こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
50話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 血塗られた求婚
「もちろん、ロクサナさんに個人的な関心もあります」
オルカはそこでしばらく言葉を止めた後、私をじっと見つめた。
その後、彼の顔に浮かんだのは明らかに私を誘惑するような密かな微笑。
あまりにも露骨で、私とカシスの関係を公然と知っているイシドールとオリンがこっそりと顔を歪めるほどだ。
「だからあまり警戒しないでください。パンドラと違って私は紳士ですので」
オルカは自身の無害さを主張する。
まるで鋭い牙と爪を隠して、羊を連れ出すオオカミのように。
「どうも誤解があるようだけど」
私はそんなオルカを見て口を開く。
「今までのこととは別に、私はあなたと親交を築きたいと思っていないわ。白の魔手師」
私の口から聞こえてくる単調な音声に、オルカがピクピクする。
おそらく今、彼を見つめている私の目も声に劣らず無感情に乾いているに違いない。
「な、なぜでしょうか?私がロクサナさんに憎まれるようなことでもしたのでしょうか?ああ、もしかして私があの時ロクサナさんに魔物だと言った事をまだ心に留めていらっしゃるのなら___」
「違います」
「じ、じゃあ、どうして?」
私は疑問を抱くオルカをじっと見つめながらうつむいた。
「理由は簡単です」
そして唇の先をそっと引き上げて微笑む。
「あなたという人自体に全く興味が湧かないからです」
その瞬間、オルカの顔が硬直した。
彼の目が微かに震えているのが視野に入る。
「残念ながら私はあなたとの出会いに何の感動も感じられません。それにもかかわらず、あなたが私に関心を示すという理由で、心にもなくそれに応じなければならない義務はないのでは?」
イシドールとオリンも少し驚いたようだ。
彼らは私がこのように高慢に感じられる口調で話すのも、またこのように謙遜さの美徳などない嘲笑交じりの笑みを浮かべるのも初めて見ただろう。
「ですからあなたも必要以上の関心は集めないでください。お互いに時間を無駄にしたくありませんよね、白の魔手師?」
オルカは内心当惑したようだ。
彼はまさか女性からこんな事を言われるとは夢にも思わなかった表情を浮かべていた。
「えーと・・・。私はロクサナさんと話が合うと思っていたのですが・・・」
オルカは簡単に言葉を選ぶことができず、少し辿々しい。
その反応を見ると、どうやら先に関心を示した相手にこのような直接的な拒絶の言葉を聞いたのが初めてのようだ。
隣にいたイシドールとオリンが何か嬉しそうな顔をしているのは気のせいではないだろう。
オルカは妙な目つきで私を見ていた。
微々たる不快感と戸惑い、そして混乱と前回の庭園でチラッと見た奇妙な熱が入り混じった複雑な目つきだ。
しばらくしてオルカは固く閉ざしていた口を開けて沈黙を破る。
「そういえば、ロクサナさんにお返しするものがあったのですが」
私の言葉を受け入れたのか、オルカはこれ以上私にびくともせず、ポケットから何かを取り出した。
それは、この前テラスから飛んでいったシルビアのリボン。
「この状況でペデリアンに長くお世話になるのも失礼でしょうから、私もそろそろフィペリオンに戻らなければなりません」
オルカは口元を小さく捻って微笑みながら言った。
「そうですか。短い出会いでしたが、嬉しかったです」
私も彼に別れの挨拶をする。
もっと粘り強く頑張ると思っていたオルカは、思ったよりもあっさりと退いた。
「今度はペデリアンの外でお会いしたいですね、ロクサナさん」
オルカはさっきのように明るい笑顔を浮かべる。
しかし、彼が交わした奇妙な挨拶は、気のせいなのか、どこか意味深長に聞こえた。
「あら、お二人ともご機嫌よう」
その時、シルビアが現れた。
どこかで私の消息を聞いて来たのか、それともただこの道を通って偶然出会ったのかハッキリ分からない。
けれど、彼女のか細い体からそれとなく流れ出る気迫が戦闘的であることを見ると、おそらく前者のようだった。
