こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は232話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
232話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 甘い毒
カシスの手を握っていたロクサナの手が小さく動いた。
肌の上に温もりを感じさせる指の動きを感じながら、カシスはふとデオン・アグリチェの言葉を思い出す。
ロクサナの顔に向き合う間、もう一度流れのような感情のブレがカシスをよぎった。
「・・・私があなたに信頼を与えられなかったのか」
やがて低い囁きの後にロクサナの顔に触れていた手が剥がれる。
声の長い雨奮にはっきりと響き渡る。
「ロクサナ、あなたが何をしても、私があなたを軽蔑することはない」
ロクサナは息を殺してカシスの目をのぞき込んだ。
「私が平気で他の人を殺して利用する人でも構わないということ?」
「構わない」
またもや少しの迷いもない返事が返ってきた。
ロクサナの唇が固く閉ざされる。
彼女は感情をこらえるようにしかめっ面に柔らかい手が触れた。
「でも、あなたはそんな人じゃないじゃないか」
耳元で静かにささやく声が心を撫でるようだった。
「結局、今日の魔物たちを呼んだのも君のしたことではなく、ガストロの宿に火をつけるのも実は望んでいなかったじゃないか」
あの時、火事が起きた建物の前に立っていたロクサナの顔を見れば分かった。
それに、むしろ今日彼女は自分の体のことは考えもせず、魔物たちを一人で防いだ。
カシスがロクサナに少し腹が立ったのも実はそのため。
「昔、アグリチェでも・・・」
カシスは古い記憶を思い出しながらしばらく言葉を遅らせた。
「君は私を助けた」
彼は握りしめているロクサナの手をより強く握りしめる。
「ロクサナ。あなたはあなたが思っていることとは違う人だ」
ロクサナは自分の評価に非常に厳しい面があった。
だが、そのような自己嫌悪のような感情がどこから始まったのか見当がついたので、彼はこのようなロクサナを見る度にやむを得ず心が少し重くなった。
カシスはなだめるようにロクサナの額に優しくキスをする。
そして、彼女がペデリアンで彼に言った言葉を返した。
「そして、これは君が私に言った言葉なんだけど。何でも考えただけで終わっているという点で、すでに立派なのではないだろうか」
その言葉を聞いて、ついにロクサナはカシスに愚痴をこぼした。
「カシス、私ね」
何を考えているのか分からない顔でじっとカシスを眺めていたロクサナの唇が、やがて小さく甘くなった。
「もしあなたがいつか私に完全に飽きたり疲れて私から去ろうとしたら・・・」
とうとうその中から聞こえてきた声を聞いて、カシスは目元を固める。
しかし、彼女が彼を見て続けてささやいた言葉は、誰も予想できなかったことだった。
「私の手であなたを殺してしまうわ」
その内容はぞっとするほどだったが、なぜかカシスの耳元に押し寄せたロクサナの言葉は、殺害の脅迫ではなく、ひりひりするほど、「愛の告白」に聞こえた。
そして多分それは愛の告白が、合ってるはずだ。
口クサナが、固いカシスの手をもっと強く握って、近くに身を寄せる。
ゆっくりと起こした上体を前に傾けると、金色の髪の毛がカシスの胸の上に波のように揺れた。
カシスは何とも言えない気持ちで目の前にある赤い瞳に向き合う。
「もう知ってはいたけと、あなた、本当に運が悪いね」
甘い毒を塗った笑顔がロクサナの顔に咲く。
「この世にいる多くの人々の中で、よりによって私に目をつけられるなんて」
相手のために手放したりするのは、やはり彼女に似合わなかった。
「やつばり私はあなたの幸せを祈ってあげるような素敵なことは一生できないわ」
以前もそうだったが、今はなおさらそうではない。
もしかしたら、ロクサナが今後選択する道は最悪の代わりに次悪に過ぎないかもしれない。
