こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は198話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
198話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リアブリック②
「流浪馬車!」
何かを思い出したリアブリックの肩が揺れる。
馬車の中でなければ、反射的に起きていたかもしれない。
「子爵様、何か心当たりがあるのですか?」
「もうすぐ冷たい風が吹く時期ですよね?」
「ええ、一ヶ月後には冬の季節ですから。ところで、それが今回のことと何の関係があるのですか?」
ルーカスはよく理解できなかった。
それなりに頭はいい方だと自負しているが、流浪馬車と冬に何の関係性があるのか分からなかったのだ。
「穏やかとはいえ、冬は冬ですよね。流浪民族のジプシーたちがあえて帝国の首都で冬を過ごす理由があるのでしょうか?」
「言われてみればおかしいですね。私の知る限り、ジプシーたちは冬を主に南部地域で過ごすと知っていますが」
リアブリックの瞳に理知的な異彩が漂う。
大したことのないように聞き逃すこともできることを彼女は見逃さなかった。
常識を外れると疑わしい。
流浪馬車をあえて流動人口の多い地域の皇居外壁に停めた点。
リアブリックは流浪馬車にエレナが乗っていると推測した。
いいや、確信した。
「今すぐジプシーの流浪馬車を追跡してください。大公家に連絡して追加の支援兵力も要請してください」
「分かりました」
ルーカスは頷く。
リアブリックの考えは間違いはほとんどないからだ。
エレナはジプシー部族の流浪馬車で逃げ出したに違いない。
急を扱うことであるだけに、ルーカスが急いで馬車を出ようとした時。
「卿」
ルーカスが振り返ると、リアブリックの目つきに濃い殺気が漂っていた。
「偽の公女を殺してもいいです」
「・・・!」
「後始末は私がします。だから、必ず殺してください」
「かしこまりました」
従順に命令を受けたルーカスが馬車を飛び出す。
一人残されたリアブリックは唇を噛み締めた。
当初の計画では大公家に連れてきた後、静かに排除する予定だった。
しかし、状況は変わった。
エレナを逃す最悪の状況を迎えるより、抹殺を選択するのが正しい。
「ルーカス卿なら問題ないでしょう」
リアブリックは目尻をそっと閉じて波のように押し寄せる不安を押し下げた。
ルーカスはローレンツと双璧をなすほど立派な騎士だ。
次期騎士団長に推されるほどの文武を兼ね備えている。
そんな彼が大公家の精鋭騎士たちを連れて追撃に乗り出したのだ。
エレナの直属騎士ヒュレルバードが予想できなかった力を持ってローレンツを除去したとしても、彼ら全員を相手にするには力不足だった。
尻尾を踏んだからには失敗はない。
エレナは今日死ぬだろう。
首都西方の外郭地域。
エレナ一行を乗せた流浪馬車が悠々と山道を横切って進んでいた。
ヒュレルバードは流浪馬車のテントをそっと開き、後ろを見回す。
いざという時に備えて警戒を緩めなかった。
「追跡は見えません」
「良かったです」
エレナは言葉とは裏腹にリラックスできなかった。
馬車を運転していたカリフが口を開く。
「もう少し行けば目的地だ。そこで馬車を乗り換えてサロンに入ればいい」
「その時まで何事もなければいいですね」
小さな願いを込めて話すエレナの表情は重かった。
対抗家の素早い対処を見て、リアブリックの影がちらつくのだ。
流浪馬車が山腹に沿って登っていく。
首都の西側は森が険しくて人通りが少ない。
そのため街道はあまり整備されていなかった。
だからこそ、エレナはここを目的地に決めた。
密かに馬車を乗り換えるのも容易で、行跡を消すのも容易だから。
今頃は偽のLを乗せた豪華馬車が西部巡回日程を終えて目的地近郊に到着した頃だろう。
(もうすぐよ。堂々と私として生きていけるまで)
ようやくウンザリする殻を投げ捨てて、完全に自分の人生を取り戻す時間が近づいていた。
「お嬢様、身を隠してください」
「どうしたのですか?」
尋常でないヒュレルバードの発言に、エレナも一緒に緊張した。
「山腹の下で土埃が起きています。馬に乗っているようですが、どうやら追撃者がいるようです」
「確かなのですか?」
「はい」
「はぁ、尻尾を踏まれたわね」
エレナはもっと緻密でない自分を責める。
追撃者がいるということは、彼女が意識していないところで痕跡を残したという意味だったから。
言い換えれば、計画が完璧ではなかったという意味でもある。
「すぐ追いつくでしょう。中にいてください」
「気をつけてください。卿が犠牲になるのは望んでいません」
「私の体はお嬢様のものです。やむを得ず怪我をしたら、その時に許しを請います」
エレナはヒュレルバードの忠実な言葉に黙って首を横に振った。
氷の騎士が守ってくれるというのは嬉しいことだが、追撃者たちを考えると心が重い。
それはヒュレルバードも同じだった。
立ち上がる土埃から推測すると、追撃してくる騎士の数は少なくないだろう。
リアブリックの推理が的中しました。
ルーカス一人ならヒュレルバードで対処できると思いますが、複数、しかもエレナを守りながらでは流石に厳しいでしょう。
この危機をどうやって乗り越えるのでしょうか?
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