「いい午後ですね、ロクサナ。そして白の魔手師様」
「こんにちは、ペデリアン様。今日も相変わらず美しいですね」
オルカはいつもの軽い態度で挨拶をする。
彼はいつもと同じように滑らかな舌を使う代わりに、この場から退くことを知らせた。
「このままペデリアンさんともう少し長くお話したいのですが、私はこれからペデリアンに戻る準備をしなければなりません」
「ああ、もう領地に帰られるのですか?」
「ええ。それでは私はこれから首長様に挨拶をしますので、これで失礼します。どうぞお二人で楽しい時間をお過ごしください」
オルカはそのように挨拶を残した後、本当に席を離れた。
イシドールも私とシルビアに一度小さく黙礼した後、オルカの後をついて行く。
「どうしたの?」
オルカの後ろ姿を眺めるシルビアの表情に疑問が浮かんだ。
彼女は多少気が抜けたようだった。
戦闘態勢を万全で来たのに、相手がすぐに消えてしまって、少しガッカリしているようにも見える。
「どうも、先ほどロクサナお嬢様に心を断られたことで、心的なショックを受けたのではないかと思います」
今まで静かにしていたオリンが口を開く。
彼女の声には、厄介な虫を払い除けたようなスッキリとした感情が見える。
「心を断られたなんて」
シルビアの目が丸くなった。
私は彼女を見て何でもないかのように、可笑しく笑ってみせる。
シルビアはとても気になっている様子だったが、それでも別のことを先に尋ねた。
「あ、ロクサナ。もう体は完全に快癒しましたか?顔が少し痩せているように見えますので」
心配そうな目で私を見上げるシルビア。
手を上げて彼女の頭を撫でてしまったのは衝動的なことだった。
私の行動に、シルビアの頬は瞬く間に赤みがかかる。
「シルビア、あの時あなたがくれたリボン、私が持っていてもいい?」
オルカが返してきたリボンには、これといった異常な痕跡は残されていなかった。
しかし、なぜかシルビアにリボンを返したいという気にならない。
念の為、リボンをこのまま持ち帰って処分するつもりだ。
「もちろんです」
シルビアは嬉しそうに破顔する。
彼女が小説のヒロインだからではなく、カシスの妹だからではなく、ただ彼女自体が愛らしくて綺麗だった。
不思議なことに、私は笑顔のシルビアを見るたびにジェレミーを思い出した。
二人は全く似ていないのに。
この前、リセルの執務室に行って以来、ジェレミーを思い出す回数がもっと頻繁になった。
あの時に聞いた話を思い出す。
ジェレミーはアグリチェに残ると言った。
そして、このままアグリチェを消すのではなく、自分が代表となってアグリチェを復権させる方向に動くと。
『もし僕が・・・、僕がアグリチェを姉さんが笑えるような場所にしたら戻って来てくれる?』
あの時の言葉は本当に本気だったのだろうか?
私は切実な目つきをしていたジェレミーに何の返事もしなかった。
それにもかかわらず、彼は私が壊したあの廃墟に残って、一人で努力をしている。
私は確かにあの日、私が持っているものを全部捨ててきたと思っていたのだけど。
しかし相変わらず私を縛っているものが。
以前はそれが私の足を引っ張っている数多くの足枷として感じられたが、今はそうではなかった。
それならば、おそらくジェレミーの言葉のようになるのかもしれない。
今すぐじゃなくても、いつかは。
けれど多分、そんなに遠くない時に。
そう思いながら私はぼんやりと笑った。
なぜか今この瞬間、シルビアではなくジェレミーの頭を撫でているような気がして。
別館についた時、カシスはまだ戻っていなかった。
そういえば、さっきオルカが青の首長に会いに行くと言ってた。
じゃあ、先にリセルに会っていたカシスのせいで目的を達成できなかったのかもしれない。
「お嬢様、失礼いたします」
「どうぞ」
そんな中、使用人が部屋のドアをノックする。
入ってきた使用人が、私に濃い赤色の封筒を差し出す。
「お嬢様の元に書信が届きました。発信地は黄のベルティウムです」
意外な言葉を聞いて、私は少し眉をひそめる。
ベルティウムが私宛てに手紙?
