こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は197話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
197話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リアブリック
同時刻、リアブリックは馬車に乗ったまま皇居周辺を繰り返し見ていた。
運転手のルーカスに皇室の内部事情を調べるように送った間、彼女は皇居周辺を彷徨き、万が一のことに備えていたのだ。
「ここに流浪馬車があったはずだけど・・・」
皇居を中心に繁華街を形成したため、行き来する人や商売人は多い。
いくらリアブリックの記憶力が良くても、彼ら全員を記憶することは不可能だ。
「敏感すぎるかしら?単なるジプシーまで気にしてしまうなんて」
リアブリックは指で眉間を押さえる。
失脚後、めっきり敏感になっているため、その疲労が累積したようだ。
「今日に限って時間が遅いわね」
いくつかの予想外のことが起きたが、まだ表面的に明らかになった問題点はない。
このまま無事に皇太子妃の選出式を終えれば、この不安も消えるはずなのに・・・。
「子爵様、ルーカスです」
リアブリックが閉めておいた馬車のドアを開けると、ルーカスが急いで入ってきた。
皇居内部の事情を調べに行く時とは全く違う。
それにつられて、リアブリックも緊張した。
「調べは終わったのですか?」
「大変です。偽の公女がいなくなったそうです」
「何ですって?」
驚きのあまりリアブリックの肩が震える。
瞳が地震でも起きたように容赦なく揺れた。
「もう一度言ってください。消えた?それはどういう意味ですか?」
「偽公女が最終競合に参加しなかったそうです。近衛隊員の話では、乗ってきた馬車に乗って皇居を出たようだと」
「あり得ない!」
とんでもない言葉にリアブリックの声が神経質に変わる。
既にルーカスを頼んで調べてみたが、馬車の中に公女はいなかった。
「ローレンツ卿は?偽の公女の隣にいたのではないのですか?」
「それがローレンツ卿も一緒に消えたそうです。ヒュレルバード卿と下女たちもです」
リアブリックは信じられない報告に言葉を失う。
靴を口実に大公家に帰った馬車、皇太子シアンの狩り、エレナ一行の失踪。
何を想像しても彼女の予想をはるかに上回る結果だった。
さらに怖いのは、一連の事件が偶然ではなく必然の連続のような感じが強くなるということだ。
リアブリックは最悪を仮定した。
偶然を装ってエレナが組んでおいた逃走計画だとしたら?
彼女の腕に鳥肌が立つ。
本当だとしたらエレナはリアブリックを手のひらの上に乗せて遊んでいたということになる。
「逃げた・・・」
リアブリックの声が細く震えた。
最悪を仮定したが、その最悪が現実になってしまった。
そうせずには今の状況を説明する方法がない。
「しかし、子爵様。偽の公女が逃げるにはローレンツ卿を落としておかなければなりません。ヒュレルバード卿にはその実力が・・・」
「あるとしたら?」
「え?」
「それさえも偽の公女の計画だったとしたら?」
リアブリックの肝がひんやりとする。
もしかしたら、自分が大公家に入れた人物はとんでもない怪物だったのかもしれない。
「ローレンツ卿の実力は誰よりも私がよく知っています。落ち着いてもう一度探せば尻尾が見つかるでしょう」
深刻な状況でもルーカスは落ち着きを維持した。
突発的な状況ではあるが、騎士ローレンツの実力を誰よりも良く知っているだけに信頼しているのだ。
しかし、リアブリックの考えは違う。
(ローレンツ卿は倒された可能性が高い)
リアブリックは唇を噛み締めながら思考する。
エレナが自分と同等か同レベルの支持者であるという前提の下で、今日起きた事件の本質に近づこうと努力した。
その程度の能力がなかったら、彼女を崖まで追い払うことはできないだろう。
「実体は一つよ」
リアブリックは餌と実体を区分した。
大公家に帰した馬車や突然の皇太子の狩りは餌に過ぎない。
どんな魔法を使って皇居の中から姿を消したのかは分からないが、計画的にエレナが逃走したということが重要だ。
リアブリックは畳んでいた首都の地図を取り出す。
「偽の公女を乗せて行った馬車はどこから出て行きましたか?」
「正門です」
「それでは皇太子殿下が出た方向は?」
「東宮の方だと思います。皇室狩場のプラハ森に行くと言いましたから」
リアブリックは頷きながら再び地図に視線を向ける。
彼女の視線は、皇居の北門と西門に固定された。
「北門ではない」
これだけは確信できた。
別宮が位置する北門は、大公家が皇居かた下賜された皇居内直轄領だ。
深夜の仮面舞踏会を別宮で開催したほど、大公家の影響力は大きい。
灯台下暮らしとはいえ、大公家の領域を歩く冒険はしなかっただろう。
それなら残っているのは、西門だけ・・・。
エレナが自分と同等以上と認めたリアブリック。
このままエレナが逃げ切るのは難しいかもしれませんね。
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