影の皇妃

影の皇妃【109話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は109をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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109話 ネタバレ

影の皇妃【108話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「影の皇妃」を紹介させていただきます。 今回は108話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • ヒュレルバードへの告白

「卿も乗ってください」

「私もですか?」

「ここには卿以外に誰かいますか?」

困惑するヒュレルバードにエレナは微笑み。馬車の内側の席を指差しながら座るように勧めた。

「・・・申し訳ありません」

ヒュレルバードは首を横に振って断る。

運転手は恋人を除けば、レディーと一緒に馬車に乗らないのが不文律だ。

馬車という密閉された空間に一緒に居ただけでも、レディーの節操が疑われる可能性が大きい。

「どうしてですか?見ている人はいません」

「それでも駄目です。私の行動は誤解を招くかもしれません」

「私を誤解する人はここにいないわ」

エレナの発言にヒュレルバードが目を丸くする。

「乗ってちょうだい。そうでなければ出発しません」

「・・・」

「さあ」

困惑していたヒュレルバードがエレナの強情に耐えきれず、結局馬車に乗り込む。

やがて馬夫が鞭を打つと、馬車は動き始めた。

 



 

エレナの向こう側に強ばった姿勢で座るヒュレルバード。

「卿、姿勢を緩めてちょうだい。見ているこっちが不憫になるわ」

「この姿勢が楽ですので」

「そうは見えないのだけど?」

エレナの心配にもかかわらず、ヒュレルバードは姿勢を崩さなかった。

「こういう時でも、卿はとても堅物ね」

「申し訳ありません」

「申し訳ないと思うようなことではないわ」

エレナは笑って頭の後ろに手を向ける。

そして結び目を解いて仮面を脱いだ。

「・・・卿、何をしているの?」

アタフタするヒュレルバードに尋ねる。

「申し訳ありません。結び目が解けなくて・・・」

「手伝うわ」

小さく笑ったエレナは手を伸ばし、ヒュレルバードの後ろ髪にしっかり結んだ鷲の仮面の紐を解く。

「・・・!」

仮面が外れて現れたヒュレルバードの顔は真っ赤だった。

本人も顔が熱くなっていることに気づいていたのか、頭を下げたままでいる。

「対話の始まりは、お互いを向き合うことから始まるわ。頭を上げてちょうだい」

「・・・」

「何度もこんなことになっては困るわ。私は今日、深いテーマを話す予定なのですから」

躊躇っていたヒュレルバードがようやく首を上げる。

「卿は気にならないのですか?私がなぜ舞踏会に行くのか?どうしてアヘンを買う理由があるのか?」

「気になりません」

「どうして?きっと気になっているはずよ。耐え難いほどに」

エレナの質問に、ヒュレルバードが真っ直ぐな目で答える。

「騎士は主君の命に従うだけです。疑ったり、疑問を持たないことを徳目と考えます」

「教科書のような返事を望んでいないわ。卿を馬車に乗せたのは、あなたの心のこもった返事を聞きたいからよ」

ヒュレルバードはしばらく口をつぐんだ。

普段見ることのできないエレナの慎重な態度に、彼も悩みながら口を開く。

「私が聞かないのは、公女殿下の意志を理解しきれないからです」

「理解しきれない?」

「私が見てきた公女殿下は常に2、3歩先を見通して動きます。今、1歩先を聞いても何の意味もないでしょう」

 



 

ヒュレルバードは未だにはっきりと覚えていた

単純にハンサムだという理由で、自分を護衛騎士に選任した日を。

しかし、それはごまかしだった。

公女殿下は外見を理由にまんまと人目を欺き、自分の剣術の実力に対して限りない信頼を寄せたのだ。

一度も剣を振り回す姿を見せたことがないのに。

それは今日も同じだった。

アヘンを取り扱う者と私的に接触すること自体が危険千万なことだ。

自分の心配のこもった助言にもかかわらず、公女殿下はたった一言で一蹴した。

『卿がいるじゃないですか』

第2騎士団員ですらよく知らない自分の本当の実力を見抜いたように、彼女は絶大な信頼を寄せてくれた。

確かに疑問に思ったが、ヒュレルバードは気にしていない。

騎士にとって、主君の人情と信頼に勝る名誉はないからだ。

「卿は私を過大評価し過ぎね」

「いいえ。公女殿下に仕えることになったことは、私の人生の最も名誉な祝福だと思っています」

ヒュレルバードの告白にエレナは言葉を失う。

まさか、ここまで彼が心底従ってくれていると思わなかったので、感動的だったのだ。

(けれど、私がベロニカ姫じゃないということを知っても、私についてきてくれるのだろうか?)

まだよく分からない。

(しかし、彼なら・・・)

今でなければ、ヒュレルバードに真実を告白する機会がなさそうだ。

エレナは深呼吸をして気持ちを引き締め、静かに話し始めた。

「卿に告白することがあるわ」

「告白ですか?」

しばらく躊躇ったエレナが、勇気を出して口を開く。

「私はベロニカ姫じゃないわ」

「え?何を言っているのか・・・」

ヒュレルバードが珍しく言葉を濁す。

「ベロニカ姫じゃないなんて・・・」

エレナの告白をそのまま理解して受け入れるのが難しかった。

「その通りです。卿が見ている私はベロニカ姫ではないわ」

「冗談としてはあまりにも___」

「いいえ、真実よ」

いつにも増して真剣なエレナの表情に、ヒュレルバードが口をつぐむ。

「私は代役です」

「代役?」

「大陸辺境の没落貴族出身の私をリアブリックが大公家に連れてきました。フランツェ大公の許可を得て、私はベロニカ公女の代役となったのよ」

「・・・!」

「氷の騎士」という言葉が顔負けするほど、ヒュレルバードの顔は混沌として歪む。

 



 

ついにヒュレルバードに真実を告白するエレナ。

ヒュレルバードは心の底からエレナを信頼していますので、彼が離れることはないと思うのですが・・・。

この二人の関係がとても好きなので、これからも変わらないことを望んでいます♪

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