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5話




 

こんにちは、ピッコです。

今回はをまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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5話

4話 こんにちは、ピッコです。 今回は4話をまとめました。 ネタバレあ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • プロローグ⑤

「王女?」

とめどなく吐き出す言葉を聞き取れたのか、リフタンが鋭く反問した。

マックはすすり泣きを飲み込んでやっと頷く。

驚いた顔で瞬きをしていた彼は、すぐに状況を理解したのか悪口を言って頭を荒々しく掃いた。

「とんでもない噂ばかり広めやがって・・・」

それから彼女をシーツごと抱きしめ、ベッドの上に腰掛ける。

マックが驚いて足をバタつかせるが、リフタンは気にせずに彼女を膝の上に置き、両手で顔を包んだ。

彼の湿った舌が目の周りに溜まっていた涙を舐める。

熱い息が頬と唇をくすぐる感覚。

リフタンはマックの腰に片腕を巻き付け、ため息をついた。

「何のデマを聞いたか分からないが、その提案はとっくに断っている」

「えっ、断ったのですか?」

驚いて目を丸くすると、彼はカッと声を上げる。

「当たり前だ!そんな気が狂った提案を私が受け入れると思ったのか?」

気が狂った提案だなんて?

世界を救った勇者に美しい姫を賞として渡すというのが、なぜ気が狂った提案なのか。

「そもそも既婚者にお見合いの申し出をする正気でない人間がどこにいるんだって!その話を聞いた時、私はこの王が狂ったのかと思った」

「はぁ、でも・・・」

「もしも神の前で神聖な制約を安くすり替えようとする奴がいたら、私の手で去勢させてしまうだろう。どうして私がそんな卑劣なことをすると思った?」

本気で言ってるのかな?

マックはぼんやりとリフタンを見上げる。

驚きを超えて驚愕までした。

騎士たちが信義を重んじるということはよく知っていたが、この人は騎士道に何か信仰心でも持っているのだろうか。

強引な結婚のために王家の一員になる機会を蹴飛ばすなんて!

王女と結婚すれば、彼は新しい爵位と王族としての名誉、そして莫大な持参金を手に入れることができた。

それだけではない。

彼の子供は王位継承権を持つことになる。

ところが、その全てを望んでもいなかった妻のための気が狂ったかのように片付けてしまったのだ。

(この人、正気じゃない)

マックはその時初めて、この男が彼らの結婚を非常に深刻に、真剣に、受け入れていることに気づいた。

何か別に下心があるわけではない。

本人の言う通り、純粋に彼女を妻と思っているので、自分の領地に連れて行こうとしているのだ。

マックはショックからよろめきながら唇を震わせた。

「で、でも・・・」

この人は本当にそれで満足しているのだろうか。

もしかしたら、自分が何を逃しているのか分からないのかもしれない。

彼にしがみつかなければならない自分の立場も忘れたまま、マックは呟く。

「私、本当に・・・、そ、それでも、だ、大丈夫なのですか?ア、アグネス、王女様は、す、すごく美しい方で・・・」

「アグネスに会ったことがあるのか?」

彼女はぎくりとした。

縁談をキッパリ断ったにしては、あまりにも親しみやすい呼称ではないか。

「あ、あ、会ったことは、な、ないですが・・・」

「じゃあ、美しいか美しくないかどうか、君がどうやって分かる?あんな尻に火がついた子馬のように気が散る女、大嫌いだ」

王族に対して、このように言ってもいいのだろうか。

面食らった顔で見上げると、リフタンが目元に残っている涙の跡を親指で拭い、断固として釘を刺した。

「そんなとんでもない噂など忘れてしまえ。そもそも息苦しい宮殿生活は性に合わないし、鼻の高いお姫様の機嫌を取りながら暮らすつもりはないから」

「で、でも・・・」

「その「でも」はやめろ。それとも何だ、噂は言い訳に過ぎず、やはりこの結婚に不満でもあるのか?」

リフタンの瞳に危険な光がひらめくと、マックは慌てて首を横に振る。

「それならいい。またこんなくだらない話を出したら、次は我慢しないよ」

 



