こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
42話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 歓迎のブーケ
一体、今私は何をしているのだろうか?
カシスの冷静な表情を見ていたら、気持ちがよじれて動揺させたくなった。
それで始めたことだが、結局は得たもの一つもなく、余計なことをした気がすると思うと、心の中に溜まっていた熱がするすると抜けていく。
カシスはロクサナを刺激することなく、窓を開けて外にいた部下に出発するように指示していた。
その後、止まっていた馬車が再び動き出す。
今回はカシスも一緒だ。
腰を覆った腕がぐっと締めつけられ、ロクサナは2回戦が始まろうとしているのかと警戒する。
しかし、カシスはロクサナの体を引き寄せて、自分の体にもたれかけさせただけだった。
「目的地まで残り僅かだから」
低い声が耳元で響いて、ロクサナの体の上に暖かい毛布が巻かれる。
いつ熱烈な口づけをしたのかというくらい、淡白極まりない手と声で。
ロクサナは少し失笑したが、それからカシスの手が自分の頭を撫で始めると静かに黙り込んだ。
しばらくして、ロクサナが小さく呟く。
「・・・この状態でどうやって寝ればいいの?」
それが聞こえたのか、微かな笑い声が涼風のように馬車の中に流れる。
カシスはロクサナを抱いたまま背中を撫でた。
彼は顔を寄せている胸元から心臓がドキドキする音を聞く。
(・・・本当に変な状況)
ロクサナが目を覚ましたとき、そこは馬車の中ではなかった。
彼女は真っ白でさらっとした布団に包まれていた。
寝ている場所は、ふかふかのベッド。
焦点を取り戻した赤い瞳が静かに周囲を見回す。
カシスの言葉や態度からすでに予想はしていたが、彼女は刑務所のような場所に閉じ込められているようではなかった。
清潔で居心地のいい部屋の情景が視界に入ってくる。
この部屋を構えた人物は、かなり優雅な好みのようだ。
部屋を埋める家具と装飾品、窓のカーテンと布団一つから高尚な感じが惜しみなく漂っている。
ロクサナは短い観察を終えて、上半身を起こした。
ここまで運ばれる間に何も気づかずに眠るなんて・・・。
いつの間にか警戒心が薄れていたのか、まだ気力が衰えたままなのか分からないけれど。
・・・それとも両方なのか。
視線を見下ろすと服も着替えられていた。
ロクサナは布団をたたんでベッドから出る。
床には絹で作ったような柔らかい室内用の靴があったが、彼女は履かなかった。
白く美しい足が、カーペットの上を音もなく横切る。
ロクサナが向かったのは片側の壁面を占める窓。
少し歩くと、熟した黄色い日差しがカーテンの間から差し込んできた。
その光が眩しくて一瞬だけ顔をしかめる。
その後、ロクサナは窓の外を眺めた。
ここの気候はアグリチェより暖かいのか、すでに花が咲いている。
庭には白い花が咲き乱れる庭に蜜を溶かしたような濃い金色の日光が充満していた。
それが窓の外の風景を一層風情にしている。
ロクサナの視線は、その中にいる華やかな兄妹に移った。
カシスとシルビア。
彼らは顔を見合わせて何かを話しているようだ。
互いへの眼差しと表情が、春の日差しのように暖かい。
まもなくシルビアは長い髪を振り乱して、先にその場を離れた。
カシスは庭から出て建物に入る妹の姿を見届けた後、顔を上げる。
ロクサナは彼の視線が自分のいる部屋に向かっていることに気づいて、カーテンを掴んでいた手を離した。
そして、再び部屋の中が暗くなる。
もしかして、窓際に立っていた自分を見たのだろうか?
