ジャンル、変えさせて頂きます！【９３話】ネタバレ

本来なら王も先王の提案を受け、リューディガーと私の結婚を妨害するつもりで甘んじていただろう。

ジョゼフィンの花婿として、相変わらずリューディガーを欲しがっていたから。

表に出さないようにしたようだが、声に未練がぽたぽたついているので、気づかざるを得なかった。

しかし、それはすべて終わったこと。

シャルロットが連れ出されたことに憤慨したからだ。

私とリューデイガーを引き裂こうとしたが、罪のないシャルロットがルカと結婚することになったので、邪魔を続けることができなくなったのだ。

シャルロットの件で他の王族も背を向けた。

結局、先王は王の助けも、誰の助けも受けられなくなった状況だ。

国王に叱られたことでしばらく勢いが鈍ったものの、「あの」先王ではないか。

周りを気にすることはそれほど長くは続かなかった。

すぐに気を回復した先王は、引き続き私とリューディガーを妨害するための方案を探す
ために頭を転がしている。

「ああ、じれったい・・・」

気持ちだけは、リューディガーと駆け落ちでもしたいほどだった。

でも・・・。

「そうして先王のトラウマが再発したりすると、おばあさんをあのように送ったことで歯ぎしりをしているのに、私を簡単に手放すはずがない。軍人を釈放してでも追えばよかった。しかもルカの保護者が二人とも蒸発するじゃん。フランツが両目を真っ青にしているから、それはできない」

私はため息をつく。

状況は思わしくなかった。

「もう少し手加減してよ・・・」

先王は、私がここまで気を使ってくれることを知っているだろうか。

私は首を横に振る。

決して分かってくれる人たちではない。

もちろん、このままおとなしく引き下がるつもりも、じっとしているつもりもなかった。

リューディガーのプロポーズを受けた後その気持ちはさらに確固たるものになっている。

「私がこのままじっとしていたら・・・リューディガーは、もっとエスカレートするはず」

それは確信に近い推測だ。

「やっぱり一旦フランツを処理しないと・・・」

イザベラが尋ねてきた情報をどのように使うだろうか。

やはり一番簡単なのはロイテンの場合のように強制的にリューディガーと決闘させることだが、今まで見てきた決闘は何の考えもなく、自分の気分に障ると勝手にやらかすことのように見えた。

しかし、それなりに貴族が自分の名誉を守るための手段だった。

だから何の理由もなく勝手に決闘させることもできないし、フランツが断れない状況になるように勝負をつけること。

「私を餌にする？どうせ捨てた評判だし・・・」

そう悩んでいる途中、突然ビクトリアがやってきた。

普段の余裕が漂う雰囲気とは違って、ビクトリアの顔は深刻に固まっている。

「ちょっと手伝ってほしいんだ」

「私がですか？」

私は目を大きく開けて尋ねた。

ビクトリアが私を助けてくれれば助けてくれたが、私がビクトリアを助けることができることがなかなか分からなかった。．

ビクトリアに今まで助けてもらったことが多いし・・・どんなことでも積極的に取り組まなければならない。

私は快く答えた。

「私にできることなら何でも」

「じゃあ、シャルロットと話をしてくれない？」

「シャルロット王女様ですか？私がですか？」

私はびっくりした。

ビクトリアの悩みの相手がシャルロットというのはそれほどおかしくなかったが、私に対話を頼んだのは全く見当がつかないことだ。

「うん。なかなかルカとの婚約を諦めない勢いだよ。意地を張ってるんだ。だからと言ってルカがそこまで好きなようでもないように見えるし・・・」

ビクトリアは眉をひそめ、指先で頬を軽くたたいた。

焦っているように見える行動一つ一つでも相手がそれとなく顔色を伺わせるような気がする王の威厳が漂っていた。

「絶対に他の企みがある。でも、いくら聞いても答えてくれない」

「ですが、私が話を交わしたとしても、果たしてできるのでしょうか？正直に言って、私は何度か顔を合わせた、本当に何でもない間柄じゃないですか。シャルロット王女様とは王宮の宴会の前に一度だけ話しかけたのが全部です」

「私たちは実の姉妹だから、もっと本音を打ち明けないのかもしれないから。むしろ親しくない君にもっと易しく言うこともできるだろう」

ビクトリアはそう言ったが、私は懐疑的だ。

むしろ私が下手に出てきて、訳もなく導火線に火をつけることになるのではないかという憂慮もある。

しかし、ビクトリアは私を繰り返し説得した。

「それに君はルカ・ヴィンターヴァルトの母親に他ならない。現在シャルロットがルカとの婚約を主張しているから、君が前に出た方がよさそうだね」

あの、まるで姑の立場でめちゃくちゃにしろという意味のように聞こえますが・・・。

「ちょっと険しくしてもいい。あの意地をぺたりと折ってあげるだけでいいから」

いや、あんなに綺麗で優しい王女にどうやって乱暴に振る舞うんですか！

私はビクトリアを馬鹿げて見ていたが，ビクトリアはシャルロットの反抗期にショックを受けたかのようにぼうっとしている。

「もともといい子なのに。なんで急に・・・」

低いため息とともにささやく声には力がなかった。

額に手をついて首を横に振る彼女には、おのずと深い疲労感が感じられる。

ビクトリアは非常に心配しているので、私はまずそれについて話すつもりだ首を縦に振るしかなかった。

（そうだよ、ルカがシャルロットと婚約するなんてとんでもないことだ。大騒ぎをしたが、ルカのことを考えてでもこの婚約は防がないと。・・・はあ、私はこんなに協力的なのにね）

私は内心で舌打ちをした。

私がこうだったとし、ルカに恩着せがましくしてみようかという気もする。

しかし、すぐに首を横に振った。

まさか本当に婚約させるつもりだったのかと、叔母になって当然防がなければならないのではないかと厚かましく主張するルカの姿が目に浮かぶから。