愛され末っ子は初めてで

愛され末っ子は初めてで【65話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【愛され末っ子は初めてで】まとめ こんにちは、ピッコです。 「愛され末っ子は初めてで」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっ...

 




 

65話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 笑顔とは裏腹に

「おお、おお! 私のジョスカ、私の、私の姉妹よ!」

国王は、単なる代理ではなく、実際に入り口で私と母を迎えてくれました。

「む、む、無事で何よりだ。」

その喜びと裏腹に、私を抱きしめたまま馬の上でうなだれている母の姿を見て、震える気持ちは抑えきれませんでしたが…。

(大神官がどうしてあんなことに?)

どうして肩の上の上着が引き裂かれて垂れているのだろう?

こんな手の施しようのない混乱、幼稚で規律に欠けた様子は何とも言えず見苦しい。

それに、たった一日でどうしてこんなにも老けたように見えるのだろうか。

まるで3年、いや10年近く老け込んだようだった。

数本しか残っていない髪の毛さえも全て湿って垂れているではないか。

大神官は私の方を見ながら歯を食いしばり、父の威圧に押されてまた肩を縮めるのを繰り返した。

そのたびに何かをつぶやきながら口ごもっていたが、それが一見して長く続く儀式的な呪文であることが分かり、私は一つ一つ遮断した。

(黒魔法は発動そのものを阻止するのが一番だよ。)

道具なしで複雑な呪文を唱えなければならないため、声を中断してしまえば簡単に防ぐことができた。

(これじゃないけど、嫌な顔だな。)

この状況でふざけるつもりか。

どうして亡国のセリフよりも現状の把握ができないのか。

反対に国王は迅速に手を打った。

10年も蓄積された経験や地位を守るための努力が透けて見えるほどだ。

「テクラ、誰だ。私の話を聞けよ。私はただ大神官の言葉を信じただけだ!」

そう言いながら、しばらく呆然とした表情を見せる彼だった。

「わからないのか!私は人を信じるということをただしただけなんだ!それは、あの先代の王妃殿下が──」

「さらに何かお話しになったことがありますか─」

ガタン!

国王の声が途切れるその瞬間、母が背中に背負っていた槍を国王の足元に投げ込んだ。

鈍い衝撃音に国王はその場で呆然と座り込んだ。

王妃はそのまま「ああ・・・」と声を漏らしながら、崩れるように倒れ込んだ。

「ま、待とう! 話し合おう! 話し合おう、私の友よ!」

「話し合おうと言うなら、武器を置いたんです。」

母はその時ようやく私を抱きしめ、馬の上から降りながら微笑みを浮かべた。

「私の愛しい娘が怪我をしましたが、生きていてくれて、夫の目には涙があふれていませんか─」

母は父の顔を一瞥した後で言った。

「まずは少し話をしてみても良いかもしれませんね。」

笑顔とは裏腹に、その言葉にはわずかな殺気が感じられた。

しかし、ミハイルに向けてはその殺気が漏れないよう慎重に調整していた。

母は私を慎重に地面に下ろし、ミハイルの手を握るよう促した。

目の前の混乱の中、ミハイルが一瞬落ち着きを取り戻すと、国王に見せた表情とは異なる、普段の穏やかな表情を見せた。

「ロガートがあまりにも遠いのです。今だけは娘の手を引き受けてもらえるのが唯一の救いです。」

「そうか、ミハイル。」

家での冷たい言葉遣いとは異なるが、真っ直ぐ見つめる少年に対しては十分に伝わる言葉だった。

そして、母が戻ってきたのと同時に、私もミハイルにもう一言伝えた。

「私を放さず、ずっと掴んでいて。だから、今度もし手を放したら、本当に許さないからね。」

幸い、少年はそれ以上怯むことはなかった。

「うん、そうするよ。君がしたいこと、全部一緒にする。」

私は密かに、ミハイル・レヴェンティスの言葉がただの口約束ではないことを願った。

これ以上、私が傷ついてしまえば、本当にひどい目に遭わせてやるつもりだ。

剣術でも、魔力でも、レヴェンティス大公の力でも関係ない。

母は言いたいことがたくさんあるように見えながら、国王を避けて大臣に視線を向けました。

「お話があります、大臣。」

「神聖なる大臣の前で、このような不届きな行いを・・・!」

その瞬間、彼の少しだけ残っていた髪の毛の一部が風に吹かれ飛ばされた。

髪の毛たちは風と共に別れを告げ、「さようなら」と言ったかのようだ。

「ちょうど5文だけ聞いてもらえればいいんです。弁明をちゃんとしないといけませんよ。」

「今、まさか聖物を疑っているのですか?判断を下したのは私ではなく、聖物が、主神が直接・・・!」

バンッ!