ロクサナは窓の前から離れて、部屋から出る扉を開ける。
扉は施錠されていなかった。
そして廊下に出た時、遠くから近づいてくる少女の姿が目に入る。
ついさっきまでカシスと一緒にいたシルビアの姿だった。
意外にも彼女の目的地はロクサナがいる部屋。
華やかな花を胸に抱いたシルビアが、ロクサナを見つけて、一瞬目を大きく開く。
「あ、目が覚めたんですね」
その後、シルビアはロクサナを見ながらニッコリ笑った。
一瞬、視界が花で咲き乱れるかのような笑顔。
まるで自分を歓迎するような日差しのように明るく優しい微笑みだった。
「どういうつもりかね?」
カシスはペデリアンに着くや否や、まずロクサナを別館の寝室に寝かせた。
それから彼を歓迎するために来たシルビアと廊下で出くわした時、父親のリセルが彼を呼んだのだ。
いずれ父親と話し合うべき話があったので、カシスは執務室に向かった。
「ラント・アグリチェの娘を連れてくるとは。しかも、死にかけている相手を」
リセルの執務室は、彼の性情を表すように、不必要な装飾品は一つもなく、端正で綺麗だった。
「もう一度、過去のことを繰り返すつもりなのか?」
二人はそこで互いに向き合って座った。
リセルの顔は透明と言えるほど無表情で、ただじっとしているだけでも冷えて鋭く見える。
彼と正面から視線を合わせて、緊張しない人はほとんどいないだろう。
「そうであれば、どうしますか?」
しかし、カシスは何事もなかったかのように視線を落とす。
「また禁制をかけて私を阻みますか?」
「カシス」
それに続く低い声で、リセルは厳重に息子の名前を呼ぶ。
カシスは父親が何を言おうとしているのか知っていた。
ずいぶん前のことであるにもかかわらず、未だにはっきりと胸に残っている記憶を思い出す。
『我々は高潔な審判者ペデリアン。その名の意味が何であるか忘れるな』
過去に許されなかった力を使ったカシスに禁制をかけた際、リセルが口にした言葉。
「父さん、ペデリアンとして持つべき高潔とは何ですか?」
それはペデリアンの人間なら当然生まれた時から、まるで魂に刻印するように数えきれないほど入ってくる言葉。
カシスはそれを全く知らないふりをしていたのではなかった。
リセルもそれを知って、じっと彼の顔を見つめる。
「正道に反しないように、道理を守り正しく生きることだ」
重い音声が耳元に落ちた。
カシスはいつものように薄暗く笑う。
「今まで全てのペデリアンがそうしてきたように、正直に、与えられたもの以上の欲は捨てて、それに対する未練も後悔もないように超然と目を閉じて耳を塞ぎながらですか?」
カシスの口から落ち着きのある言葉が続かれていく。
「希望することを実現するために当然できることがあるのに、それにそっぽを向いて心を空にすることが道理を守って生きる人生というなら・・・」
それは、とても皮肉めいた言葉だったが、それを抱いていた表情や声は、秋の午後のうら寂しい風景のように穏やかで静かだった。
「それは、私の歩きたい道ではありません」
カシスは強ばった顔で自分を見つめる父親をじっと見つめる。
「もしかしたら、私はペデリアンに相応しくない人間かもしれません」
「カシス」
「だからと言って、すべての人倫と道義を見捨てて、見え透いた間違いの道を進もうとは思っていません」
生きている間、彼がずっと考えてきたことなので、一度決めた以上、話すことに躊躇いはなかった。
「父と私の追求する人生は違います」
自分は確かにペデリアンとしてどこか欠けていて、どこか歪んでいるかもしれない。
最初にそう思ったのは、子供の頃、自身の自惚れで妹のシルビアを殺しそうになった時。
外部には隠されていたが、ペデリアンの後継者が受け継ぐ力は、単純な接触だけでも万物の生と死を自分の意志で牛耳ることができるほどだった。
浄化と治癒の能力も、そこに根ざしている。
それだけに幼い頃からその力の危険性を悟り、常に警戒するように教えられてきたのだ。
しかし、幼いカシスは、まるで自分が神にでもなったかのように傲慢だった。
だからこそ、リセルがカシスに禁制をかけて力を封じたのも当然のこと。
それでもその後は多くの反省と省察を通じて、以前より自分がペデリアンに相応しい人間に変わったと思った。
しかし、そうではなかった。
今回訪ねたアグリチェでも、カシスは個人の復讐心に囚われて、ラント・アグリチェを何度も殺した。
まるでラント・アグリチェの罪業に対する刑罰のように騒いだが、明らかにそれが全てではない。
それに続いて、こうして自分だけの利己心と欲心でロクサナをペデリアンに連れてきたのだから・・・。
自分はペデリアンに相応しくない人間。
そう考えるたびに辛かった時代もあった。
しかし、今は自分でさえ驚くほど毅然とすることができている。
これまで休まず叩き続けられてきたため、ついに本来の姿を現した鉱物のように、カシスもそうやって時間の経過とともに内心を露わにしてしまったのかもしれない。
もしかしたら、自分は輝く宝石ではなく、ただの割れた石ころなのかもしれない。
しかし、例えそうだとしても仕方がない。
これが隠すことのできないカシス・ペデリアンの本質なのだから。
