影の皇妃

影の皇妃【273話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は273をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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273話 ネタバレ

影の皇妃【272話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は272話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 全面戦争

「お父様に告げて。言いたいことがあると」

ベロニカは日が昇るやいなや、フランチェ大公の執務室を訪れた。

一晩中熟が出て一睡もできなかったベロニカの目に真っ赤な血筋が目立っている。

本来の性格おりエレナを踏んでおくことができなかったという事実に腹が立つ一歩手前だった。

「申し訳ありません。大公殿下が誰も入れないでとおっしゃっていますので・・・」

フランチェ大公の直属の侍女長が低姿勢で了解を求める。

それさえもベロニカの目に障った。

自分の前で落ち込まず、きちんと返事をするのがエレナを思い出させる。

そして遅滞なく侍女長の頬を殴った。

どれほピ強く打ったのか、侍女長の頭が回ると同時にバランスを失った体が床に倒れた。

ベロニカは震える侍女長の頭をつかんだ。

「まったく話にならないけど?」

「わ、私はただ・・・」

侍女長の頭を投げつけたように、片方に押されてしまったベロニカが執務室に入る。

無礼極まりない言動だったが、誰もそんな彼女を制止できずに息を殺した。

「お父様、私です。お伝えしたいことが・・・、今何してるんですか?」

執務室に入ったベロニカの目が丸くなった。

シャツを緩くほどいたフランチェ大公が執務室の机に斜めに立っていて、その前に大きな革の袋が置かれていた。

その横に騎士ホランドが立っていたが、不思議なことに剣ではなく鉄のバットを持っている。

「誰も入れるなと言ったはずだが?」

「私は父の娘なので論外です。それよりも、それは誰ですか?」

ベロニカは厚かましく返事をし、革袋をあごで指差す。

鼻に残る生臭い血のにおいと袋のあちこちに付いている血痕、そして鉄の棒を見ると体罰中ではないかと思ったのだ。

「アセラスだ」

ベロニカの瞳が揺れた。

まさか大公家の実務の責任を負っているアセラスが、あの革袋の中で血だらけになるように殴られているとは思わなかった。

「ああ、公女殿下・・・」

「・・・」

案の定、革袋の中からアセラスの苦痛に満ちた声が聞こえてくる。

「サロンのことは・・・、私が独断で犯したのではなく・・・、公女殿下にやらされて・・・。うっ!た、助けて・・・!」

アセラスの哀願が煩わしく聞こえたのか、騎士ホランドが鉄のバットを無差別に振り回した。

悲鴫さえ出せずにもがいていたアセラスが失神したように微動だにしないと、ようやくホランドの手が止まる。

「犬のくせに、生意気なことをしたから罰を与えていた」

「生意気なことですか?」

「そうだよ。サロンの貴族たちを毒殺しようとしたんだから」

フランチェ大公が無頓着な目で口をつぐんでいるベロニカを凝覗した。

「あなたも知っていたことか?」

「いいえ、知らないことです」

ベロニカは表情一つ変えずに切り離す。

フランチェ大公も小さくうなずくだけで、それと関連した話をこれ以上聞かなかった。

それが彼らのやり方だった。

果たしてフランチェ大公がベロニカがさせたことだということを知らなかっただろうか?

