こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は95話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
95話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 大公家の闇
「疲れた・・・」
サロンを出たエレナが馬車に乗って大公家に戻る。
サロンの主人Lとして初めて人前に立つだけでも大きな勇気が必要だったのに、その多くの人の前で熾烈な公開討論までしたので、疲労困憊でもおかしくはい。
「満足な一日だったわ」
ベロニカの代役として生きていくのではなく、自分の人生を完全に生き抜くという考えを抱けたのだ。
「お疲れ様です、お嬢様」
「メイ、あなたも疲れているでしょ?揉まなくてもいいのよ」
メイは、一日中靴を履いていたエレナの足を揉んでいた。
「私は何もしておりません。お嬢様は今日、とても大変だったはずです」
「ありがとう」
彼女の気持ちにそっぽを向かずに受け入れる。
おかげで、緊張していた体が少し楽になり、ふと両親のことを思い出す。
エレナの計画通りならば、今頃3カ国連合の基礎を固めていなければならなかった。
しかし、不慣れな他国で無事に過ごしているか分からない。
(必ず会うと約束したじゃない。もうちょっと待ってて、復讐が終わったら迎えに行くから)
急に馬車の速度が著しく落ちて止まる。
窓の外を見ると、大公家の正門の前で、男が短刀を振り回していた。
馬車から降りるヒュレルバードに尋ねる。
「どうしたの?」
「誰かが暴れているようです。お嬢様は、ドアを閉めて馬車の中から出ないでください」
正直怖くはなかった。
目の前が大公家でもあり、「帝国の剣」と呼ばれたヒュレルバードがそばにいるので心配することはなかったのだ。
「酔客かしら?」
目つきを細めて男を注意深く見る。
服装や靴だけを見れば貴族のようだ。
「うわぁ!」
男は悲鳴を上げて、狂ったように短剣を振り回す。
「あっち行け!この怪物!私の目の前から消えろ!」
男は涎を垂らしながら暴れている。
そして、急に気が狂ったかのように笑い出した。
「へへ。私にお金がないから?くれって!くれないの?ずっとくれないのか?私は全て知っているんだ!ぎゃああ!!」
男の最後のあがきは続かなった。
突然現れたローレンツの剣が、男の背中を切り裂いたから。
「・・・!」
血が飛び散ると、エレナの心臓がドキッとする。
過去の人生でローレンツに殺されたことを思い出して、額から冷や汗が流れた。
「お嬢様、顔色が悪いです」
「ええ、大丈夫よ」
不幸中の幸いといえば、ローレンツの背後しか見ることが出来なかったことだろう。
正面から見ていれば、ショックで意識が遠のいていたかもしれない。
「整理されましたので、出発いたします」
ヒュレルバードが状況を終わったことを知らせる。
目を閉じて心を鎮め、男が死ぬ前に言った言葉と姿を思い浮かべる。
(アヘン中毒者)
エレナは、かつてアヘン中毒者を見たことがあった。
有名な伯爵家の次男だったが、立派な顔立ちと話術に長けていたので社交会で人気が高かった。
ところが、あるきっかけでアヘンに手を出し、伯爵家の資産を密かに処分してアヘンを購入したが追い出されたのだ。
そのときの錯乱状態と非常に酷似している。
(アヘン中毒者が大公家の前で乱暴に振る舞う・・・)
まだ断言できないが、大公家がアヘンと関連していると強く感じる。
考えを整理している間に馬車が到着した。
「休みたいわね・・・」
エレナが寝室に向かう途中、アンが遠くから走ってくるのが見えた。
「はあ、はあ、お嬢様」
「どうしたの?」
彼女は荒い息を吐きながら答える。
応接室にレン様がいらっしゃっています!
「え?」
「昼間から訪問されて、今まで待っていたのです」
「はあ・・・」
ため息をつく。
レンのことを考えると頭がクラクラした。
「リブは?」
「それが・・・、子爵様はお昼から急を要する公務で外出中です」
よりによってリアブリックが席を外していたとは。
フランツェ大公まで不在の状況なので、レンを制裁する人物が大公家にいなかったのだ。
「案内しなさい」
「はい、お嬢様」
今まで待っていたのならレンの性格上、そのまま帰ることはないだろう。
ドアを開けて、応接間に入る。
「やあ、いつぶりだい?」
「さあ?」
相手をする気力もないので、ソファに気怠げに座り込む。
顔を上げると、レンと視線が合った。
彼はあごを支えて座ったまま、じっとエレナの顔を見つめている。
(何?いじめる方法を変えたの?)
レンは忍耐力の強い性格ではない。
同じ言いがかりを何度もするような男だった。
それにもかかわらず、彼は数分間エレナの顔をじっと見つめたまま動かない。
(こっちの方が不安になるわね・・・)
喧嘩を売ってきた方が気が楽だと思って、エレナが何かを言おうとしたとき。
「青白い顔をしている」
「・・・」
「どこか痛いのか?」
レンの突然の質問に眉をひそめる。
「私を訪ねてきた用件は何?早く話してちょうだい」
「さっき話したけど?」
「覚えていないわ」
「よく考えてみな」
「・・・」
いっそのこと、露骨に敵意を見せるレンの方が、相手にしやすい気がする。
「ああ、スッキリした。思う存分見たからもう行くよ」
「え?」
エレナは、背伸びをしながら起き上がるレンをぼんやりと見上げた。
「今まで待っていたのにもう帰るの?」
「君のことを配慮するよ」
「・・・」
「よく食べて、よく寝てね」
最後に、ドアの方に歩いたレンが、頭上で手を降り、応接間を出て行った。
大公家の闇はかなり深いですね。
しかし、この事実を突き止めることができれば、エレナにとって有利なのでは?
久しぶりのレンの登場。
正体をバレされると思っていましたが、彼の目的が分かりませんね。
本当にエレナの顔を見にきただけなのでしょうか?
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