 

「あの、あの、あの・・・」

「その「あの」と言うのはやめろ。まさか夫の名前も知らないんじゃないよね?」

リフタンが頭を上げて不満そうな表情をした。

「そんなに慌てないで。あなたの言う通り、私たちの結婚は正常ではなかったが、それは仕方のないことだ。もうあなたが私に慣れなければならない」

意外な柔和な行動にマックは当惑した。

首の下の部分を噛んでいたリフタンは、しばらく躊躇った後に尋ねる。

「・・・嫌か?」

じっと目を覗き込みながら尋ねる言葉に、マックは唇を舐めた。

どうしても嫌だという言葉が出てこない。

彼は自分との結婚誓約を守るために王室との縁談まで断った。

そんな夫を断ることなんて出来ない。

「できるだけ・・・、優しくするから」

「あ、あの・・・、ちょ、ちょっと待って・・・」

「リフタン。そう呼んでみて」

「あ、あの、あの・・・」

「呼んで」

彼が優しく命令すると、彼女は震える声で彼の名前を吐いた。

「リ・・・、リフタン」

すると、リフタンは低い笑みを浮かべる。

「うん」

初めて見る微笑に見惚れていると、彼が後頭部を片手で包み、続けてキスを浴びせてくる。

「綺麗だ」

リフタンがマックの熱い顔を見つめながら楽しそうに囁く。

それだけでも男性の印象は見違えるほど変わった。

鋭い目元が細くなって美しく曲がり、固い口元は柔らかく解けて、まるで無邪気な少年のように見える。

 



 

リフタンは子供をなだめるように呟きながら、マックをベッドの上に寝かせる。

彼女はベッドの上でぐったりとした。

リフタンは素早く服を脱ぎ捨て、ベッドに乗り込んだ。

明らかに初めて見るわけではないのに、闇の中で感覚的に輝く彼の体を見た瞬間、胸の中に強い震えが起きた。

男の美しさが改めて胸を震撼させる。

「私を抱きしめて」

彼は素早くベッドに戻り、彼女の体の上にうつ伏せになった。

ベッドの枕元で揺れる光が彼の顔の激しい陰影を落とす。

男の額に結ばれていた汗が頬を伝って流れ落ち、あごの先に結ばれた。

水気を含んでキラキラ輝く滑らかな金色の肌が美しい。

こんなに他人を近くで感じてもいいのか。

荒い息づかい、重い心臓の鼓動、熱い体温・・・。

どれが彼のもので、どれが自分のものなのか見分けもつかない。

「マック」

大きな手が頬を包み込むような感覚に、マックは辛うじて目を開けて彼を見た。

どうして自分をそんな風に呼ぶのだろうか。

切なくも見える顔に戸惑いが押し寄せてくる。

その瞬間、彼がとても親しい人のように感じた。

男は両手で彼女の顔を包み込み、夢中でキスをする。

リフタンはとても自然に広いベッドの真ん中に座り、片腕で彼女を引き寄せ、自分の体の上に重ねる。

「リ・・・、リフタン・・・」

「もう一度したいわけじゃないから暴れないで」

その言葉は単なる脅威ではなかった。

彼は彼女の髪に指を突っ込み、そっと目を閉じる。

その時になってマックは彼が自分と一緒に寝るつもりだということに気づいた。

「リ、リフタン・・・」

「なんで何度も呼ぶの?」

リフタンは彼女を裸で抱いて寝るのが当たり前のように見えた。

目を転がしていたマックは、ついに言いたいことを飲み込み、這い込む声で呟く。

「お、おやすみなさい」

その間に眠ってしまったのか。彼からは何の返事も返ってこない。

マックは彼の太い首筋が脈打つのを見て、すぐに彼の後を追って目を閉じた。

 



 

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