こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は130話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
130話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side デオン・アグリチェ
「いつまでそんな風に見ている?」
静寂のあまり重く周囲を押さえつけていた静寂がついに破られた。
鋭い視線が壊れた沈黙の残骸の中をさっと横切る。
「いっそ手に持っているその剣で私を刺そうとする試みでもすればいいのに」
デオンは、すでに随分前からベッドサイドに座っていた女性を凝視した。
シエラは微動だにせず椅子に座り、目の前にいるデオンに静かな視線を送っている。
低く潤う彼の声には感情がこもっていなかった。
その無味乾燥さを見れば、今の状況が彼とは全く関係ないように感じられたりもする。
デオンが体の自由を抑圧されたまま、この狭い空間に閉じ込められた後、かなりの時間が経過していた。
これまで彼は3人の女性と奇妙な同棲を続けていた。
その3人の女性はもちろん、ロクサナの母親であるシエラとロクサナの腹心であるエミリー、そしてシエラの女中だったベス。
毒には耐性があるデオンだったため、寝室の中に溜まった睡眠香にそれほど大きな影響を受けていない。
しかし、彼はシエラが望むように黙ってくれていた。
シエラは毎日のようにデオンを訪ねてきて、彼の枕元を守っている。
それが自分を監護する目的ではないことをデオンは知っていた。
彼を凝視する彼女の目つきは濃いカーテンを巻いたようにいつも不透明で、時々袖の中の短剣を触る手には微かな殺意が込められていた。
ついにシエラの唇が小さく開いた。
「そうね、今まで数百回はあなたを刺す想像をしたわ」
淡々とした声がデオンの耳元をくすぐる。
シエラはデオンの言葉を否定しなかった。
デオンは、アグリチェにいる時には一度も目撃したことがない彼女のこのような姿が意外だと思っていた。
もしかしたら、あの時はこのようにシエラと長い時間顔を合わせることがなかったため、感じられなかったのかもしれない。
いずれにせよ、今のシエラは以前と違ってデオンから少しでも感興を引き出したのだ。
しかし、時が経つほどデオンは目の前にいる女性が愚かだと思った。
チャンスが多かったにもかかわらず、シエラが自分に直接手を加えることがなかったのだから。
それでもアグリチェを抜け出す前、ラントに意外な姿を見せて少しは驚いたと思ったが、やはり気弱な性格は、すぐに変わるほどではなかったか。
「もし考えだけで誰かに危害を加えることができたなら、あなたは既に酷い目に遭っているはずよ」
しかし、単純にそう考えるにはシエラの態度が過度に超然としていた。
シエラは大事に持っていた短剣を膝の上に置く。
デオンの鋭い視線が短剣に向かう。
「勇気が出なかったのか?」
「人を害する勇気?それとも私の手を汚す勇気?」
二人の声は終始落ちついていた。
お互いに恨みで結ばれた彼らの関係や、二人のうち一人が死地に縛られている今の特殊な状況のようなものは少しも念頭に置いていないように。
「私の目を見なさい。私ができなかったのか、それともしなかったのか」
見た目には抑圧された側は確かにデオンだったが、彼からは緊張感や萎縮感のようなものは少しもない。
それを自然に受け入れる様子だった。
ただ、壁で待機しているエミリーだけが依然としてデオンを警戒しながら注視している。
シエラはデオンと二人きりで会話をしたがっていたが、いつものようにエミリーが反対した。
しかし、シエラはエミリーの位置がどこでもデオンを相手にするのに特に差がないということを既に知っている。
エミリーもその事実を知らないわけではないのだろう。
ただ、彼女はシエラのそばを守れというロクサナの命令を忠実に履行しているだけだ。
それを知っているため、シエラもエミリーを説得しなかった。
「ずっと気になっていたことがあるの」
シエラはアグリチェで暮らしている間、デオンの顔に向き合いながら何度か聴きたかったことをようやく口に出した。
「アシルを殺す時、どんなことを考えたの?」
「何も」
彼女が躊躇った時間に比べれば苦笑いするほど、実に短い時間が過ぎた後、簡単な返事が相次ぐ。
デオンは本当に少しの悩みや躊躇いもなく即答した。
依然として無味乾燥な声であり、その中には如何なる感情も見られなかった。
既に予想していたことだったので、シエラに動揺の様子は見られない。
ただ、彼女は今度は他のことを尋ねた。
「ラント殺そうとした時、どんな感情を感じたの?」
「何も」
「もしあなたの目の前でマリア様が死んだら?」
「意味のないことを何度も聞くんだな」
声に変化は見られない。
シエラを眺めるデオンの目つきと表情もさほど変わらなかった。
「あなたはラントが作り出した怪物よ」
静かに凍りついた音声が鼓膜に食い込んだ。
「私は、そんなあなたを憎んで軽蔑している」
血は争えないという言葉が正しいのか、今のシエラの顔はロクサナと非常によく似ていた。
特にデオンを凝視する嫌悪感に満ちた冷たい目つき。
しかし、続いた言葉はデオンの予測範囲に入っていなかった。
「けれど、それだけあなたを同情しているわ」
その瞬間、今まで一度も変化したことがなかったデオンの表情が非常に微細に動く。
シエラはそのような彼に向かって止めずに言葉を続けた。
「たぶん、この世であなたを同情する人は私だけでしょうね」
息子を殺されたシエラ。
デオンへの感情が伝わりますね。
シエラとの会話で、デオンの感情に変化は現れるのでしょうか?
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