「変わらない」
しばらく黙ってカシスを眺めていたリセルが、固く閉ざされていた唇を開く。
ところが、彼の言葉はカシスの予想外のもの。
「今回ラントを死なせ、アグリチェをそうさせたのは確かに私の「死感」も含まれている。だからペデリアンに相応しくないとしたら、お前より私が優先だろう」
まさか父親からそんなことを言われるとは思っていなかったカシスは、言い表せなき気持ちに包まれる。
「結局、私は以前にもタブーを破ってシルビアを助けたし、今回もお前を傷つけようとしたラント・アグリチェを許すことができず、ペデリアンの名前を利用して断罪しただけなのかもしれない」
「父さん・・・」
「幼いお前には手に負えない力だと考えて禁制をかけたのだ。だが三年前、お前を失うところだった時・・・」
リセルの目が冷たく沈むが、その中に立ち込めた寒気はカシスに向けられたものではなかった。
「最初から私がお前を信じて、あの時に力を縛らなかったらアグリチェに足を引っ張られて、あんな危険に晒すこともなかっただろう」
「・・・」
「そして、アグリチェから黒い手を差し伸べる前に、私が先にラントを処理していたら、初めから問題になることはなかったのかもしれない」
リセルの瞳に刻み込まれた感情は、明らかな後悔。
「だから、お前に思う通りにしなさい」
その後、リセルから流れた音声には歳月の跡が。
「お前の意志が固まっているのだから、それでいいじゃないか」
カシスはそんな父親と向き合って、ゆっくりと深い息を吐く。
そうして初めて真心を込めて言った。
「ありがとう、父さん」
「体裁を言うな。どうせ、私の許諾を求めるつもりではなかったくせに」
リセルは、くすぐったいことを言うなと言わんばかりに、わざと険しい口調で嗜める。
それを聞いて、カシスはクスッと笑う。
「父さん、もし私の行動がまた別の後悔を生むならば、それも私が負うべき責任です」
「ああ、お前はちゃんと理解している」
それを最後に、親子の対話は終わる。
それぞれの心に小さなものを残していた部分は、いつの間にか雪のように溶けて消えた後だった。
父親の執務室を出たカシスは、母親にも短い挨拶をした後、再び別館に向かった。
そして、カシスはある部屋の中に静かに入る。
部屋の中で、ロクサナが目を閉じてベッドに横たわっている。
このように目を閉じてじっと横になっている姿を見ると、ベルティウムが渾身の力を込めて作った人形と言われても信じられそうだった。
しかし、カシスは目の前の美しさに感嘆する代わりに、違う感情を抱いていた。
彼はロクサナが息をしていないのではないかと思い、彼女の顔の近くに手を差し出す。
しばらくすると彼の指に、途切れるような細い息遣いが。
カシスはそれを確認してホッと安堵する。
彼は自分自身の感情をはっきりと理解していなかった。
それは憐憫や同情とはどこか違う。
カシスはもう少しロクサナ・アグリチェという人物について知りたかった。
もしこのままロクサナが死んで永遠に別れることになったら、名残惜しさより大きな未練と後悔が残りそうだったから。
それに加え、正確に誰だか分からない対象に激しい怒りが込み上げてきそうでもある。
ロクサナがこんなに青白い顔をしているのを見るだけでも、何故か少し腹が立つ。
無理にでもご飯を食べようと努力する姿を見ると安心したし、たまに彼女が荒涼とした瞳で虚空を眺めていると胸の片隅が思わず暗くなってしまう。
ロクサナは知らないようだったが、彼女が意識を失い眠っている間、時折涙を流していた。
3年前よりも大きなざわめきが胸の中で生まれる。
事実、ロクサナの寿命を伸ばすことはペデリアンの力でも難しい。
それでも、カシスは全てをしたかった。
もしかしたらロクサナは望んでいないかもしれないが、彼は彼女をこのまま死なせたくなかったから。
しばらくロクサナを見つめた後、カシスはカーテンを閉め、部屋を出た。
「お兄ちゃん!」
待っていたかのようにシルビアが目の前に現れる。
「もしかして起きたの?じゃあ、私も入っていい?」
彼女は好奇心を抱いた幼い目を輝かせていた。
シルビアは以前からロクサナに会いたがっている。
カシスが三年前にアグリチェで会ったロクサナの話をチラッとシルビアに話してあげて以来、ずっとこの調子だ。
「いいや、まだ寝ている」
カシスの言葉に、シルビアはガッカリした様子に。
けれど、すぐに彼女は明るく笑いながら歩みを運ぶ。
「それじゃあ、待ちながらお花を準備しないと。歓迎の意味を込めて」
カシスは、そんなシルビアを見て小さく微笑んだ。
ロクサナも「ペデリアンの中にいる間に、シルビアのように明るく笑えるようになったらいいな」と考えながら。
「ふぅ・・・」
私は心の中に溜まる深い息を唇の間に吐き出した。
温かいお湯に浸かった体が、柔らかく緩む感覚に。
溜まっていた疲れが一気に取れるようだった。
馬車でもずっと寝ていて、ついさっきまでベッドで寝て起きた人間が何に疲れたかと言うと、特に言うことはないのだが・・・。
今までこんなにたくさん寝たのは初めてで、自分自身もちょっと不思議だった。
今まで足りなかった睡眠時間を満たせたんじゃないだろうか?
