こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は249話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
249話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 納得できる結末を
追撃隊が準備中の最中、ノエル・ベルティウムが意識を取り戻した。
彼を起こしたのはリセルだ。
リセルはいつも家族の能力を使うことに懐疑的だった。
しかし、この場合、ノエルを起こしてユグドラシルの外に抜け出した人形の機能を止めることができれば、そちらが不要な犠牲者を減らすことができる最善の方法だと判断したのだ。
しかし、期待とは裏腹に、ノエルはすでにユグドラシルを離れた人形を操縦することができなかった。
しかも、彼はまともに意思疎通ができる状態でもない。
ノエルは目を開けて気がつくやいなや、ほとんど嗚咽するように悲しそうにすすり泣いた。
リセルは彼を回復させたが、それは完全な治療ではなかった。
ただノエルは精神を取り戻し、やっと話ができる程度に体が回復しただけで、依然として深刻な負傷を負う状態だ。
ひどく引き裂かれた彼の全身には包帯が巻かれており、それは傷から流れ出た血ですでにびしょ濡れになっている。
しかし、ノエルは単に体の具合が悪くて泣いているようではなかった。
彼は精神的にショックを受けたようだ。
ダンテとニックスの名前を交互に呟きながら泣く姿がかなり可哀想で哀れに見えた。
首長たちがせきたてると、ノエルはすすり泣きながらも、ぶつぶつ言いながら説明する。
彼は人形に近づいた時だけ命令を下すことができると言った。
ノエルがユグドラシルに来る前に人形たちに入力した命令は「ニックスを探して連れて来い」ということだったので、ユグドラシルを抜け出した人形たちもきっと彼を追いかけただろうと。
「どうしてそんなにその人形に執着する?」
ノエルの口から出た言葉は、疑問に思っていた指導者たちの質問にとてもしどろもとろだった
涙で半分くらい出て、発音が聞き取りにくかった。
体調があまりにも悪いせいで、声が乾いてひび割れていたりもした。
そして辛うじて理解した彼の言葉は想像したよりもっと呆れた。
その知らせはロクサナの耳にも入る。
腹心ダンテが死んで、人形術に成功したニックスの心臓を彼に移植して再び生かそうとしたという話を聞いて、ノエル・ベルティウムの極端な奇行が今になって理解できた。
追撃隊の準備にさらに拍車がかかる。
問題は人形がユグドラシルの中でそうしたように、外でも妨害物と見なされる人々を全て殺すという点だ。
ユグドラシルの中の整理が終わる前に急いで重機で武装した人々が集まった。
ベルティウムの人形をすべて見つけて壊すことが目的だった。
ターゲットにはニックスも含まれている。
「姉ちゃん、追撃隊がもうすぐ出発すると思う」
様子をうかがってきたジェレミーがロクサナに近づき、声を殺してささやいた。
「私たちも別々に動こうか?」
ロクサナの瞳が低く沈んだ。
最後に見たニックスとデオンの姿が目の前に霧のように消えた。
デオンはニックスを追いかけたに違いない。
二人とも喪に服した体だったので、遠くへ行くことはできなかったに違いない。
最初、彼女はニックスとデオンの件をアグリチェで解決すべき家の中の問題だと思った。
そのため、カシスにも助けを求めず、代わりにジェレミーだけを連れて行ったのだ。
しかし、もはやこのことは静かに解決できる水準を超えている。
「いいえ、わざわざ探す必要はないわ」
口クサナは冷静に答えた。
彼らはニックスを見つけたらすぐに彼を処理するだろう。
しかし、その前にデオンが先にニックスを殺すこともできる。
あるいは、既に小さくない負傷を負っているデオンもやはりその過程で無事ではないかもしれない。
それでも構わない。
もしかしたら、いっそ目に見えないところで二人とも死んでしまったほうが一番だから。
しかし、ロクサナはその想念の末、拳を手にそっと力を入れてしまった。
手のひらを強く突き刺した爪が折れそうに曲がる。
ほんの一、二時間前、あの時刻、あの場所で・・・散乱する陽射しの欠片と共に墜落するところ、私はデオンの手に握られていた部分が再び燃え上がるように倒れてきた。
目の前で彼の腕が切られた瞬間と、彼女を後ろに押しのけていた強い力があっという間に消えたその瞬間の鋭い感覚も共に流されてきた。
『サナ・・・!』
そして頭の上で鋭く耳元を鳴らしたニックスの叫びも・・・。
『どうも私は本当にあなたを殺すことはできないようだから』
『だから他の方法で終わらせるしかない』
最後の瞬間、視野に砕けた笑みとともに耳元に広がったその低い声も。
しかし、今、そのようなことを思い浮かべてはならない。
ロクサナは中から徐々に上がってくるものを踏んで押しつぶした。
ジェレミーの視線がロクサナの冷めた顔を凝視し、すぐに緩んで力が抜ける彼女の手をかすめた。
「じゃあ、私は行くね」
アグリチェ内ではそれでも死亡者がいなかったが、負傷した兄弟たちはいたし、その他にもまだユグドラシルの内部整理もかなり残っている実情だったため、首長である彼が行ってみなければならなかった。
しかし、その前に立ち寄る所がある。
ちょうどドアを開けて外に出ていたジェレミーが、その前に立っている人を見つけて、ぴくっとした。
