影の皇妃

影の皇妃【38話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は38をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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38話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 全てへの失望

このような反応は予測できなかったのか、淡々としていたラファエルの目が揺れる。

「具体的にどこが気に入らないのですか?」

「私が欲しいのは、こんな絵じゃありません」

「・・・」

「この肖像画は嘘です」

エレナはキャンパスに描かれた自分の肖像画を特定する。

「この中に描かれた女性も、又、これを描いたあなたの画風も」

「・・・!」

画風を指摘すると、ラファエルは眉をひそめた。

画風は画家固有のもの。

それを否定されて愉快なはずがなかった。

「私だけがそう感じるのかしら?」

「・・・」

「私が見たかったのは、あなたの本当の絵なのです」

ラファエルはその言葉に反論できない。

この上なく辛辣な評価を残したエレナは、躊躇うことなく背を向けた。

(こんな姿を期待していたわけじゃないのに・・・)

記憶の中のラファエルは、絵画に対するプライドが強く、芸術に対する信念を持ち合わせた男。

皇妃時代、外観だけを描こうとしたエレナを毎回叱るほど、自身の美学に確固たる自信を抱いていた。

そのためだろうか・・・。

ここに来るまでの間、エレナは彼への期待に満ちていた。

ラファエルの絵画は見るだけでも復讐に疲れた私の心を癒してくれると。

しかし、実際に見た彼の絵はあまりにも残念な出来。

(実力が足りないのかも・・・。彼はまだ若い)

エレナが本当に腹を立てたのは、ラファエルが皇居で自分に言ったことと違うことをしていたから。

『ただ人によく見せて売るための絵は、絵ではない』

彼が最も軽蔑していた心のこもっていない絵を、今彼が描いている。

全てに失望した。

 



 

  • ラファエルの困惑

(今日は帰ろう)

復讐のために、ラファエルは必ず必要な存在だ。

しかし、今日はこれ以上彼に会いたくなかった。

ラファエルは遠ざかるエレナから目が離せずにいる。

そのまま彼は、エレナの手首を掴んだ。

「あっ!」

彼女が困惑して振り返ると、ラファエルはじっと見つめていた。

「あなたは誰?」

「放っておいてください」

「何で私の絵について全部知っているように話すの?」

エレナは手首を掴まれたまま、負けじとラファエルを睨みつける。

「言ったじゃないですか。あなたの本物の画風が見たいって」

「私の絵を見たこともないのに、どうして分かる?どういう基準で?」

ラファエルはかなり興奮していた。

彼が平凡で大衆的な画風で、依頼者が好みそうな要素を入れて描いたのは事実。

そうしてこそお金を稼ぐことが出来るから。

彼はまだ自分のアイデンティティを完全に確立できていない。

ところが、この女性はそんなラファエルの絵が偽物だと言った。

まるで、彼の本物の絵を見たかのように。

「窮屈だから。不便だから。駄々をこねているように見えます」

「・・・!」

「これでいいでしょう。離してください」

エレナは力を入れて、激しくラファエルの手を振り切った。

そして、赤く晴れている手首を撫でながら、横目で視線を逸らして振り返る。

遅ればせながら、自分が行った過ちに彼は気づいた。

「一つだけ。名前を教えていただいても?さっきの事は謝ります。だから・・・」

「知りたいのですか?じゃあ、そこまで悩んでみてください」

エレナはそう言い残し、冷たく立ち去った。

ラファエルは遠ざかるエレナを見て、一歩も動けずにいる。

頭の中で、彼女の言った言葉がぐるぐる回る。

呆然としていた彼が口を開いたのは、かなり時間が経ってからだった。

「私は何を描いていたのだろうか?」

 



 

  • 開講

学術院が開講した。

リアブリックは休学で取れなかった2年分の単位をエレナに取って欲しかった。

学術院人脈と卒業証書も大事だが、この時間を無駄にするのは非効率だと考えたから。

しかし、それは今後の話。

今のエレナは専攻授業を除いて、単位履修のための教養科目まで強制的に受講せざるを得ない状況だった。

「大陸史」の講義にエレナが登場すると、平民たちは彼女から目が離せなかった。

(殻だけの公女なのにね・・・)

「ベロニカ公女」という身分と名前だけで、彼らが敬う人になってしまうとは皮肉な話だ。

まもなく講義が開始されようとしたとき。

一人の生徒に視線が集中する。

「やっぱり下のものは情熱からして特別だな。どうにか這いあがろうとする匂いがプンプンするぜ」

癖毛で不良の印象をもつレン。

彼は講義の準備をしていた学生たちに向かって拍手をし、皮肉を言った。

レンを見る学生たちの表情が絶望感に襲われる。

学術院で最高の暴れん坊と呼ばれるレンを知らない学生がいないから。

彼のプレッシャーに耐えきれず、学術院を離れた学生は、昨年だけで10人近くいた。

エレナの表情も良くない。

素振りには見せていないが、予期せぬレンの登場に困惑していた。

(どうして?レンはこの講義を受けなかったはず)

認めざるを得なかった。

過去の人生と現実が変わったということを。

捻れてしまったレンとの初めての出会いがこういう結果に繋がり、新たなイバラの道が開かれようとしていた。

レンがニヤニヤしながら近づいてくる。

彼はエレナの隣に座っていた学生の机に腰掛けた。

「他のところに空席が多いな」

「え?こ、ここに座ってください」

露骨な脅迫に怯えた男子学生がすぐに席を移動する。

空席に座ったレンが、捻くれた姿勢でエレナを見つめる。

「お前のその表情分かるぞ」

「・・・」

「会えて嬉しい時の表情だよな?」

レンがニヤリと笑う。

まるでエレナの反応を楽しんでいるように。

冷ややかな表情で彼を見る。

「偶然じゃないわよね?」

「偶然さ。計画的な偶然!」

何がそんなに楽しいのだろうか?

彼の笑顔は、困っている姿を楽しんでいるような悪質な表情だ。

この嬉しくない再会にエレナは平静を保つのに苦労する。

気にはなるが、自分が代役であることをレンが知らない限り、エレナに振り回される理由はない。

それを自覚すると気が楽になった。

「その計画的な偶然に、学生の本分も含まれていることを願うわ」

エレナは無味乾燥い話しかけてから視線を背ける。

なぜなら、教授が講義室に入ってきたのだから。

これ以上対話を続けられないと判断し、レンは舌打ちをしながら腕を組む。

それでも視線はエレナから外れることはなかった。

 



 

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