こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は33話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
33話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 復讐への誘い
「こっちに来なさい」
エレナの呼びかけにメイが近づいた。
一定の歩幅、崩れない肩のライン。
一介の侍女とは思えない完璧な足取りで、エレナの前に立つ。
「ベロニカ公女殿下にご挨拶申し上げます。メイと言います」
お辞儀の形も、そこいらにいる貴族令嬢に劣っていない。
「マダムがあなたのことを褒めていましたよ」
「まだまだです」
エレナは謙虚なメイをじっと見つめた。
彼女は細身であらゆる苦難と逆境を克服し、フランツェ大公を暗殺しようとしているのだ。
「気にならない?どうしてあなたが大公家に来ることになったのか」
「奥様が推薦してくださったと」
メイの答えは形式的だった。
社交界では、プランローズの侍女たちは有名だ。
マダムの教育を受けているだけに侍女としての身だしなみや、姿勢が正しいから。
メイが自分が大公家に来た理由も、そのためだろうと推測していた。
「いいえ、私がマダムに頼んだのよ。あなたを送ってくださいと」
「・・・!」
メイの瞳孔に波紋が広がる。
本能的にエレナが投げかけた言葉が尋常ではないことを感じたから。
けれど、彼女の真意までは理解できていない。
口元に笑みが溢れる。
「聞いていないのね。私がどうしてあなたを送ってくれと言ったのか。どうして私があなたの事を知っていたのか」
「それは・・・」
「誰でも胸の中には剣を隠して生きているものよ」
「私は鈍感ですので、公女殿下の言葉が理解できません」
なるほど。
確かに彼女の姿勢は、多くの貴族に好まれるだろう。
自分を低く見せて、相手をおだてる姿勢。
「計り知れないというのなら、あなたの胸の中にある剣が誰を狙っているのか、私が当ててみせようか?」
「何を言っているのか・・・」
「大公家」
「・・・!」
メイの心臓は爆発したかのように狂い出した。
全身の神経がピリピリするような感覚に陥る。
このような状況になるとは全く予想できなかった。
彼女はどのように対処すべきか、判断を下すことが出来ずにいる。
エレナは満面の笑みを浮かべて、ゆっくりとお茶を飲む。
それに対し、メイは背筋から冷や汗が流れていた。
(どうしよう?)
エレナがどうやって自分のことを知ったのかは重要ではない、疑われていることが重要なのだから。
大公家に来た不純な心意を知られた以上、生きてここを抜け出す確率は0に近いだろう。
(どうせなら、公女だけでも・・・!)
全てを手放そうとしたメイの目に、殺気が溢れた。
復讐には失敗するが、フランツェ大公が両親を殺したように、自分も彼の血縁である彼女をあの世に連れていくつもりだ。
「それがあなたの選択?」
本音を読んだかのように、エレナは言葉を投げかける。
「豚の代わりに鳥を殺すつもり?ここまで苦労したのに」
「・・・」
「むしろ、私を利用するのはどうかしら?」
一体何を言っているのだろうか?
親を殺そうとしているのに、その子供を利用しろと言うのか?
「世の中には親を憎む子供もいるのよ」
「・・・!」
エレナはカップをテーブルに置いて、意味ありげに笑う。
メイはしばらくの間、その場を離れることが出来ずにいた。
- 学術院へ
「明後日、学術院に行くのかい?」
「はい、お父様」
エレナはフランツェ大公の質問に、穏やかに答える。
「2年ぶりの復学だね。勉学の方は大丈夫かい?」
「休んでいる間に、リブが教えてくれましたので」
大公はリアブリックの方を向く。
「ご苦労だった」
「当然するべきことをしただけです」
(しばらくの間は、あの嫌な顔を見ずに済むわね)
特別な理由がない限り、彼らとばったり会うことはないだろう。
リアブリックの監視が疎かになる隙を狙って、大公家を取り壊す基盤を固める計画だ。
(早期卒業を考慮すれば、私に与えられた時間はせいぜい一年程度・・・)
復讐の成否は、この一年で決まると言っても過言ではない。
- リアブリックへの交渉
食事を形式的に済ませた後、エレナとリアブリックは別の部屋に移動した。
明日出発する前の最終確認を行うため。
「毎回同じことを言いますが、常に常に気を張りつめてください。もし手に負えないことがあれば、一人で処理しようとはせず、私に知らせるように」
「もちろんです、リブ。あまり心配しないで下さい」
頼もしく見えるはずなのに、リアブリックは気苦労が絶えなかった。
(はぁ・・・。ローレンツ卿を付けていれば、こんなに苦労しなかったのに)
「侍女はアンとルナリンを連れて行ってください」
リアブリックの話し方は「命令」に近かった。
「リブ、その・・・。アンは大丈夫なのですが・・・、ルナリンではなくメイを連れて行ってもいいですか?」
「メイをですか?」
「彼女、マダムの下で仕事を習ったせいか、とても素晴らしいのです」
あまり気に入らなかったが、マダムとの親交も考えると悪くない提案だった。
(アンを連れて行けば、どうにでもなるわ)
「分かりました。メイを連れて行ってください」
「リブなら理解してくれると思いました。ありがとう!」
エレナは子供のように喜ぶ。
(本当はアンも引き離したいけど、無理矢理外すのは危険よね)
この部分は辛抱するが、その代わり、彼女にはそれ相応の罰を与えるつもりだ。
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