ジェレミーは静かに身を引き、その場に他の人が入る。
「ロクサナ」
ドアが閉まり、低い声が窓辺にいるロクサナを呼んだ。
その時になってようやく彼女の視線が動く。
「カシス」
窓の前に止まっていた足が一歩動いた。
しかし、彼女の足はそれ以上続かず、そこで止まる。
ロクサナは血まみれだったカシスの肩と背中を思い浮かべながら唇をかんだ。
カシスもまもなく出発する追撃隊に属していた。
彼もやはり負傷を負ったが、3つの群れに分かれる追撃隊を導くほどの適当な人がおらず、結局前に出ることになったのだ。
医院がなくてまともな治療を受けられなかったのはカシスも同じ。
もちろん彼には驚くべき回復力があり、デオンに貫通された肩や、墜落しながら破れて折れた部分などはほとんど自然に治療された。
しかし、余裕がなく、適当に措置した背中にはまだガラスの破片が剌さっている危険性があり、治癒力を使用できずにいる。
その傷はすべて彼女のせいだった。
「ごめんね」
ロクサーナがかたい顔で呟く。
カシスはしばらく黙って彼女を見つめた。
ロクサナはカシスに罪悪感を感じているようだった。
「謝ることでも、謝られることでもない」
しかし、カシスにとって彼女を一人にして置くことができなかったのは、あまりにも当然のこと。
そして・・・。
カシスは、ロクサナを守るために当然のように動いたもう一人のことを考える。
カシスの目はちらっと下に落ちた。
今、彼の前にいる人の心を散乱させる理由が一つだけではないことを知っていた。
今、ロクサナが感じる重い感情も、カシスに対する申し訳ない気持ちだけではないことが分かった。
そして、彼への申し訳なささえも一種ではないということもやはり。
知らないふりをすることもできた。
「追撃隊の準備が終わった。もう出発するよ」
しかしカシスは目を長めに閉じた開けた後、ロクサナに向かって口を開いた。
「それでも構わないの?」
カシスの視線がロクサナを直視する。
ロクサナは、今彼が彼女に何を言おうとしているのかを悟った。
「関係ないわ」
一寸の蹟躇もない返事が続く。
まるで決まった答えを読んでいるかのように、少しの迷いも感じられない無感な声だった。
しかし、むしろそのため、カシスはもう一度聞くしかなかった。
「デオン・アグリチェがニックスを殺すのは」
「構わない」
「では、ニックスか他の人がデオン・アグリチェを殺すのは?」
今回もロクサナは冷徹に感じられるほどの断固さで、首から離れない感情を切り取った。
「それも構わない」
もし追撃隊がニックスを発見した時、まだ彼が生きているなら、きっとその前にデオン・アグリチェという妨害物に直面しなければならないだろう。
彼は自分以外の人がニックスを殺すことを容認しないようだったからだ。
しかし、デオン・アグリチェは墜落する時に負傷したうえ、腕まで切れて出血が大きい状態でニックスの後を追った。
そのため、逆にニックスや追撃隊にデオンがやられる可能性もある。
カシスは再び黙ったままロクサナに微動だにしない視線を送った。
彼の表情には変化がなく、今何を考えているのか簡単に見当がつかなかった。
突然、カシスはドアのそばで立ち止まった。
速くも遅くもない足取りだったが、それは躊躇うことなくまっすぐに続く。
いつの間にかぐっと近づいた2人の影が重なった。
カシスは頭を傾けて彼女の唇をかみしめる。
そのため、一緒に後ろに反ったロクサナの顔と首筋を固い手が支えた。
開いた唇の間に食い込んだ舌が内側を荒々しくかき分けた。
「ロクサナ」
しかし、それは極めて短い瞬間。
続いて浅く触れ合った唇に乗って断固たるささやきが流れ込んだ。
「行け」
近くで目が合う。
正面から見つめてくる金色の瞳が彼女の顔を包み込む手ほどしっかりしていてまっすぐだった。
「今でなければ、これから二度とチャンスはない」
その強烈な目つきがまるで魂まで貫くようだった。
「だから行って」
カシスが再び断固として詠んだ瞬間、ロクサナは心臓の内側が固く締め付けられることを感じながら、思わずまぶたを細かく震わせてしまった。
さっきから.彼女の頭の中に浮遊していた考えを誰の前でも口にする気がなかった。
これは明らかに彼女らしくない未練だったから。
その上、このような状況ではそのような考えをすることだけでも面目がないと感じられたりもした。
だから、そもそもそのような気持ちがないように、彼女自身から背を向けてあげるつもりだった。
しかし、今のままだと、きっとこれからもずっとこの未練を背後の足跡のようにぶら下げていかなければならないという事実をぼんやりと予感していた。
ところが、まるで彼女の心を覗き込んだかのように、今カシスが背中を押してくれた。
「今すぐ行って・・・」
顔を包んだ熱い手が、耳元に流れ込むまっすぐな音声が、そして少しの揺れもなく正面から向き合ってくる目つきが、これ以上彼女がそっぽを向くことを許さなかった。
「自分で納得できる結末を出してきて」
波紋が広がっていた赤い瞳がついに静かに沈んだ。
ロクサナは唇をじっとかんだ。
すぐに彼女は頭を上げ、少し前のカシスのように彼に短いが強くキスする。
その後、彼女は今までの迷いを綺麗に投げ捨て、すぐにその場を離れた。
やっぱりロクサナを動かすことができるのはカシスだけですね。
結末がどうなるか分かりませんが、ロクサナが後悔のないように動いてほしいです!
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