こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は265話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
265話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 文化消費
バシリカのオープンと相まって、サロン通り一帯には足の踏み場もないほど多くの人が集まった。
身分にこだわらず、誰もが自由に出入りできる距離なので、建国記念日に匹敵するほど混雑している。
「なんで建物がこんなに大きいの?皇居なの?」
「サロンもすごいのに、これはもっとすごい。しかも美しく、まるで聖堂みたいだ」
バシリカの雄大さに驚き圧倒された訪問者は、その面々に驚愕を禁じえなかった。
単純に巨大建築物に止まったのではなく、柱と中間に外部の窓と彫刻像を活用した外観の調和まで完璧だった。
「中も素晴らしい。みんな名匠や巨匠の声を聞く職人たちのブティックやショップだ」
「えっ、古本屋もある。それに、サロンと連携して定期的に巨匠たちの講義も行われる予定だって」
「まるで別世界のようです。あのお洒落なドレスデザインを見てください。ああ、天国があるとしたらここではないでしょうか?とてもワクワクしますね」
バシリカに入った訪問者は巨大な内部空間に驚き、階ごとに数えきれないほど密集した商店を見て二度驚いた。
ブティック、ショップ、書店、食堂、デザートカフェなど、すべての消費をバシリカ内で出来るのではないかと思うほどだ。
特にサロンを中心に左側の1棟には高級な商店が、右側の2棟には実利のある商店が入店しており、訪問客の性格と要求に応じて消費が可能になっている。
「これは夢か、現実なのか。あの列が見える?」
「見えていますよ」
本館の最上階に集まったエレナ一行は、窓からバシリカを出入りする人々を見て、中でも一番興奮していたのはカリフだった。
「あれが全部店に入るために並んでいるんだろう?この目で見ても信じられない」
喜びを見せているのはカリフだけではない。
エミリオも内心満足そうな笑みを浮かべており、唯一、ヒュレルバードだけが感情を表に出さず、無表情だった。
「高位貴族よりは下級貴族や学術院の学生、平民の方が多く訪れたようです」
エレナにも興奮した様子は全く感じられない。
高低のない落ち着いた声は、いつにも増して理性的だった。
カリフは飽き飽きしているかのように彼女を見る。
「お前はこんな中でもそんなことを分類しているのか?」
「分析は必須です。そうしてこそ明日に備えることができますから」
エレナは、バシリカの初開場日に高位貴族の訪問が低調になると見通していた。
ノブレス通りの早期開場と日付が重なるためだ。
(帝国の建国から共にした千年の牙城は無視できない)
認めるべきことは認めなければならない。
ノブレス通りは大公家が主体となって推進した事業だ。
それだけでも訪問意思が十分だが、貴族たちに配った招待状には、大公家を象徴する印章が押されている。
また、貴族のための街と言っているのだから、ノブレス通りが貴族の最初の選択肢になるのは当然のことだろう。
(最初から覚悟していたことよ。気にする必要はない)
エレナは淡々としていた。
大公家を狂ったように憎悪するが、彼らの象徴性は認めなければならない。
一朝一夕で押せるほど大公家は甘くない。
(でも、それも今日までよ。明日からは変わるから)
エレナの目には自信が溢れていた。
エレナはバシリカのオープン初日に文化鑑賞に見識を要するオペラ、ミュージカル、演奏会、または消費を要するファッションショーの代わりに、もっと直接的な演劇を前面に出して下級貴族と平民、学生たちを攻略した。
短い公演時間に比例して内容の理解が容易で、路上公演も多いだけに、もう少し親しく近づくという計算からだ。
「私が成功を確信する理由もそのためです」
「文化消費のことですね」
黙々としていたエミリオが割り込んできた。
「ええ、そうです」
「文化消費?何それ?」
カリフが瞬きすると、エレナの代わりにエミリオが説明する。
「人間の生存に必ずしも必要ではないが、人間だけが享受できる知的、創造的、感情的、そして精神的な充足をいう。演奏会に行き、ミュージカルを楽しみ、展示会を観覧するのも文化消費だね」
「私たちのサロンのことですね」
エレナが同調した。
「それを狙っていたのですから」
「君、まさか違うよね?サロンを建てた時からここまで見通していたなんて・・・」
「先輩、世の中に偶然はありません」
カリフは、あまりにも驚いて額に手をついた。
今から数年前、学術院時代に唐突な新入生が同業を提案した姿が通り過ぎる。
不可能に見えた計画は徐々に具体化し、サロンは帝国の文化の中心地となった。
目の前の女性が、その小柄で帝国を牛耳る大物になったのだ。
バシリカ開場も順調のようです。
勝負は二日目からですね!
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