ラント・アグリチェの痕跡を世界からすべて消したいと思ったが、結局は彼女も彼のやり方から完全に自由になることはできなかった。
ロクサナがあれほど嫌悪していたアグリチェは、すでに彼女の一部になっている。
結局、ロクサナはそれを否定できなかったし、もしかしたらそれが彼女の限界かもしれない。
それでもそばにこの人がいてくれることを願った。
もし彼女が彼としては決して容認できないことをするとしても,彼女を拒否せずにずっとそばにいてくれることを願った。
たとえカシスが根を誤って下ろした木のように彼女のそばで日々枯れていっても、死ぬまで放してくれないだろう。
そうして最後には必ず彼女の胸の中で最後を迎えるようにする。
「カシス」
ロクサナは、この人を自分のそばに永遠に閉じ込めておく方法を本能のように知っていた。
よりによってこのような状況で、カシスにこのような方法を使うのは卑怯だと言えるが、とうしようもない。
ロクサナ・アグリチェという女性が元々こういうものを。
そうして彼女は結局唇を動かし、いつまでも彼を足かせのように縛りつける言葉をささやいた。
「愛してるわ」
ところが、その言葉を初めて声を出して口の外に出した瞬間、胸の深いところで何かがポンと裂ける感じがした。
このような感覚は以前にもカシスの前で何度か感じたことがある。
いつからかひらひらと胸の中で膨らみ、ついには限界まで逹したことに耐え切れず、爆竹のように爆発した。
首の先で我儘を言う言葉を抑えきれず、ロクサナは結局もう一度ささやいてしまった。
「・・・愛してるわ、カシス」
多分・・・。
彼女の人生にこれほど真実の告白は二度とないだろう。
そうすると、また我慢できず、頭を動かしてしまった。
カシスは凍ったままロクサナの唇に当たる。
触れ合った唇の間から毒薬のような甘いささやきが流れてきた。
「あなたが死ぬ瞬間まで私のそばにいて」
胸に徐々に押し込まれ始めた流れが、すぐに荒波を受けて溢れた。
「今・・・」
カシスは重なった手をもっと強く握りしめ、感情の氾濫をそのまま表わした声を吐き出した。
「今そんなことを言うのは、あまりにも・・・」
反則じゃないか。
たった一言の言葉で、このように簡単に自分を地獄と天国に行き来させることができるとは。
ただロクサナだけができること。
結局、カシスは自分の中で手の施しようもなくこみ上げてくるものを抑えることに失敗し、触れ合った唇を荒々しく飲み込んだ。
彼女が以前彼を私のものと呼んだときと同じくらい悦惚としていた。
たとえ少し前の告白が嘘だったとしても、カシスは苦々しさと似た大きさの喜びを感じただろう。
でも今ロクサナの言葉は彼女の完全な本心で、カシスはそれを感じることができた。
それに死ぬ瞬間までそばにいてほしいなんて。
もし彼が去ろうとするなら、いっそ自分の手で殺してしまうなんて。
このように甘い言葉が世の中のまたどこにあるだろうか。
もしかしたら、デオン・アグリチェの言うことが正しかったのかもしれない。
カシスはたとえロクサナがいくら彼の心臓を残忍に引き裂いても、息が止まる瞬間まで彼女を抱きしめた腕を手放すことはできないだろう。
「ロクサナ」
カシスは、息を吹きかける唇に自分の唇を合わせたまま、腕に力を入れて向かい合った人の腰を強く引き寄せた。
「私の方が・・・」
彼もまた、言ってみたら、一度ではずいぶん足りなかった。
それで何度も飽きずに同じことをささやいた
本当に、あなたをあまりにも愛していると。
ロクサナは星のように降り注ぐ言葉とキスをすべて胸に抱きしめた。
いくら捕食してもそこには度が過ぎた。
今触れ合った人をぎゅっと抱きしめなくては、とても耐えられなかった。
その瞬間だけは、ただ二人きりの世界だった。
お互いに依存しているロクサナとカシスの関係が最高です!
改めて気持ちを伝えた二人の今後が気になりますね。
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