こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は190話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
190話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 計画始動
「ヒュレルバード卿、ローレンツ卿」
「「はい、公女殿下」」
後ろに立っていた二人の騎士が同時に答える。
「ドレスがとても不便なのですが、卿がずっとそこにいると困りますね」
「外で待機させていただきます」
長く話さなくても分かるようにヒュレルバードとローレンツが応接室を出て行こうとすると、エレナがもう一言加えた。
「どうせなら応接室から少し離れてください。さっきお聞きになったと思いますが、今日は私もちょっと敏感になっていますので」
「そうします」
ヒュレルバードが乗り出して「そうする」と言うと、ローレンツはこれといった反発もなく素直に従う。
3回目の競合を控えてエレナが敏感に行動することは全く疑わしいことではないからだ。
二人の騎士が退くと、アンが顔色を伺って尋ねた。
「お嬢様、とても不便なのですか?」
「ドレスが締め付きすぎるわ」
エレナが不快感を表すと、アンが顔を真っ青にする。
ただでさえ重要な日なのに、もしかして自分の失策でエレナを不快にさせてしまったのではないかと怖くなったからだ。
「お嬢様、私がもう一度見させていただきます」
「そうしてくれる?」
エレナの後ろに立っているアンがドレスをしっかりと留めた紐を緩める。
その時だった。
脱げるドレスが汚れないように握っていたメイの手の甲が稲妻より速い速度でアンの後ろ首を強打する。
急所を正確に殴られたアンの瞳に焦点が消えた。
メイは意識を失い、足の力が抜けて座り込むアンを素早く支える。
エレナは、アンを完璧に制圧したメイを見て感嘆した。
「熟練した腕前ね」
「ご存知でしょう?かつて大公を暗殺しようとしていましたから」
分からないはずがない。
誰もやり遂げられなかったフランツェ大公の暗殺を成功しそうになった唯一の暗殺者がメイなのだから。
結果的には失敗したが、もしフランツェ大公がもう少し油断していたら、彼女の短刀で命を落としただろう。
メイが意識を失ったアンを見て意中を尋ねる。
「連れていかれるんですよね?」
「そうしないと」
メイは布を取り出してアンの口を塞ぐ。
何の音も漏れないようにした後、手と足首をしっかりと捕縛する。
気持ちとしてはここに置いて行きたかったが、そうするには不如意だった。
(痕跡を残してはダメよ)
エレナは水蒸気のように蒸発することを望んだ。
そのため、ここにアンを置いていくのは、大公家が彼女を追跡する口実と手がかりを与える可能性が濃厚だった。
「行きましょう」
「はい、お嬢様」
メイは私の体より大きいアンを平気で背負う。
意識を失ったことを勘案すれば、本来の体重より重いはずなのに躊躇なかった。
エレナは応接間の暖炉の方へ向かう。
四季を通じて穏やかな気候を持つ帝国であるため、暖炉を利用する時期は極めて短い。
それにもかかわらず、皇居の中に設けられた寝室と応接室には暖炉が漏れなく設備されていた。
それはなぜだろうか?
一年に半月しか使われない暖炉をあえて皇居だからと言って設置する必要があったのだろうか?
その疑問に対する答えはすぐに出た。
エレナは暖炉のそばに立っていた燭台を手で握る。
精一杯引っ張るのではなく、一定の規則に従って燭台を動かした。
一定のロック装置で、万が一の追跡に備えて考案されたものだ。
ガチャガチャと音がすると、暖炉の中に置かれた木の薪の裏側の壁面が微かに動く。
「お嬢様、これが秘密の通路ですか?」
「ええ、そうよ」
エレナも聞いただけで直接目で見たのは初めてだ。
サロンでは設計段階からエレナが要求して介入したが、この秘密通路は違う。
500年以上前に建築された皇居にこのような場所が存在するということから尊敬するに値する。
「遅れる時間がないわ。急ぎましょう」
「はい、お嬢様」
エレナはあらかじめ持ってきた燭台に火をつけ、暖炉の中に身を押し込んだ。
あちこちについていた黒い灰でドレスが汚れたが、気にする暇はない。
「メイ、手を」
生きるか死ぬかかかったこの瞬間の職位や身分の告解は重要ではなかった。
秘密通路にアンを背負ったメイが入ってくると、エレナが内側に用意されていたペダルを思いっきり踏んだ。
大きな音がして暖炉の中、秘密の扉が閉まる。
同時に応接室の中に設けられた燭台も元の場所に戻った。
少し前までは感じられていた温もりと人の気配が消えた応接室の中には静かな静寂だけが残る。
「こっちよ」
エレナは漆黒の秘密の通路の中でも落ち着きを失っていない。
たった一つの灯火に頼っていながらも、方向を失わず落ち着いて進んだ。
ついにエレナの脱出計画が始まりました!
アンを連れていくのは予想外でしたね。
残されたヒュレルバードはどうするのでしょうか?
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