こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は226話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
226話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 聴取会議
私はそっとドアの方に視線を向けた。
『それより黒い犬がさっきあなたの部屋から何かを持って出て行ったわよ。これまで、主人がお腹をあまりにも空かせたせいかしら?』
そして昨日、グリセルダから聞いた言葉が浮かんだ。
『一度首輪を引っ張った方がいいんじゃない?』
連鎖的な反応で、その前に聞いたカシスとデオンの対話内容も相次いだ。
『やはりお前のしたことか?』
『何を?』
『ベルティウムの腹心を殺したことだ。そして先日、ガストロの宿舎に火をつけたこと』
記憶を噛み締めるほど胸が冷たく凍っていく。
そのように他の考えに陥っている間、大会議場の中にあった空席が一つ二つ満たされ始めた。
ついにカシスも中に入ってくる。
しばらく宙で視線が合い、今回も私が先に彼から視線をそらした。
「ニ、ニックスは?」
約束された時間になって大会議場のドアが閉まる直前、ノエル・ベルティウムが支えられているのか連れてこられたのか分からない形で姿を現す。
「ニックスはどこにいるの?」
彼は大会議場の中に入ってからもニックスを探している。
私はチラッと眉をひそめた。
ベルティウムにいた時もニックスに執着する姿を見せていたが、あれほどではなかったはず。
最近見た時も、ノエルはとても不安定な姿だ。
やはり昨日カシスとデオンの対話に出たベルティウムの腹心はダンテのことだろうか。
予想とは裏腹にユグドラシルに来る前、ベルティウムでニックスを取り戻すためにペデリアンの行列を襲撃しなかったのも、そのような理由のためかもしれない。
そうするうちに、ふとノエルが私を発見して嬉しそうな表情を浮かべた。
前に私に面食らったことも覚えていないようだ。
私を見てあそこまで明るい顔をするのを見ると。
「ルナ!」
それにそんな名前で呼ばないでとハッキリ言ったはずなのに、それももう忘れたのか。
しかし、今はむしろ期待していたところだった。
私を発見した後、知ったふりをしてほしいと思って、わざとよく見える席に座ったのだから。
「ルナ、ニックス、ニックスはどこにいるの?会議場に来たら会えると言ってたけど、どこに隠したの?」
ユグドラシルに来た後、ノエルがたまにニックスを呼びながら部屋を出てくる時があり、彼のそばを守る監視人が何度か防いだことがあると話していた。
ノエルは昨日、庭での騒ぎを後になって聞いた後も、ニックスに会わなければならないと大騒ぎしたと聞いている。
「ルナ?」
「ルナって?」
「アグリチェさんに言ったことみたいだけど・・・」
ノエルの話を聞いた人たちがヒソヒソ話した。
「ノエル・ベルティウム。もう席に着席した方がいいね」
首長らが眉をひそめて言った。
しかし、ノエルは私の前でびくともしない。
「・・・黄の首長」
結局、ジェレミーは忍耐の限界を迎えたかのように口を開いた。
「まさかそのルナって、私の姉さんのことかな?」
ノエルは何が問題なのか分からないかのように、ぼんやりとジェレミーを見る。
「あえて・・・」
その瞬間、ジェレミーの目から火の粉が飛んだ。
「あえて姉さんを人形扱いしながら勝手に名前まで変えて呼ぶ?私の姉を、どこまで侮辱するつもりだ!」
ジェレミーはとてもうまくやっていた。
ただ、庭でもそうしたように、彼の怒りは演技なのか本当なのか多少紛らわしいところがある。
それに合わせて、後ろからざわめく声がさらに大きくなった。
ユグドラシルの中に蔓延した噂のせいで、ノエル・ベルティウムがアシルに続き私まで人形にしようとしたという話も人々の間に一度広がった後だ。
もちろん、その噂はアグリチェ側で広まった。
当然、そのような言葉を全て信じるわけではなかったはずだが、今ノエル・ベルティウムの姿を見て不思議と感じない人はいないようだった。
先日、回廊でノエル・ベルティウムが私を「ルナ」と呼ぶのを近くで聞くことがあったリュザークの顔も固くなっている。
彼は今になってその名前が意味することに気づき、驚愕した様子だ。
「ノエル・ベルティウム」
再び首長たちが厳重な声でノエルを呼ぶ。
隣にいる腹心たちに命令して、彼を無理やり座らせることもできたが、誰もそうしなかった。
最後まで彼に家門の首長にふさわしい待遇をしてあげるつもりのようだ。
私は内心で悲笑した。
その時、静かに状況を見ていたカシスが口を開けて冷たい声を流す。
「こんなことに時間を費やすのであれば、今すぐベルティウムの人形を連れてきた方がいいのではないでしょうか?」
どうやらニックスを見るまでノエルが自ら動かないような雰囲気なので、首長たちも同意した。
それを聞いたノエルも静かになる。
それからしばらくして、昨日、庭を廃墟としたニックスが大会議場に到着した。
「ニックス・・・!」
ニックスの手首と足首には、今や魔物用の拘束具で満たされていた。
昨日彼が手錠と足枷を外して逃走したことは明らかだったので種類を変えたのだ。
ノエルはニックスを見るやいなや彼に飛びかかるように席を蹴った。
「ノ・・・」
ニックスもノエルを見てぎくりと唇を引き離し、すぐにたじろぐ。
それもそのはず、ニックスを切々と呼び求めるノエルの瞳には奇妙な狂気がこもっていたからだ。
私も近くでそれを見て無意識のうちに指先を動かすほどだったので、ノエルと正面から向き合ったニックスが後退りしてしまうのも当然だろう。
危険を察知した騎士たちがノエルを止めた。
「あっちへ行け!ニックス!」
ノエル・ベルティウムは目まで真っ赤になってニックスに手を伸ばす。
ニックスも脅威を感じたのか、彼は混乱した目でノエルを見て体をすくめる。
ノエルの異変にニックスも何かを感じ取ったようです。
会議を始めることはできるのでしょうか?