知っている、知っているが責任を問わない。

死罪を受ける重罪を犯したとしても、彼らは高貴な血統という理由で免罪符を持っているのだから。

誰が彼らに責任を問うことができるだろうか。

責任は常に家臣たちにある。

不当だといってもかまわない。

成功と野望を達成するために大公家に足を踏み入れたいと思う人材は溢れていた。

「自重しろと言ったのに。私の言うことに従わない人間を下に置く必要はない」

「私の考えも同じです。与えられたポジションに比べて能力が優れているわけではありません」

ベロニカが「知らんぷり」をしただけでは足りず、「無能力だ」と指摘すると、アセラスの体がぎくりと動いた。

言いたいことはたくさんあったが、ホランドが怖くて言葉を飲み込んだ。

「緊要な話というのは何か?」

「Lが誰だか知っていますか?」

フランチェ大公はぶっきらぽうに答えた。

「君の代役だろう?」

「お話をお聞きになったんですね」

フランチェ大公は何事にも関心がないように見えるが、帝国内公についてよく知っていた。

ただし、細々とした仕事は家臣たちに任せて介入をすることはない。

大公家という巨大な家門を運営する彼の方式だ。

「あなたに似た外見。これまでLが我々に見せた敵対的な行動。これ以上疑う理由はない」

「ご存知だなんて、会話が旱いですね。このままにしておくんですか?」

ベロニカの目は憎しみで輝いていた。

昨日の事はベロニカのプライドに洗われる数え切れないほとの恥辱と侮辱を残した。

その鬱憤はエレナを噛んだり殺したりしても解けないほど深い。

「放っておかないと?」

「除去しないと」

ベロニカは敵意を隠さなかった。

「時ではない。手を出すには大きすぎた」

「お父様!」

フランチェ大公は無味乾燥な目つきでベロニカを見る。

無心さの裏には、毒中毒になって生死を行き来していた娘に向けた哀れさと、この3年間意識がなくて成長できなかった彼女の精神年齢に対する物足りなさが濃く残っていた。

「長く言わないで。「あなた」はノブレス通りにだけ気を使いなさい」

「理解できません。つまらない名分を一つつけてサロンを掃けばいいじゃないですか」

「その名分がない」

フランチェ大公はきっばりと言った。

「Lは皇室の庇護を受けている。殻だけ残ったとしても皇室はその存在だけでも邪魔な対象だ。そしてLが社交界に築いてきた評判と支持はそれほど容易ではない」

「評判ですか?私が潰してしまいます。噂を広めて、けちをつければ奈落に落とすことができます」

「ベロニカ」

低く敷かれたフランチェ大公の視線に向き合ったベロニカの顔が固まる。

氷河のように無心に見える目に込められた不気味さは、血筋であるベロニカが一度も見たことのない姿だった。

「Lは君の手を離れた」

「で、でも!」

ベロニカは唇をかみしめる。

もっと.問い詰めたかったが、それができないのはフランチェ大公の怒りを買うのではないかと思ったからだった。

彼女に限りなく寛大なフランチェ大公だが、一線を引けばそれ以上の反抗は許さなかった。

 



 

コンコン。

ノックの音と同時に緊迫した声が聞こえた。

「大公殿下、アルディールです」

「朝からお客さんが多いね」

フランチェ大公があごを使うと、騎士ホランドが代わりにドアを開けた。

どれだけ緊急なことなのか、アルディールは執務室の雰囲気を把握する余裕もなく訴える。

「た、大公殿下、大変なことになりました」

「最近は毎日のように大変なことが起きるようだ」

フランチェ大公は斜めに寄りかかって目を見上げた。

何の話なのか言ってみろという意味だ。

「皇居近衛隊が解散されたそうです」

「え?」

フランチェ大公の瞳が一瞬だったが、細く揺れる。

「昨夜、皇太子が奇襲的に近衛本部を掌握し、観閲式を口実に宮殿に入る近衛隊員の爵位をすべて剥奪したそうです」

「続けて」

「皇帝陛下が直接選んだ新しい近衛隊員がその代わりをすると宣言しました。任命式も略式で終え、新しい近衛大将の座には皇太子殿下を任命しました」

衝撃的な知らせを間いたフランチェ大公は口を固く閉ざした。

皇居近衛隊は皇室の力を象徴する。

皇室を無力化するためにフランチェ大公が一番先に手をつけたのも皇居近衛隊だ。

実質的な武力集団の意味より、名誉職のイメージを強調し、無能な貴族の子弟を入団させたのもそのため。

存在はするものの、有名無実な集団に転落させようとしたのである。

ところが、そんな皇宮近衛隊を解散させ、新たに創設したという。

さらに、次期皇位を継ぐ皇太子シアンを近衛大将に任命した。

これは皇権を強化するという明白な意志であり、このすべてのことを主導した大公家に向けた宣戦布告だった。

「私が人違いをしたようだね」

フランチェ大公が自嘲的に笑って片眼鏡をかける。

リチャード皇帝、実に弱い皇族だった。

それほど賢くもなく、決断力もなく、体も弱い。

案山子として掲げるに極まるふさわしい人物だった。

その予測は的中し、皇位にいた数十年間、フランチェ大公の一言で死ぬふりまでするほど従順だった。

そんな彼が最近になって少しずつフランチェ大公の言葉に不服する気配を見せ、ついに隠しておいた牙を表わしたのだ。

「直ちに措置を取らなければなりません。貴族の世論を集めて不当さを主張して皇室を圧迫し・・・」

「そこまで」

フランチェ大公はきっばりとアルディールの意見を遮る。

「今になって動いても変えることはない」

「でも、今からでも何かに備えなければならないじゃないですか」

ベロニカまで心配なのか前に出て話したが、フランチェ大公の反応は他人事のように無関心だった。

「流れる水路を変えることはできないものだ。そのまま流れるようにしてくれ」

「・・・」

「お父様!」

アルディールは沈黙で、ベロニカは声を高めてフランチェ大公の意思に反発した。

「一人でいたいな。みんな出て行って」

フランチェ大公は向きを変えて窓際のガラス張りに歩いた。

手を後ろに組んで立っている姿は、誰とも対話をしたくないという意味だったため、アルディールとベロニカは執務室を出た。

騎士ホランドも革袋を持って静かに出て行く。

 



 

一人残されたフランチェ大公は、窓ガラスに映った自分の姿を見ながらつぶやいた。

「歳月が本当にたくさん流れました。その長い年月が人を変えるだけの十分な時間のようですね、皇帝陛下」

秀麗だった彼の金髪は、歳月に耐え切れず白くなった。

猫の前のネズミのようにフランチェ大公の顔色だけをうかがうのに汲々としていたリチャード皇帝がじっと我慢していた反抗心を表わすほと長い時間。

「ところがですね、陛下」

フランチェ大公の口元に笑みが浮かんだ。

「残りの人生、もう少しの辛抱ですか?」

リチャード皇帝の宣戦布告は、数十年間倦怠感に浸っていた彼の野性と本性を目覚めさせた。

帝国の歴史を通じて最悪と呼ばれた男、フランチェ大公。

その危険な男が再び動き出そうとしていた。

 



 

ついにフランチェ大公が動き出します。

エレナの復讐は成功するのでしょうか?

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