その父親が手で軽くトンと叩いただけなのに、大司祭の肩から揺れていた肩掛けがそのまま飛び散る。

ああ、気の毒なことだ。

「全部見え透いた嘘を言っているんですね。それ、本当に聖物なんですか?子供たちの前で嘘をつくなんて悪いことなのに。」

母親がクスクスと笑った。

「い、今、聖国で任命された大司祭である私を疑っているというのか─!」

バーン!

母親が国王の前に飾られていた陶器をそのまま大司祭の前に軽く下ろしながら、表情を和らげた。

「これで一文だけ残りましたね。大司祭様、どうぞゆったりとした時間を大切にしてください。」

罵倒や怒鳴る言葉は一切なかった。

しかしその穏やかな振る舞いに、大司祭は以前とは異なり簡単に口を開けず、戸惑った。

うわ、感情が渦巻いているよ。

大司祭の顔が物語っている!

(ただ間違っていたと認めて横に引っ込むだけなのに。)

そしたら、心優しい母親が助けてくれるかもしれないじゃない?

でも、そんな知恵があるなら、聖職者の題材で黒魔法に手を染めるはずがない。

(本当に気分が悪いよ、こんな奴らは最後の罰も自分勝手なやり方でしっかり受けるものだよ。)

それでも、歯を食いしばりながら境界線を越えることはしなかった。

そして彼は、私の期待を裏切らなかった。

「賢く、よく見てください、公爵夫人!近いうちに、この神殿で!!感謝して頭を下げることになるでしょうから!!」

もう見過ごせないと、大司祭が光輝に満ちた声で叫んだ瞬間、私はとっさに足を踏み出して動いた。

空気が揺らぐように、不気味な気配がこちらへ向かってきたからだ。

「アナスタシア!」

その瞬間、大司祭の手がどこかへ飛んでいったのを確認した母親が、驚いて駆け寄り叫んだ。

ドカン!

しかし、それより早く轟音が響き渡った。

神殿の前に立てられた金色の柵が急に内側へと収縮した。

「はっ、はっ、これは一体何事だ! 皆、外部の人間を、外部の人間を守れ!」

「煙を吸わないでください! 危険なものかもしれません!」

誰も事態を把握できず混乱している中、大司祭だけが自信たっぷりに笑みを浮かべていた。

「くっ、くっ、ははは! さあ、よく見てください! 特別なものが秩序を整える瞬間を・・・!」

しかし、彼の余裕は長く続かなかった。

柵が崩れた瞬間、群衆の視線が注がれたのは、私やミハイルの方向ではなく、髪の毛と灰が散った場所だった。

まさに、きらめく彼の正装だった。

「そ、そちらを見てください・・・!」

「大司祭様の頭の上に、あれが・・・まさか見間違いではないでしょうね?!」

「汚れた聖水を、汚らわしいものを見た目を洗い清めないといけません!」

貴族たちが彼を見て驚きながら震え、ざわつく声に大司祭は呆然とした顔で周囲を見回した。

「なぜ私を見てそんなことをおっしゃるのですか! 撃たれたのはあちら側ですよ!」

自己紹介もちゃんとすべきだ。

(不意を突かれた。)

私がいるのにまた黒魔法の道具を使う?

本当に聖職者が細工ばかりするなんて!

怯えた顔で近づいてきた母を見て、私は涙を浮かべながら口を開いた。

「お母さま。」

「私たちのアナスタシア、怖かったの?」

「はい。」

そう言いながら、私はミハイルの片手を握ったまま母の首にしっかりと抱きついた。

「頭が半分、伯父さんみたい。」

「ええ。お母さんがここにいるから、ゆっくり話してみましょう。」

「そうですね、ミハイルと私のところに物を投げつけてきたんです。それで。」

母は震える私の背中をトントンと軽く叩いてくれた。

「私が、ちょっと怒って、こうやって打ったんです。」

「打ったの?」

「はい、それで半分頭の伯父さんのところに行けって。」

私の言葉に、全員の視線が大司祭に向かった。

だから、悪いことをしたら報いを受けるものじゃない?

感謝しなさい、大司祭。

私が無料で頭のタトゥーサービスをしてあげたんだから。

 



 

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