影の皇妃

影の皇妃【260話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は260をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【影の皇妃】まとめ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております。 ...

 



 

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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260話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 開場②

「恩人」

エミリオの低い呼びかけにエレナは首を傾げた。

「公女のことです。本当にいらっしゃると思いますか?」

「ええ、来ます」

人を見る目はかなりあると自信を持っていたエミリオだったが、ベロニカはまったく見当がつかない。

どこに飛ぶか分からないタイプというか。

「確信される理由があるのですか?」

「狂人ですからね」

「え?」

エミリオは、いつも上品だったエレナとは似合わない言葉に当惑する。

「って、レンが言うんです」

「なんだか、恩人がそんなことを言うなんてビックリしました」

「そうですね。似ていくみたいです」

エレナが苦笑いした。

まだ意識を取り戻していないレンが気になるからだ。

「公女が恩人を見たらビックリするでしょうね」

「そうするために仮面を脱ぐのですから。虫のように無視していた代役に踏まれる気持ちがどれほど惨稽たるものかを感じてみてください」

エレナはバシリカ開場宴会の最終日に仮面を脱ぐと大々的に発表した。

サロンで発生した火災によって生じた人々の不安感を解消するための按配であり、ノブレス通りに集中している話題性を逸らすための手段だ。

(これ以上縮こまっている理由もないし)

エレナが仮面を脱ぐ決心をしたのは、仮面をかぶり続ける必要がなくなったため。

サロンを運営する彼女の名声は、大公家だとしても無闇に接することができないほど高くなった。

そしてシアンから授かった爵位によって帝国の名実共に貴族として認められた。

もはやエレナは大公家の言葉にすっかり死んでいた代役ではない。

 



 

サロンを運営する妙齢の女主人L。

大公家は認められないかもしれないが、世間はそのようにエレナを見ている。

それが現実であり、彼女の現在の位置だった。

彼女の顔が身分で、彼女の名前が証明であり、彼女の存在が評判だ。

大公家の立場では、その気になればいつでも喉を裂くことができる、言葉をよく聞いていた人形だっただろうが、今は状況が変わった。

大公家は決してエレナをむやみにできない。

大公家が傍若無人、無所不為の権勢を享受しているとしても、貴族社会のルールというものがある。

帝国民に認められる女性を真昼に害することもできず、貴族殺害は帝国でタブー視される重罪だ。

大公家だとしても叱咤を避けられず、危機意識を感じた貴族たちがじっとすることだろう。

「あまりにも長く席を外していましたね。レンのところに行ってみます」

「すぐ目覚めると思います。傷つかないでください」

「傷ついていません。起きないと思ったこともありませんから」

エレナは苦笑いしながら執務室を出ていく。

彼女はレンの寝ている部屋に戻った。

子供のように眠っているレンを見ると、心の片隅が痛んだ。

「まだ起きないのですか?もうすぐ、私があれほど望んでいたベロニカの前に立つ日なのに」

微動だにしないレンの手をエレナがギュッと握る。

手から温もりが感じられた。

「もう寝ないで起きてください。一緒にベロニカの歪んだ顔が見たいじゃないですか」

一日も早く目覚めることを願う気持ちを込めてエレナが祈ったとき。

勘違いだったのかな?

握りしめていたレンの指が動いたような気がした。

微細だったが明確に伝えられた躍動感に、エレナが希望に満ちた目つきでレンを呼ぶ。

しかし、期待とは裏腹にレンは微動だにしなかった。

「これで何回目なのか・・・、目覚めるために死闘を繰り広げていると思います。必ず勝って起きてください」

昨日訪れたネヴィルは言った。

意識不明の状態は目覚めるための闘争の時間だと、それだけそばにいる人の役割も重要だということだ。

 



 

「私です、L」

その時、背後から聞こえる声にエレナの頭が回った。

レンの部下であり、情報組織マジェスティの首長メルだ。

潜伏と潜行に長けた彼は予告もなく突然飛び出した。

「公子はまだですね」

ベッドサイドに近づいたメルの表情は暗い。

目覚めると信じているが、毎日が経つほど焦るのは仕方なかった。

「Lにお話したいことがあります」

レンが意識不明に陥った後、マジェスティが収集し分析した情報はほとんどエレナに報告されている。

原則に反する行動だったが、メルはそれがレンの意思だと信じて疑わなかった。

「ショーンに関することを報告しようと思います」

エレナは、サロンの火事とショーンが密接な関係があると推測した。

そして、メルがそれに関連して調べることに。

ショーンはサロンに火をつけたのが自分であることを素直に認め、そして、死で償おうとしたと告白した。

「申し訳ない気持ちで自ら選択した人です。放火するしかない理由があったと思います」

「Lの推測通りです。彼は脅迫されていました」

エレナの目つきが冷たくなる。

「大公家ですね」

「はい、家族を人質に取った理由でショーンはサロンに火をつけたそうです」

「はあ、本当に酷いですね」

予想はしていたが、ここまで卑怯に出るとは思わなかった。

家族を人質に脅迫するなんて。

「ショーンの家族は無事ですか?」

「娘は無事ですが、私たちが救出に行った時、奥さんはもう・・・」

メルが言葉を濁し、一緒にエレナの表情も暗くなる。

ショーンの妻は健康状態が悪く、首都の外で療養していることを知っていたからだ。

 



 

ショーンの娘が無事なのは嬉しいですが、奥さんがまさかの・・・。

エレナの知り合いで誰かが死ぬのは今回が初めてなのでは?

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