メイドになったお姫様

メイドになったお姫様【69話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【メイドになったお姫様】まとめ こんにちは、ピッコです。 「メイドになったお姫様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

69話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 苦い過去

グレイス皇女は、第三皇妃ライララの娘として生まれた。

グレイスの性別に、ライララ皇妃はそれほど失望しなかった。

すでにグレイスの上には、皇位を争う可能性のある息子が二人いたからだ。

「私が産んだ二人の息子が皇位を巡って争うことだけは避けたかったの。むしろ娘でよかったわ。」

ライララ皇妃は以前と変わらず息子たちに関心を注ぎ続けた。

自然と、グレイスはその影に隠れる形となった。

ライララ皇妃はグレイスに厳しい要求をすることもなく、叱りつけることもなかった。

ただ、グレイスがしたいようにさせていた。

そのような母親の姿勢に物足りなさを感じることもあったが、グレイス自身はそのおおらかな人生に満足していた。

幼いグレイスはケーキの一切れを口に運びながらこう言った。

「公主として生まれたおかげで美味しいものがたくさん食べられる。私は幸せよ。」

それは心からの言葉だった。

グレイスは食べることがとにかく好きだった。

朝から晩まで出された食べ物を一切残さずきれいに平らげ、目の前にある空の器を眺めながら「明日は何を食べよう」と楽しげに思いを巡らせることもあった。

そのおかげでグレイスは赤ん坊の頃からずっと丸々とした体型だった。

しかし、それが原因でストレスを感じることはなかった。

「まあ、公主なら誰とでも結婚できるわよ。それに少しくらいふくよかだからって、そんなに問題はないじゃない?」

親しい間柄のライララ皇妃は、そんなことを気にするほど娘に関心を持っていなかった。

周りにいた侍女たちも甘い言葉を投げかけた。

「公主様は本当に愛らしいですわ。」

「世界で一番美しいグレイス公主様。」

そんな幸せな日々が続いていたある日、

「婚約ですって?」

14歳になったグレイスは、生クリームたっぷりのパンを口に入れたまま目を丸くして眉をひそめた。

ライララ皇妃は落ち着いた様子で彼女をなだめた。

「そうよ。あなたは公主なんだから、そろそろ婚約の話が出る頃よ。」

14歳といえば珍しいことではなかった。

グレイスもその事実を理解していた。

しかし、予定されていたこととはいえ、驚きを隠せなかった。

グレイスは真剣な顔で問いかけた。

「婚約の相手は誰ですか?」

ライララ皇妃が答えた。

「アイザック・フォン・ヘイスティングス。ヘイスティングス伯爵家の三男よ。」

コトン。

ライララ皇妃の話が終わる前に、グレイスの手にあったパンがテーブルの上に落ちた。

グレイスは信じられなかった。

アイザック。

グレイスもまた、貴族の少女たちから「貴族界の王子様」として知られるほど人気の高い少年の存在を知っていた。

そして多くの貴族の少女たちがそうであるように、グレイスもまたアイザックを密かに慕っていた。

『私がそのアイザック様と婚約を!?』

瞬間、顔が熱くなり、心臓がドキドキし始めた。

グレイスは丸いパンを持ち上げて叫んだ。

「公女に生まれて本当に良かった!」

その様子を見たライララ皇妃は、目を細めて注意した。

「グレイス、食べることは止めないけれど、せめて最低限の礼儀は守りなさい。」

もちろん母の声は少しも耳に入らなかった。

数日後、アイザックが宮殿を訪れた。

グレイス皇女に会うためだった。

『貴族界の王子様。』

幼い貴族の少女たちがひそかに呼んでいたあだ名通り、アイザックは凛々しい顔立ちをしていた。

特に優しく揺れる瞳が魅力的だった。

アイザックはグレイスの前に進み出て、少しふくらんだ彼女の手の甲に軽くキスをした。

「美しい公女様の婚約者となれることは、この上ない光栄です。」

グレイスの胸はドキドキと高鳴った。

ああ、これは恋だった。

数か月後、グレイスは華やかに着飾っていた。

「公女様、本当にお美しいです。」

「誰でも公女様を一目見たら心を奪われるでしょう。」

興奮した侍女たちの言葉を聞きながら、グレイスは鏡に映る自分をじっと見つめた。

今日のために特別に用意された、ナフルレースが装飾された淡いピンクのドレス。

裾は長く広がり、黒絹のように艶やかな髪は王冠の下で美しく流れている。

『正直、こういうスタイルはあまり好きじゃないけれど、侍女たちが皆これを美しいと言うのなら、きっと美しいに違いないわ。』

グレイスはほんのりと赤みを帯びた顔で自分の姿を鏡に映して評価した。

グレイスがこれほどまでに装いに気を使った理由は、今日の皇宮で開かれる宴会が非常に特別なものであったからだ。

