こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は229話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
229話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 聴取会議④
「あの時運良く助けてもらわなかったら、私も今頃、私の兄と同じ墳遇になっていたと思います」
そう言って、私はカシスをちらっと見た。
彼もやはり固くなった顔で私を見つめている。
アグリチェの事情を大体知っていたとはいえ、彼の前でこんなふうに私が直接言ったことはなかった。
そのためか、カシスは今まで私が見た中で一番冷たく凍りついた表情を浮かべている。
何か私に言いたいことが多いような、簡単に説明しにくい感情が絡まった顔だ。
「へえ,これは本当に・・・」
首長たちがこのことをどう整理すればいいのか分からないというように言葉を慎んだ。
想像以上にベルティウムで起こったことが深刻だということを知った上で、そこに絡まれたアグリチェの事情まで聞くことになって驚いた様子が歴然だった。
首長だけでなく、他の人々も同様だ。
もちろん、こうしても私の言うことを信じずに疑う人はいるだろう。
しかし、彼らもやはり今この場で両耳で聞いた内容を簡単に忘れることはできないことは明らかだった。
一応今はそれくらいでいい。
どうせ私が最終的に望むのは一日二日で成し遂げられるものではなかったから。
「まずは、今日の聴聞会はここまでにしよう」
結局、今日の席はここまでということで結論が出た。
ひとまず事実可否を尋ねる当事者であるノエル・ベルティウムがいないので、今より長く話を進めることもできなかった。
何よりも、今この場にいる皆が混乱した状態だ。
今日の聴聞会が終わったことを首長たちが公表した後、私は席から立ち上がり、ジェレミーの手を取って、ドアの方へ向かう。
他の家族が会議場の外に出るアグリチェの人々をこそこそ見ていた。
まだ少しだけど、それでも私たちをラントと同じアグリチェで括っていた人たちの覗線が少し変わったように感じられた。
これからも私と他の異母兄弟たちの努力次第で徐々に少しずつ変わっていくことができるだろう。
死んだラント・アグリチェを現在のアグリチェから抜き出すための第一歩を、やっと踏み出しただけなのだから。
遠くないいつか、アグリチェの名札にべたべた付いていた汚れた染みが死んだラント・アグリチェと共に未明の後ろに完全に崩れることを願った。
その時まで私もやるべきことが多かった。
私はジェレミーの手を取って,初めて大会議場に入ったときのようにドアを出る。
ニックスは、監禁された部屋にすぐに戻されず、大会議場の隣にある控え室に泊まっていた。
彼がノエルの顔を見るのは実に久しぷりだった。
主人であるノエルのそばをこのように長期間離れているのは初めてなので、実際よりもさらに長い時間が経ったような気分だ。
そのためか、ノエルも大変喜んでいるようだった。
しかし、先ほどの出来事を思い出すニックスの顔は明るくない。
「ニックス・・・!」
「ニックス!ニックスをまたどこに隠そうとしているんだ!ニックスは私の人形だよ、私のものだって!」
「今すぐ、ニックスを、こっちへ、よこせ・・・!」
おかしかった。
ノエルがあれほど切実に自分を呼んでいるが・・・、ニックスは彼の姿を見てむしろ強烈な拒否感を感じてしまう。
見ない間に、ノエルは見慣れないほど変わった姿だった。
本来も人形を作るために数日間夜眠れない時には疲弊した格好になったりしたが、これはそのようなこととは次元が違うように感じられる。
ノエルの手が彼を喜んで抱きしめるのではなく、そのまま彼の肌を引き裂くような気がしたなら、それは過剰な妄想だろうか?
おそらくそうだろう。
ノエルは気分が悪くなると自分が作った人形を躊躇なく叩き壌したりもしたが、ニックスにはそのような暴力性を表わしたことがなかった。
もしかしたら、それはニックスが代替不可能な人形だからかもしれない。
ニックスはノエルの人形術でアシルの肉体で初めて目を覚ました時から人間が嫌いだった。
それは自分でも訳の分からない炎症のような嫌悪感。
にもかかわらず、自分も半分は人間である不完全な存在だという事実に、ニックスはずっと汚い不快感を感じていた。
それで時々意地悪ないたずらをする時があり、ダンテはそれを知ってニックスを警戒していた。
しかし、ノエルは毎日のように顔を合わせるニックスの悪感情にも気づかないほど純粋だった。
ところで、さっきのその変な姿は何だというのか。
順光で光っていたノエルの瞳を思い浮かべると、胸が苦しくなる。
それにダンテはなぜノエルと一緒にいなかったのだろう?
「起きろ、ベルティウムの人形」
その時、隣でニックスを監覗していた腹心が言った。
外から来た人に何かを云え聞いた後のことだ。
待合室を抜けて動く方向を見ると、目的地は先ほど立ち寄った大会議場ではなく、元々あった部屋のようだった。
ニックスは少なからず安心し、そんな自分が理解できなくて顔をしかめる。
「ちょっとゆっくり歩いて」
彼は、大会議場の中にいた大勢の人々の前で、思わずノエルを見て縮こまって屈辱的な姿を見せたことを相殺しようとするかのように、いたずらに先を歩いている腹心たちに荒々しく話した。
しかし、うまくいかなかった。
今日ニックスの監覗を担当したのはぺデリアンの腹心たち。
おそらく他の家門だったら少しでも便宜を図ってあげたはずだが、ぺデリアンの腹心は全て青い血が流れそうな索漠とした奴らだけで、言葉が通じなかった。
ニックスは紳経質に目元をくしゃくしゃにする。
しかし、その後暗い廊下の突き当たりに立っている男を発見した瞬間・・・、ニックスの虚勢はたちまち跡形もなく消えてしまった。
心臓があっという間に底まで墜落し、すぐに拍子抜けに走り始める。
もしかして、今回も幻影を見ているのだろうか?
しかし、そうではなかった。
黒い古木のように音もなくそびえ立って、凍りついた赤い瞳でニックスを凝覗している人は明らかにデオン・アグリチェだ。
ガタン!
ニックスは思わず足を止めた。
「どうした?」
ぺデリアンの腹心が彼を振り返り、督促のように手に握った鎖を引っ張る。
しかし、ニックスは足に釘が剌さったように席から動けなかった。
全身から血が出るように背筋が冷えてしまう。
異常に荒れた息づかいが耳元に響き渡った。
あの不気味な赤い目の前でニックスは再び死を目前にした弱い獣になってしまう。
ニックスもノエルの異常に気づいたようですね。
そのタイミングで再びデオンと遭遇。
デオンの目的は?
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