どうして私がここにいることを?
もちろん、あえて外部に必死に隠していた秘密でもない。
しかし、そのような理由はともかく、ベルティウムが私に手紙を送るだけの理由がなかった。
「ペデリアンで内容を確認した?」
「いいえ。基本的な検査だけ終えております」
基本的な検査といえば、手紙に危険なものが入っていないか、あるいは些細な呪術がかかっているか等を確認したという意味だ。
使用人を帰した後、私はソファに座って手紙を開けてみた。
中には4〜5行ほどの短い内容が。
礼儀的に入れたりする長い叙述を全て省略した、淡白で簡単な書信だ。
<ロクサナ・アグリチェ様。あなたにお会いしたい切実な気持ちを込めて、あなたが懐かしがるようなものを送ります>
どういう意味なのだろうか?
疑問を感じながら封筒をひっくり返すと、その中から何かが落ちた。
それは誰のものか分からない、一握りくらいで切られた金色の髪。
それを見て眉をひそめ、その後、手紙の内容を読み終えた。
<遠く離れた土地から見る血肉の痕跡はさらに格別で、凍りついた心を溶かし、深い郷愁に浸ります。私のプレゼントを気に入っていただけたら招待に応じてくださることを期待しております>
紙の上に書かれた文字を読むほど、次第に気分が冷えていく。
<では、あなたの大切な人と一緒にお待ちしております。ノエル・ベルティウム>
<あなたの大切な人と一緒にお待ちしております。ノエル・ベルティウム>
「つまらない真似をするわね」
ノエル・ベルティウムからの手紙を読み終えて微笑む。
ここに書かれた内容と同封された髪の毛の意味が何なのか、疑いの余地もないだろう。
血肉の痕跡、そして私の大切な人。
この全ての連結点と繋がった人物は世界にただ一人だけ。
ノエル・ベルティウムは今、私の母を自分が連れていると脅しているのだ。
「非常に不愉快ね」
しかし、これが本当に母の髪の毛だとは思わなかった。
彼女が本当にノエル・ベルティウムの手中にいるはずがないと判断できる。
アグリチェにいた最終日、私はエミリーを母の元へ送り、母の望み通りに動くように命じた。
もし彼女がアグリチェに残ることを選んでいたら、邸内の安全な場所に避難させるつもりだった。
また、アグリチェを離れることを選択するなら、それもやはり彼女が望む通りにできるように予め準備を済ませていた。
母親のために用意しておいた場所は、当然ベルティウムの領域ではない。
何よりも、その後二人に何か起きた場合、私に届くはずの信号が届いていないのだ。
その理由でなくても、私の直感が、これは母の髪の毛でないと伝えている。
だからこれは色が似ている他人の髪の毛であるに違いない。
前回の和合会の時、鼻血を出しながら曖昧に振る舞う姿を見て、彼にも純朴な一面があると思っていたが・・・。
こんなにも卑劣でずる賢いやり方をするとはね。
もっとも、小説で描写されたノエル・ベルティウムは、子供のような純真無垢な顔の中に凶暴な一面を隠している人物だ。
私は手に持っていたものをテーブルの上に置く。
ノエルは私が動揺して自ら向かってくると考えて、このような真似をしたのかもしれないが、残念ながらあまり興味がなかった。
「・・・」
目の前に置いた封筒を見下ろして、指で椅子の肘掛けを軽く叩く。
それでも確認してみて悪いことはないだろう。
毒蝶と交信できる距離には限界があって、現在母の居場所に直接蝶を送ることはできなかった。
その代わりにグリセルダに連絡を取る。
アグリチェを離れてから、このように他の人に連絡するのは今回が初めてだ。
「しばらく席を外さなければならないことができた」
