色の髪が風に沿って細かく舞った。

彼が立っている場所は、空まで届くように高くそびえる森の木のてっぺん。

彼の目は両方の色が違っていた。

片方の瞳が紫水晶のような光を放つと、遠くにあるペデリアン内部の姿が微かに視野に入ってきた。

「彼女」がいる場所は、爽やかな緑に満ちた庭。

蝶の赤い残像と薄緑の木の葉に隠れて、顔はハッキリとは見えない。

だけど彼女はノエルが欲しがっていたロクサナ・アグリチェに間違いなかった。

彼女のいた場所はかなり意外だ。

両家は敵対的な関係ではなかったか?

しかも、あのロクサナ・アグリチェが魔手師だって?

あんな変な蝶を使うとは聞いていないが。

ニックスの顔に悪戯をする直前の子供のような笑顔と、それと同時にどこか奇妙に邪悪な感じを漂わせる微笑が滲み出ていた。

「面白そう。ノエルに早く教えてあげないと」

地面に軽く着地したニックスは、すぐにベルティウムに向かう。

近々開かれるお祭りが本当に楽しみだった。

 



 

デオンは生きていましたね。

しかもシエルと一緒とは・・・。

シエルが彼を連れてきた理由とは?

そしてニックスの動向も気になります。

人外の力に、カシスは対抗できるのでしょうか?

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