こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は124話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
124話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 同じ道
エレナは客席から立ち上がり、討論会場を後にする。
彼女に話しかけようとする人もいたが、次の機会を待つことにしたようだ。
そして、エレナは前もって準備した応接間に席を移す。
ソファの間には、紅茶の用意が。
茶葉を取るとノックの音が聞こえてきた。
「お入りなさい」
ドアが開くと、カリフがザカリンを案内する光景が見られた。
近くで見ると角張った顎と、仮面の間から垣間見える愚直な目つきが窺える。
彼の強情さを迂回的に見せてくれた。
「いらっしゃいませ。どうぞ、こちらにお座りください」
ソファを勧めると、ザカリンが近づいて座る。
丁度飲み加減の良い紅茶を彼に入れた、
「好みが分からないので紅茶を用意しました」
「何でも結構です。お茶を楽しむほど豊かではありませんから」
ザカリンはつっけんどんに口答えして、紅茶を一口飲む。
「Lです」
「ザカリンです」
シークレットサロンは身分と名前を明らかにしないことを原則とする。
それにもかかわらず、ザカリンは自分の名前を明かすことに躊躇いがなかった。
自分の正体を討論の主催者側が分からないはずもないが、それなりの縁がLとあったから。
「お礼を今は言えるのですね。おかげさまで死なずに生きています」
エレナはお茶を飲み干してからグラスを置いた。
「今日の討論は本当に有意義でした」
「私もLの討論を印象深く見ました」
エレナは彼をじっと見つめた。
その深そうな視線をザカリンも避けない。
「私は二人が同じ夢を見ていると思います」
「目的地が同じというだけで、行く道は同じではありません」
ザカリンの反論に、エレナは微かに笑った。
誰とも混ざり合わず、入り乱れることを望まないザカリン。
元の歴史の中でも自らを孤独にし、孤独に生きていくことを願っていたのだから。
エレナはそんな彼に変わることを望んでいた。
「ザカリンさん、私はあなたに長生きしてほしいのです」
「長く細く生きるよりも、炎のように生きていくつもりですよ」
「消えない炎になればいいのです。灯火と油は私が提供します」
仮面の向こうのザカリンの瞳が細くなる。
そこまでして自分の命にこだわる理由が気になったのだ。
「望みは何でしょうか?」
「言ったじゃないですか。長生きしてほしいって」
「理由が聞きたいのです」
「世の中は一瞬で変わりませんから。ザカリンさんが長生きしてくれたら少しでも早く変わるんじゃないでしょうか?」
元の歴史で、ザカリンが火刑を受けた後も、啓蒙思想の精神は続いた。
しかし、主体を失っただけに、その動力と力が大きく抜けたのも事実だ。
「世の中が変わることはありませんよ。私はこのまま生きていこうと思います」
ザカリンはそれでも意地を張る。
エレナはそんな彼の気持ちを揺さぶるような言葉を投じた。
「首都に学校を建てるつもりです。そして、平民を対象にした無償教育を実施する予定です」
「・・・!」
ザカリンの目が大きくなる。
教育は啓蒙思想の最大の課題であり、難題。
しっかり学び語ってこそ不当さを不当と言えるが、現実的に学校を設立・維持するのには莫大なお金がかかるのだ。
ましてや、食べていくことが優先順位である平民たちに学費を望むことなどできない。
このような現実との隔たりを狭めるとエレナが先に話しかけた。
「私は首都にさらに5つの学校を設立する計画です。後援は私がしますので、ザカリンさんには初代学長になっていただきたいのです」
「・・・なぜここまでするのですか?」
「私も望んでいますから。世の中が変わるようにと。そのためには、ザカリンさんが生きていかなくてはなりません」
エレナは没落貴族であるにもかかわらず、平民と変わりなく成長した。
選択権のない人生、拒絶できない人生、一方的な人生を生きる平民たちは、貴族の認識する家畜と大差がなかったのだ。
「すべてのことには順序があります。信仰批判、身分制打破、いずれもです。しかし、この時代がザカリンさんの主張を受け入れる準備ができていないのです」
「・・・」
「意味もなく死にたくはないでしょう?意志だけで世の中を変えることはできません。生きてください。生きて世の中を貫いてください」
ザカリンは言葉を続けることができずにいた。
自分の思想をここまで深く理解し同調されたのは初めてだったので、どう受け止めていいか分からなかったのだ。
エレナは動揺するザカリンを見て決定打を放つ。
「無駄死にはしません。約束していただければ、後援をお約束します。そして、時代の変革を早めることができる方を紹介します」
「変革を早める方?それは誰ですか?」
ザカリンが反応したので、エレナは白玉のように白い人差し指を立てて天井を指す。
「帝国の太陽になるお方です」
学校を建てると宣言したエレナ。
そのためにはザカリンの存在が不可欠でしょう。
ザカリンは、エレナの計画に賛同してくれるのでしょうか?
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