「そうなの?」
その晩、別館戻ってきたカシスが私に言った。
私はベッドにうつ伏せになりながら、さっき読んだノエル・ベルティウムの手紙について考えていた。
カシスが私のベッドの上に腰掛けると、私も体を動かして彼に近づく。
カシスは柔らかな手つきで私の髪を撫でた。
彼は近いうちに5つの家門の集まりに参加しなければならないそうだ。
アグリチェでの出来事の主役だっただけに、カシスも当然顔を出すべきだと。
リセルとの会話が長いと思ったら、やっぱり大事な会話を交わしていたのね。
カシスの顔をじっと見つめる。
実際、アグリチェでの出来事のほとんどは私が絡んでいた。
しかし、その事実を知っている人はごく少数で、ごく少数の人は私を水面上に置く気のない人たち。
私はアグリチェの破滅を、私が果たすべき最後の課題だと考えていた。
それ以外のことは何も想定していなかった。
なぜなら、その後の私の残って寿命がどれだけでも、私の人生はきっとアグリチェと一緒に終止符を打つことになると思っていたから。
けれど、今はあの時とは状況が変わった。
もちろん、今も私に何かをしろと催促する人は誰もいなかったが、このままいつまでもこの場に止まっているわけにはいかないのだろう。
そう思いながら、私はカシスを見て微笑む。
その笑顔を見たカシスも私に笑いかける。
ベルティウムはペデリアンにいる私宛に公然と書簡を送った。
だからカシスの耳にも便りが届いたはず。
しかし、彼は顔を出さなかった。
以前リセルの執務室に行った時、アグリチェの話を聞いたのか、私に先に確認しなかったように。
それで私も敢えて彼に説明しなかった。
私としては多少安心することもある。
もしカシスが私に何かを聞いても、率直に答えたか断言できなかったから。
「あなたのお母さん、良い方だったよ」
突然言い出した私の言葉に、カシスの目つきが少し変化する。
彼は私の顔を黙って見下ろす。
まるで私と彼の母親の会話を、私の表情から類推しようとしているようだった。
「シルビアは母親によく似ているみたいだけど」
「外見上はね。性格はあまり似ていない」
幸いにも私の顔から気になる点を発見できなかったのか、カシスの表情が少しほぐれる。
「そうね、性格はシルビアよりあなたの方がお母さんに似ているようだったわ」
「そんな話は初めて聞いたね」
私の髪を梳いていたカシスの手が顔に移り、顔のラインに沿って滑った手が私のあごを軽く上げた。
頭を下げたカシスは今までで一番優しくキスをする。
背中が痺れるほど荒々しく性急な口づけではなく、羽でくすぐられるような、気怠い口づけ。
それだけに、感慨深いキスでもあった。
しばらくして頭を上げたカシスは、近くから私を見下ろす。
あごから運ばれた手が水気に濡れた唇をゆっくりと撫で下ろした。
私は唇を開けて彼の指を噛む。
そして舌を出した。
すると、今朝のようにカシスの瞳が沈んだ。
すぐに唇が重ねられる。
深く掘り下げた舌が、口の中を荒くかき回す。
気がついたら、いつの間にか私はカシスの下敷きになってベッドに完全に埋もれていた。
しばらくすると、濡れた音を立てて唇が剥がれていく。
私を見下ろしたカシスの瞳と合った瞬間、首の後ろがゾッとした。
熱の集まった金色の瞳が私を覆ってしまいそうだ。
今度はもっと深く頭を下げたカシスが私の首に唇を埋める。
目の前で彼の銀色の髪が呆然と乱れた。
衣類をかき分けて現れた胸を手に握り締められ、首筋を口に含んで吸い込む動きに、私の口から小さく呻き声が漏れる。
