こんにちは、ピッコです。
「シンデレラを大切に育てました」を紹介させていただきます。
今回は119話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
119話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 見慣れない彼女
「でも、私は木刀だよ」
ウィリアムはアイリスの言葉に目を丸くして、素早く表情を整えた。
木刀だって?
彼は5歳の時から木刀を取ったことがない。
しかし、相手がアイリスならその方がいいかもしれない。
2人はぎこちなく2階のサンルームに向かう。
ちょうど着替えをして自分の部屋から出てきたダニエルが2人の後頭部に向かって叫んだ。
「ウィリアム!油断をするな!」
そうでなくてもウィリアムは呆れていた。
木刀。
しかも女性を相手に訓練だなんて。
油断しないようにという言葉にかっとなって後ろを振り返った彼は、いつの間にかダニエルの姿が消えたことに気づき、アイリスを眺める。
彼女は少し感心した表情でウィリアムを見ていた。
「実力があるみたいだね?」
「いいの?」とウィリアムは目を丸くした。
彼はダグラス・ケイシー卿から学んだ。
どこへ行っても実力がないという話は聞いたことがない。
もちろん王子様にあえて剣術の実力が卑しいですね、と言う肝っ玉が腫れた人がいるはずがないけど。
「私のを使って。私はアシュリーのを使うよ」
アイリスはそう言って、木刀をウィリアムに渡す。
ウィリアムは、壁に寄りかかった木刀の中で、取っ手の部分に色が塗られているのを見て、目を細めた。
「それはリリーのものよ」
そうだと思った。
驚くべきことはリリーの剣が最も磨り減っているという点だ。
ウィリアムはリリーが最も多くの訓練をしていると思い、アイリスの剣を握る。
もちろん、それはトリックだった。
リリーは最小限の練習を除いては剣を振り回したことがない。
彼女は剣に驚くほど関心がなかったからだ。
それでも彼女の剣が一番磨り減っている理由は簡単だった。
リリーはそれで庭に絵を描いたのだ。
ミルドレッドが発見して禁止するまで。
「リリー・バンズさんに会いに来ました」
シーツを下ろして戻ってきたジムは玄関のドアを叩く音に姿勢を正してドアを開ける。
ダグラスが緊張した表情で外に立っていた。
ダグラス・ケイシー卿。
彼が来るという話を聞いていないのに、ジムは慌てずに彼を応接間に案内する。
そして温室で絵を描いているリリーに聞いた。
「ケイシー卿が来ることになっていたのですか?」
「どっちですか?」
「ダグラス・ケイシー卿のことです」
ダグラスが?
リリーはジムの質問に眉間にしわを寄せ、びっくりして立ち上がる。
そういえば、彼が訪問したいと手紙を送ったことを思い出した。
それが今日だったの?
彼女は途方に暮れていたが、すぐに気を引き締めた。
それで?
ダグラスは友逹として会話をしたいと言った。
それに、彼女は彼の求婚を断ったので、着替えのために大騒ぎする理由はない。
「ここでお会いしましょう」
「ここでですか?」
ジムは巨大なイーゼルの前に座っているリリーと彼女の周りを見回す。
あちこちに完成した絵が置かれていて、テーブルの上には、絵の具と水が散らばっていた。
ここでお客さんを迎えるのはダメだと思うんだけど。
リリーは彼がそう思った瞬間に言った。
「求婚を断ったんですよ。だからこれくらいがいいんです」
それにしてもジムはリリーが誰も非の打ち所がないように完璧な姿で相手を迎えることを願った。
しかし、彼はリリーの頑固さを知っていたので、うなずいて退いた。
「ミス・バンズ」
応接間で待っていたダグラスは執事の案内で温室に向かう。
彼はミス・バンズが待っているという話に温室まで大股で歩きながらリリーを呼んだ。
リリーはまだイーゼルの前に座っていた。
描いていた絵を全部描きたかったからだ。
まだ明るいおかげで温室は緑が漂っていた。
ダグラスはイーゼルの前で眉間にしわを寄せ、筆を動かすリリーを見て止まる。
彼女の頬と耳は邪魔にならないように上に上げて束ねた髪が数本抜けて揺れていた。
薄緑色のドレスの胸と太ももに絵の具が少しついていたが、ダグラスの目には入ってこない。