風呂に腕を置いて、ゆっくりと目を閉じて開けた。
入浴の世話をしてくれるという使用人たちを断って、一人で入って来て良かった。
そうしてふと口の外に嘲笑が流れる。
すぐに死んでもいいと思っていたくせに、こんなに満足な気分でお風呂に入っているのだから。
ここの浴室は、さっき私がいた部屋に劣らず大きく清潔だった。
浴槽のお湯から漂うほのかな香りが室内に漂っている。
花の香りに近いその匂いを嗅ぐ間、ふとさっき会ったシルビアの顔が思い浮かんだ。
「ああ、目が覚めたのですね」
目が合うや否や、彼女は私にニッコリ笑った。
その無邪気な微笑みに私はギョッとする。
シルビアは、あたかも舞う鳥のように軽い足取りで私に近づいてきた。
「このお花はどうですか?」
それから、いきなりこのようなおかしな質問をする。
星のように輝く瞳には、好意と喜びが溢れていた。
「お兄ちゃんがもっと休ませておくようにと言うので、起こさずに部屋の前に花だけ持ってこようと思ってたんですよ」
ヒバリのように囀るシルビアをじっと見下ろす。
「目が覚めてすぐに花を見ると、気持ち良くなりますよね?」
彼女の顔には皺の欠片もなかった。
言葉遣いや目つきがとても親しみやすくて、一瞬、彼女と私は本当はずっと前からの知り合いではないかと考えさせられるほど。
「それで庭に立ち寄って一番綺麗な花を選ぼうとしたのですが、実際に貰う人を考えると、私が大事にしていた花の美しさがどうも色褪せて見えるのです」
シルビアは、私が思っていたよりもずっと明るくて可愛い。
私は黙ったまま、そんな彼女をじっと見下ろすしかなかった。
「そうしている間に、とても悩んでしまって思ったより時間がかかっちゃいました」
そして、耳元でハツラツとした声が徐々に消えていく。
シルビアはようやく何かに気づいたように口をつぐんだ。
「あ、ごめんなさい」
彼女は当惑を表していた。
「私の紹介を先にしなければならなかったのに、とても取り留めがなく騒いでしまいました」
シルビアは私が不快感を感じていないか心配していたが、少しも気分は悪くない。
「えーと、もしかして私が誰だか知っていますか?」
当然知っていた。
和合会の時、私はもう彼女の顔を見たから。
たとえそうでなくても、シルビアの銀髪と金色の瞳を見ると、カシスを連想するしかなかった。
「今回のユグドラシルに、お兄ちゃんと一緒に参加したのですが・・・」
「シルビア」
彼女の名前を口に出したのは無意識だった。
私の話を聞いて、目の前にいる少女が一瞬たじろぐ。
しかし、それも束の間のことで、シルビアはさっきよりもさらに明るい笑顔を顔に描いた。
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ペデリアンでの目覚めとシルビアとの邂逅: ロクサナはアグリチェより温暖で優雅なペデリアンの部屋で目を覚まし、庭にいたカシスとシルビアを目撃する。その後、施錠されていない部屋を出た廊下で、自身を無邪気な笑顔と好意で歓迎するシルビアと初めて言葉を交わした。
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カシスと父親の対話と「ペデリアン」の矜持: カシスは父親リセルから宿敵アグリチェの娘を連れ帰ったことを問いただされるが、自身の歩む道を毅然と宣言する。リセルもまた、過去にカシスを縛った悔恨や自らの復讐心を吐露し、最終的に息子の意志を尊重してその行動を容認した。
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カシスの秘めたる願いとロクサナの自嘲: カシスは衰弱したロクサナを死なせたくないと強く願い、彼女がいつかシルビアのように笑える日々を夢見る。一方、一人で入浴し疲れを癒やすロクサナは、死を覚悟していた自分が温かなもてなしに満足している矛盾に自嘲しつつも、シルビアの純粋な輝きに心を揺らされていた。