「ついに人々に、アイザック様と私が婚約していることを公表するのね。」

グレイスとアイザックの婚約の話が持ち上がったのは数ヶ月前のことだったが、まだ公式には発表されていなかった。

婚約前には、様々な条件を整えなければならないことが多かったためだ。

その間、グレイスもアイザックも慎重に行動し、婚約のニュースを知る者は極めて少なかった。

「でも、これでそれも終わり。」

今日から、すべての人々がグレイスとアイザックの婚約について知ることになるのだ。

グレイスは知らず知らずのうちに興奮で胸が高鳴り、心が浮き立つのを感じていた。

「アイザック様を熱烈に愛している貴族の少女たちが何人もいるわ。みんな、私をものすごく羨ましがるでしょうね。」

14歳の少女らしい幼稚な考えを抱きながら、グレイスは宴会場へと向かう。

グレイスが登場するや否や、集まっていた少女たちが彼女を囲んだ。

グレイスと同じくらいの年頃の貴族の少女たちだった。

皇族の権威に匹敵するほど、皇女の地位も高い。

それはグレイスにも当てはまっていた。

だから貴族の少女たちはグレイスと親しくなるために懸命に努力していた。

その中には伯爵の娘、ジュリアもいた。

ジュリアは優雅な笑みを浮かべながら言った。

「グレイス皇女様、ピンクのドレスをお召しになったお姿が、まるで初夏のボタンの花のように美しいです。」

ジュリアはグレイスを見るたびに甘い賛辞を惜しみなく送った。

グレイスの唇が自然と緩んだ。

『美しい子が私を見て美しいと言ってくれるなんて。』

正直に言えば、気分が良かった。

「ジュリア、あなたも素敵よ。」

グレイスの言葉にジュリアは顔を赤らめながら控えめに手を振った。

「いえ、私はそんな……。」

その姿に少女たちはくすくす笑った。

「まあ、遠慮しなくていいですよ。ジュリアさんが美しいのは事実なんですから。」

「そうですよ。以前のデビュタント舞踏会の時に、2番目に多く花束をもらったのもジュリアさんでしたし。」

「1番目はもちろんグレイス皇女様でしたけどね。」

和気あいあいとした会話を交わしている少女たちの間に、低く落ち着いた声が割り込んできた。

「失礼します。」

若い少女たちの目が見開かれた。

当然だった。

彼女たちのもとにやってきたのは、あのヘイスティングス伯爵家の息子、アイザックだったからだ。

『まあまあ。アイザック様が私たちに何の用事でしょうか?』

『これはどういう状況だろう?』

少女たちの視線の中で、アイザックが柔らかな声で口を開いた。

「皆さんではなく、グレイス皇女様にご挨拶をしに来ました。」

「……えっ!?」

目を大きく見開いた少女たちの間で、グレイスだけが動揺せずに平静な表情を保っていた。

アイザックはグレイスの前まで優雅に歩み寄り、丁寧にお辞儀をした。

「皇女様、お久しぶりでございます。ご機嫌いかがですか?」

「ええ、アイザック様は?」

「私も元気にしております。それに、皇女様から頂いたカヤナサン産のチョコレート、とても美味しくいただきました。皇女様が仰っていた通り、甘さ控えめながらも口の中でとろけるようで……。」

グレイスの顔がぱっと明るくなった。

「お気に召していただけて何よりです。甘いものがあまりお好きではないと伺っていたので、少し悩みましたけれど。」

少女たちは二人の間に漂う微妙な雰囲気を察した。

ジュリアが目を細めながら尋ねた。

「私たちの知らないうちにお二人、とても親しい関係になられたみたいですね。」

グレイスは待ち望んでいた質問が来たかのように目を輝かせた。

婚約が成立した後、グレイスは一日でも早く、この素晴らしい男性が自分の婚約者になったことをみんなに誇らしげに伝えたいと思っていた。

今日、ようやくそのことを話せる日が来たのだ。

グレイスは喜びに満ちた心を込めて堂々と答えました。

「実は、アイザック様と私、婚約することになったの。」

グレイスはこの言葉をみんなに伝える瞬間を何度も想像していた。

もちろん、驚くだろうって?

そして、笑顔で祝福の拍手を送ってくれるだろうって。

二人は本当にお似合いだと、お祝いの言葉をもらえると想像していた。

しかし、少女たちの反応は予想とは違っていた。

「……?」

少女たちの顔に驚きが広がった。

まるで信じられない話を聞いたかのように。

しかし、すぐに笑顔を取り戻して手を叩き合わせた。

「なんて素敵で嬉しい知らせでしょう。」

「そうですね。アイザック様、グレイス様、本当に婚約おめでとうございます。」

少女たちが嬉しそうに喜びを表す様子を見て、グレイスは先ほど感じた違和感を忘れることができなかった。

『私、何か勘違いしたのかな?』

グレイスは特に深く考えず、幸せな笑みを浮かべた。

 



 

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