こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は31話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
31話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- マダムの訪問
4日が過ぎた。
公式的な訪問要請がマダム・ド・プランローズから届く。
形式的な理由は、宴会で貰ったハンカチのお返しだと言う。
マダムの訪問要請にリアブリックは苦心した。
色々な面で不十分なことが多いエレナなので、礼法と礼儀、教養に明るいマダム・ド・プランローズとの接触は最大限避けたかった。
しかし、それ以上に大きいメリットもある。
現ベロニカ公女は2年ぶりに社交界に再登場した。
健在であることを見せつけたにもかかわらず、デマは依然として出回っている。
このような状況で「マダム・ド・プランローズ」の訪問が与える意味は大きかった。
貴族なら誰でも彼女を招いて交流したがっていたが、マダム・ド・プランローズは誰とも会わなかった。
それは大公家と言えども違いはない。
貴族的な基準に満たないと判断したら、マダム・ド・プランローズは大公家だとしても絶対に交流しない。
そんな彼女はベロニカ公女に会うために大公家を訪れるというのだ。
これは、この上なく良い機会。
名望高いマダム・ド・プランローズとの交流を行うだけでも、これまでに失われた評判と威信、そして信望がついて回るだろう。
(まさかエレナがこんな大物を釣るなんて・・・)
リアブリックは高級な羊皮紙を取り出し、一筆書きで文字を書き下ろした。
「マダム・ド・プランローズの訪問を歓迎する」と言う挨拶と訪問可能な日付を明示した。
- マダムの訪問
それから4日後。
マダム・ド・プランローズは正式に大公家を訪れた。
「プランローズより公女殿下にご挨拶申し上げます」
「いらっしゃいませ、マダム」
エレナは控えめな礼法でお礼を言った。
「リアブリック子爵もお出でだったのですね」
「マダムが直接お目にかかりたいと思いましたので。こちらへどうぞ、東洋から届いたお茶を用意しております」
3人は応接間に足を運んだ。
マダム・ド・プランローズは周辺を見回すだけで、口を固く閉じている。
そして、エレナの視線が当たると、彼女の目が揺れた。
(そのままで大丈夫です。そうすればマダム・ド・プランローズの心配することは起きないのだから)
あえて言わなくても目だけでエレナの本心を察知したマダム・ド・プランローズは小さくうなずいた。
応接間に移った3人は、お茶を飲みながら、くだらない話を交わす。
主にリアブリックが対話を主導し、エレナとマダム・ド・プランローズが相槌を打つような形で。
ある程度雰囲気が盛り上がると、エレナはティーカップを口に運びリアブリックを見る。
(そろそろ邪魔をしてみようかな)
まだ温もりが残っている小さなコップを、リアブリックの方へと傾ける。
流れ落ちた液体が、彼女のスカートを汚した。
「ご、ごめんなさい、リブ」
慌てたエレナはハンカチを取り出してスカートを拭く。
「大丈夫です、公女殿下。着替えればいいだけですので、気にしないでください」
リアブリックは怒りの感情を上手に抑え、何事もなかったように笑った。
「マダム、ちょっと席を空けなければならないのですが、宜しいでしょうか?」
「もちろんです。公女殿下とお話させていただいてますね」
了承を得たリアブリックは急いで応接間を通り抜けた。
- エレナの要求
リアブリックを追い出すと、エレナの表情と態度は変わった。
惚けた姿は影も形もなく、貴婦人の姿でマダムに接する。
「どうお過ごしでしたか?」
マダム・ド・プランローズは緊張した。
「・・・元気でしたよ」
「それは意外ですね。私は元気じゃないと思っていましたから」
「僭越ながら私は醜聞に流されるほど軽い女ではないので」
マダム・ド・プランローズは、しらばくれると同時にエレナのことを探り、彼女の反応を見た。
「もちろん、マダムを軽いと思う人はいないでしょう。私はただ聞きかじった話を一人で騒いでいるだけですので」
「・・・」
「節操で有名な妻が不倫をして、主に愛を交わした場所が馬小屋だとは・・・」
マダム・ド・プランローズは蒼白になる。
わざと平気なふりをしようとしたが、震える唇を隠すことは出来なかった。
「実に大胆ですよね。身体が不自由な夫を薬で寝かせておいて、部屋に使用人を呼び寄せたそうです。すぐ隣に夫が寝ていたにもかかわらず」
「やめて」
プランローズが震える声で哀願した。
姦通罪を犯した時は気づかなかったが、自分がやったことを他人から聞くのは恥でしかなかったから。
「どうしたのですか、マダム?まだお話ししたいことは沢山ありますが」
「もう結構です・・・」
マダム・ド・プランローズは絶望した。
「・・・な、何でも言われた通りにします。だからこの話は黙っていてください」
「あら、どうしたのですか?」
「どうかお願いします、公女殿下」
彼女は頭を下げて哀願する。
エレナは彼女の不倫について騒ぐ気はなかった。
これ以上話しても、自分の口が汚れるだけなのだから。
「聞くところによると、マダムは聡明な侍女をお持ちだそうですが?」
「侍女とは誰のことでしょうか?」
「確か・・・、名前はメイだったと」
「あ!私の直属の侍女の中にメイという子がいます。彼女がどうされたのですか?」
エレナはにっこり笑った。
「その子を私にちょうだい」
「メイを?」
マダム・ド・プランローズはその発言をどう理解していいか分からなかった。
姦通事実を知った以上、エレナは彼女の首輪を握ったと言っても過言ではないのだから。
それが、たかが侍女を渡すだけとは・・・。
しかし、彼女には選択権はない。
「あの子を行かせたら、私の背徳を知らないふりをしてくれるという事でしょうか?」
エレナは笑みを深める。
「大公家の名誉にかけて約束しましょう。何でしたら、書類で残して差し上げましょうか?」
マダム・ド・プランローズはすべての頭脳を稼働して悩む。
「いいえ、公女様の約束を信じさせていただきます」
「賢明な判断ですね」
取引が成立したエレナはコップを口元に運んだ。
「リアブリックにはハンカチのお礼に、私にその子を送ったと言えば良いでしょう」
「ああ、公女殿下・・・」
「これからも親しく付き合いましょうね、マダム」
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