3日間、飽きるほど体を重ねて、もうしばらくはこんな気にはならないと思ったのに。
完全に私の誤算だった。
ある意味で、これはカシスと私にとって一種の対話法を同じなのかもしれない。
カシスも私も、お互いに伝えられなかった言葉と問いの代わりに、こうして直接体と体温を分け合いながらお互いの存在を感じているのかもしれない。
そのためか、お互いに触るカシスと私の手は、いつもどこか切迫しているほど切実だった。
カシスの手と唇がだんだん下に下がっていく。
素肌に休む間もなく踊り狂う熱気が漂っていた。
そうするうちに私の奥深くまで入り込んで、果てしなく激しく押し寄せる動きに気が遠くなる。
「あ、カシス、ちょっと待って、ゆっくり・・・」
一度快楽の頂点に立ったばかりなのに、カシスはその余韻が消える前にもっと深く身を重ねてきた。
このままだと本当に息が切れそうで思わず弱音を吐いてしまう。
すると、容赦なく追い込んできた動きが、ほんの少し遅くなった。
頭の上で浅いため息か笑いか分からない音が入り混じった低い音声が響く。
「ゆっくりだなんて、難しい要求だね」
少しは私の言うことを聞いてくれるふりをしているのかと思ったが、やっぱりそれは誤魔化しだった。
知っていはいたが、カシスの態度は夜と昼で本当に違う。
私は怒って、目の前の彼の首筋を噛み締めた。
そして彼が自分のものだという痕跡が残るほど強く吸い込む。
「あなたもちょっとやられてみろ」という気持ちでやったことだが、この3日間、私の行為は何の役にも立たなかった。
むしろカシスは私が与える痛みさえ興奮に置き換えているようだ。
正直、ある程度は私もそうだった。
昨夜そうだったように、今日も私とカシスは寝返りを打ちながら、ほとんど夜明けまでベッドの上で一つになっていた。
果てしなく燃え盛っていた火が消尽した後、カシスがだらりと垂れ下がった私に生気を与えてくれた。
いつも疲れるのは私が先で、私はその事実に腹を立てている。
けれど、そうね。
肯定的に考えると、私が満足する前に相手がベッドの上で疲れて倒れるよりはマシだった。
「こんな風に私に力を与えるたびに、あなたに迷惑をかけているんじゃないの?」
じっとカシスの顔を見上げたまま尋ねる。
すぐに彼は私の頬に唇をつけて囁いた。
「そんなことは気にしなくてもいい」
カシスの言葉が本当かどうかを判断するために彼を注視する。
どうやら私に嘘をついているわけではないようだ。
私はやむを得ず安心感がこもっているのを感じながら、ゆっくりと目を閉じた。
「疲れているんだから寝て」
顔に優しい視線と口づけが舞い降りる。
微かな囁きが子守唄のようだった。
カシスの言葉通り全身が怠い。
私は彼に抱かれたまま眠った。
-
オルカの拒絶とシルビア・ジェレミーの気配:
オルカからの軽薄なアプローチを「あなたという人自体に全く興味が湧かない」と一蹴してきっぱりと拒絶し、シルビアのリボンを回収して別れたロクサナは、笑顔のシルビアを見るたびにジェレミーの頭を撫でていた時の記憶や彼の言葉を思い出していました。
-
ノエル・ベルティウムからの脅迫状:
別館に戻ったロクサナの元に黄のベルティウムから一通の手紙が届き、母の髪の毛とされる金髪が同封されていましたが、直感や事前の準備からそれが偽りであることを見抜き、グリセルダへの連絡を通じて冷静に対処を試みます。
-
カシスとの深く激しい交わり:
5つの家門の集まりを控えるカシスが別館に戻り、手紙の件について直接的な言及はしないまま、お互いの存在を確認し合うかのようにベッドの上で激しく、そして切実な時間を夜明けまで分かち合いました。