彼はリリーの緑色の瞳がきらめくのをぼんやりと見つめた。
イーゼルに固定された彼女の瞳は情熱的で幸せそうだった。
化粧気のない顔に顔をしかめていたが、リリーの顔はいつにも増して輝いて美しく見えた。
ダグラスはひざの力が抜けたので隣のテーブルに触れる。
彼は女性が何かに夢中になるのを初めて見た。
彼が女性たちに会ったのは全てパーティーやお茶会であり、パーティーやお茶会は他人の視線を気にするしかない場所だ。
リリーのように自由に眉をひそめて好きなことができる場所ではなかった。
「びっくりした」
リリーは頭をもたげて、テーブルにもたれかかったダグラスを見てびっくりして悲鳴をあげる。
大きな男が斜めに立っているから彫刻像のように見えたのだ。
「忙しそうだったので」
ダグラスは自分でも苦しい思いをして言った。
彼はリリーのことを考えて話しかけなかったのではない。
彼女を見惚れていただけだ。
リリーはアシュリーが彼女のそばに座って本を読んでいた椅子を指差して言った。
「ごめんなさい。お座りになりますか?」
リリーは急いでテーブルの上の絵の具と道具を片方に掃く。
ジムは片方の眉を上げたが、何も言わなかった。
アイリスならそもそもこんなところで客を迎えることもなかったはずだが、こんなところで迎えなければならなかったしても前もって片付けておいただろうだろう。
そして、たとえ先に片付けておく状況ではなかったとしても、今のリリーのようにあんなに手で掃いて片方に押し込むこともなかっただろう。
幸いダグラスは何も気にしていないようだった。
ジムはリリーに求婚して断られたというダグラス・ケイシー卿の顔をあまり無礼ではないほど見てから退いた。
「何を描くのですか?」
アシュリーが座った時は、何の問題もなかった椅子がダグラスが座ると、苦しそうな声を出し始める。
リリーはわざと知らんぷりをして彼の方を向いた。
そしてイーゼルを指差して言った。
「ここです。時間別に光と色彩の違いがどうなのか明確に描いてみたいんです」
ダグラスの片方の眉が上がる。
彼は今、リリーが言った1文で理解したのが描くということしかなかった。
時間別に光と色彩の違いがあるって?
彼が知っている絵に対する知識は、飛び出ないように塗ったかどうか程度。
「差は大きいですか?」
「そうですよ。これは昨夜描いたものです」
ダグラスの質問にリリーは浮かれて母親に内緒で温室に隠れてきて描いた絵を取り出す。
同じ場所だったが、はるかに暗くて使用した色が違った。
彼は感嘆しながら、リリーが昨日描いた絵と今描いている絵を交互に見る。
「どちらがもっと気に入りますか?」
リリーの質問にダグラスは2点の絵を交互に見て答えた。
「まあ、明るいほうですね」
「私は暗い方が好きです」
そうかな?
ダグラスは暗い方の絵に視線を投げる。
しかし、明るい方がはるかに色彩が明るく、多様だった。
見ていると気持ちが軽くなるのも一役買った。
「タイトルはつけましたか?」
ダグラスの質問にリリーはしばらく悩んだ。
いくつか考えたが、これだと思ったものはない。
「まだです」
「画家になりたいと言ったじゃないですか:
続くダグラスの質問にリリーの視線が彼に向けられた。
なんで急にそれを聞くのだろうか?
彼女は面食らって聞いた。
「それが?」
「ということは、あなたの絵を誰かにお金をもらって売りたいということですか?」
「簡単に言えばそうですね」
もちろん、それだけを望んでいるわけではない。
彼女は自分の絵を人々に喜んでもらいたいと思っている。
最近招待された色々なギャラリーで収集家が誇らしく思う作品のように、長い間大切で誇らしく思うような絵を描きたかった。
しかし、リリーはその話はしなかった。
ダグラスも彼女の母親と姉妹に話していないように理解できないと思ったからだ。
「じゃあ・・・」
ダグラスはためらいながら口を開いた。
リリーに会いに来る前に何度か考えてみたが、考えるだけでも彼には拒否感があったからだ。
彼は慎重に尋ねる。
「私があなたの絵を買ったらどうですか?」
リリーの行動が貴族らしくなくて、ダグラスには新鮮に感じることでしょう。
絵を買うという言葉に、リリーは何を思うのでしょうか?
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