こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は54話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
54話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 文化をリードする
エレナは定期的にラファエルの画室を訪れた。
絵を学ぶという名目ではあったが、本当はラファエルの力になりたいために。
図書館を基点にして、西側別館の道を見つけのは幸いだった。
中央広場を通れば、レンとの遭遇は非常に高いのだから。
「先輩、来ました」
気分良く声をかけたにもかかわらず、画室は静かだった。
「どこに行ったんだろう?この時間は講義がないはずなのに」
不思議な気持ちで首を傾げるが、とりあえずはお茶の用意をすることに。
ちょうど今日、大公家で紅茶の葉が入ってきたところなので、それらをラファエルと一緒に飲もうと考えていたのだ。
銀のポットが沸騰する間、エレナは考える。
「何とかラファエルの役に立ちたいけど、難しいわね・・・」
エレナはスランプを乗り越えたラファエルが、時代を代表する芸術家に大成する姿を見たかった。
「先輩が卒業後に、必ず私と一緒に入れたらいいのに」
時代の変化に備えて多くのことを準備していた。
以前の人生でカリフが行ったアート仲介士をもっと深く発展させる計画。
芸術家は芸術だけに集中できるようにして、仲介業者は販売と経営にのみ関心を持つ。
そして文化をリードする空間を作る。
それがエレナの大きな計画であり、ラファエルはその中心軸と言えるほど重要な人物。
そう考えていると、後ろから人の気配が。
「先輩、来ましたか?」
嬉しそうに笑いながら振り返り、エレナの表情が一瞬固まった。
そこにはラファエルではなく、シアンが無表情で立っていたから。
- エレナの紅茶
「皇太子殿下にお目にかかります」
動揺を抑えて礼をする。
「君はよくここに来るんだな」
「ラファエル先輩に絵を教えてもらっていて」
「絵を?」
「はい」
会話に違和感を覚える。
夫婦として過ごしたときでさえも、こんな日常の会話をしたことがなかったから。
「セシリア先輩はここにはいらっしゃいませんでした」
「セシリアに会いにきたわけではない」
「え?じゃあなぜここに?」
シアンの意図が分からずに困惑する。
セシリアに会いに来たのでなければ、こんなジメジメした地下の画室に皇太子が訪れる理由がないのだから。
「君を探していた」
「私ですか・・・?」
一瞬だけドキッとする自分が嫌になる。
(何を期待しているの?)
過去の人生で、彼が言った言葉全てに反応する自分を思い出して、エレナは情けない気持ちになる。
「なぜ私に会いに来てくれたのか聞いてもいいのでしょうか?」
シアンは何も言わずにエレナをじっと見つめていた。
「理由?じゃあ・・・、今日は君が淹れてくれる紅茶を飲みに来たことにしようか」
「紅茶ですか?」
そんな返事が返ってくるとは思ってもいなかった。
「・・・」
「お湯が沸いているが?」
「はい?あっ!」
慌ててポットを触って火傷をするエレナ。
そんな彼女の様子を見て、シアンが代わりにポットを置いてくれた。
(恥ずかしい・・・)
すぐに気持ちを切り替えて、紅茶の準備をする。
(皮肉よね・・・。他人になってからお茶を淹れてあげるなんて)
「過去の皇帝」だったシアンはお茶を好んでいたが、その中でも海の向こうで流行していた東方大陸の紅茶の深い味と香りを好んでいた。
王妃になったエレナは、そんなシアンのために茶道を覚える。
そんな彼女が自ら淹れたお茶を味わった人々は口を揃えて絶賛していた。
社交界の幼い子供たちに見習うべき標本にという言葉さえも。
「君は茶道を正式に習っているのか?」
「淑女が身につけるべき基本的な心得ですので」
エレナの所作は全てが完璧に近かった。
「どうぞ」
清らかで深い香りのする紅茶を茶碗に入れて差し出した。
シアンは黙ったまま紅茶を飲む。
「・・・」
エレナは緊張の眼差しで、彼の反応を見た。
「驚いた」
最初に出た彼の言葉は感嘆。
「お口に合いますか?」
「さっき、茶道が基本的な教養だと言ったね?」
「はい?そうですが・・・」
「謙遜極まりない言葉だね。今まで皇居でも味わったことのない深い味わいだ」
「・・・!」
シアンは紅茶を飲むたびに賞賛の言葉を惜しまなかった。
まるで見せかけではないことを証明するかのように。
「お代わりをくれないか?」
(嘘でしょ?)
今の状況を信じることができない。
過去の人生では一度も視線をくれなかった。
そんな過去が嘘のように、シアンはエレナが淹れた紅茶を賞賛している。
そう考えて呆然としていると。
「君は飲まないのか?」
「あ!これから飲むつもりです」
自分もお気に入りの紅茶であるにもかかわらず、何を飲んでいるのか分からなかった。
しかし、過去の人生では成し遂げられなかったことに成功して、エレナは満たされた気持ちになる。
(どうか・・・、皇后さまとお幸せに)
- 一緒に
その後もしばらくラファエルを待ち続けるが、彼が戻ってくる様子はなかった。
「今日は見られないと思うので、また来ますね」
エレナは一刻も早くこの気まずさから逃れたくて、急いで帰り支度を始めた。
「殿下、では私はお先に失礼します」
「どこに行くの?」
「・・・図書館です。ちょっと立ち寄る用事がありますので」
変装を解くのもそうだが、今日はメイを帯同している。
帰りの時間を合わせて、彼女と一緒に寮に帰るつもりだった。
「良かった。私もちょうど図書館に行こうと思っていたから、一緒に行こう」
「殿下と一緒にですか?」
「何か問題でも?君を二度見たのも図書館だと思うが」
「それは・・・」
できればお供はしたくない。
シアンは皇帝を導く皇太子。
そんな彼と一緒に歩けば注目を浴びるのは必然だろう
レンだけでも厄介なのに、他の人にも睨まれたらルシアになりすますのが難しくなる。
「どうした?何か言い分でもあるのか?」
「・・・」
「早く行こう」
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