こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は250話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
250話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 納得できる結末を②
ユグドラシルから出てきたロクサナは、すぐに毒蝶を解放する。
「彼らを探して、どうするつもり?」
心の奥底から嘲笑の声が上がった。
ロクサナは答える。
「私も知らない」
しかし、彼女は選択し、今はその道の終わりに向かってまっすぐ前に進まなければならなかった。
すぐに毒蝶が合図を送ってくる。
ロクサナはそれについていくことなく走った。
ほぼ同時にユグドラシルを出たカシスも追撃隊を率いて移動する。
まず、捜索に動員されたフィペリオンの魔物が人形の跡を発見した。
追撃隊は急いでその後を追う。
彼らの最優先の目的は、他の人たちを攻撃する危険があるベルティウムの人形を壊すことであり、カシスは自分の責任を疎かにするつもりはなかった。
カシスが率いる追撃隊は、最も多くの人形が密集した北西に向かう。
ニックスとデオン・アグリチェがいると予想されるのも同じ方向だった。
追撃の末、ユグドラシルを抜け出したベルティウムの人形を発見する。
さっき奇襲された時とは違って、今回はしっかりと武装した人々が人形を容赦なく分解していく。
人形が散らばっていたので、それらをすべて見つけて壊すには多少の時間がかかった。
北西に布陣した人形の機能を完全に止めた後、頭を上げた時、いつのまにか空には太陽が暮れかけていた。
カシスは所持していた石に血をつける。
それはデオン・アグリチェの部屋に残っていたロクサナの呪術石。
近くの生息地にいた魔物たちが、すぐに群れをなして集まった。
「魔物だ!」
「急に魔物がどこから・・・!」
重機で武装した人々は、人形と同様、魔物も簡単に屠殺する。
ただ、魔物が絶えず押し寄せてきたため、その場で足を止められ、これ以上前に進むことができなかった。
あの前にニックスとデオン・アグリチェ、そして口クサナがいるだろう。
だからカシスは誰も彼女の邪魔にならないようにする。
彼は目を輝かせながら前に飛びかかる魔物を真っ二つに切った。
昼と夜の境目。
赤い夕焼けが視線の先で血のようにどろどろに流れている時間だった。
なぜ私は今アシルを追っているのか?
デオン・アグリチェは自分自身に質問した。
止血をせず、血をたくさん流したせいか、普段に比べて頭の回転が遅い。
目の前の風景と体をかすめる空気、そして今この瞬間を成している時間もとてもゆっくり流れる感覚。
その中でデオンは血なまぐさい息を深く吸い込んだ。
「彼がスタート地点だから」
アシル・アグリチェ。
デオンが生まれて初めて自分の手に血をつけて殺した人。
ロクサナ・アグリチェ。
アシルの妹。
それまでは、デオンにとって、彼らは世界の他のすべてのものと同様に、ただ意味もなくすれ違うアグリチェの副産物の一つに過ぎなかった。
デオンはアシルを殺す時、特別な感情的動揺を感じもしなかった。
それは明らかなデオンの最初の殺人だったが、彼は抵抗感や恐怖を感じるにはとても痩せていたのだ。
腹違いの弟が父親の足にぶら下がって泣くその凄絶な姿を見ても、デオンはただ見苦しいと無感に思っただけ。
ただ、あの日を基点に目に見えない内面の何かが非常に微弱に変わったということを感じた。
しかし、それは紙の表と裏をひっくり返したような一枚の変化。
それで、デオンはそのような感覚をすぐに消してしまった。
その後もたまに邸宅内でアシルの母親と妹を見たが、デオンはそれまでそうだったように彼らをいない人のように無視した。
しかし、それほど長くないうちに大晩餐会の席で口クサナを見ることになったのは、デオンとしても予想できなかった特異なことだった。
父親がうんざりするほど役に立たず弱い極まりなかったアシルとは異なり、ロクサナはその時からすでにほとんど完成されたアグリチェだった。
その小さな女の子は、どこか奇妙なところがあった。
ロクサナはアシルとも違って、他のアグリチェの兄弟たちともどこか違っていた。
その違いが何なのか正確に定義して説明することはできなかったが、とにかくその妙な気配にデオンは機敏に気づく。
そして、ロクサナは明らかにデオンに強烈な敵対感を抱いていた。
だが、どこからか伝わってくる刺しそうな殺意に気づいたデオンが彼女の方に静かに目を向ける時には、ロクサナはそのような感情をすぐに再び上手に隠す。
それが知っているからだということに気づいた時、デオンの中では今まで自分にあったことさえ知らなかった見慣れない感情が芽生えた。
その感情に最も近い言葉は好奇心。
ロクサナが15歳の最後の月例評価を行った日、監督官を自任したのもそのような理由のためだった。
そしてその日、デオンはある意味彼の人生の最初で最後の転換点といえるものを迎えることになる。
ふと遠くから吹いてきた風がデオンの髪の毛を乱した。
膝まで伸びた草が風に吹かれ、一斉にうねる光景が、まるで激しく波打つ海のようだ。
夕暮れに染まった濃度の濃い空気が息を一度吸うたびに肺の奥深くに入り込んでいく。
その中で、ついにデオンはニックスを発見した。
波打つ野原の真ん中で粉々に輝く金色の髪の毛が目に刺さるような。
怪我のせいで追い上げが遅れたせいで、ここまでついてくるのに思ったより時間を多く割くようになった。
ニックスもデオンの存在に気づいたかのように立ち止まる。
すぐに彼は夕日に背を向けて振り返った。
「何で・・・」
ニックスはここまで自分を追ってきたデオンを見て、つぶれた息を吐いた。
「どうして私を放っておかないの?」
全部うんざりだ。
終わらない悪夢も、地獄の果てまでも彼の後を追ってくるに違いないあのデオン・アグリチェという怪物も。
ニックスはすでに彼の主人だったノエルをこの手で切り倒した。
これ以上彼は誰も殺したくなかった。
しかし、あの怪物は彼の後ろに影のようにくっついて絶えず勧めた。
視界に広がった夕日が目まぐるしく歪んだ。
その真ん中にそびえ立つ黒い影が次第に距離を縮めてくる。
耳元に怪物の声が響いた。
「二つのうちの一つ、あるいは二つとも死ぬまで終わりはない」と。
ニックスは歯を食いしばる。
ずっと15歳にとどまっていた少年のなめらかなあごがぴんと締まった。
赤く染まった空気が息詰まるように溜まったそこで、ついに2人は激突する。
カアン!
ユグドラシルから抜け出す前に、すでにこの瞬間を予想して武器を持ってきたのか、ニックスは素手ではなかった。
さっき建物の通路の上で茫然としてた彼はどこにもいない。
ニックスは今、本気で死力を尽くしてデオンを攻撃した。
生きるために、そして今目の前にいるデオンを殺すために。
ニックスがこのように歯を食いしばって誰かに向けた殺意を燃やす光景を見るのは、デオンに喜悦のような感情を感じさせた。
ロクサナはきっとここに来るだろう。
漠然とした予感だったが,デオンは確信できた。
今でも彼女がとても近くにいるのが感じられた。
チェン!
あの日、アシルの幻覚を目の前にしてロクサナは泣いた。
『消えて、デオン』
『あなたなんかの手にアシルを二度死なせることはないだろう』
そう、まさにその瞬間だった。
炎のように燃え上がる瞳が正面から彼を見抜いたまさにその一瞬。
デオンは目の前で流星のかけらのように落ちてくるその煌めく涙からなぜか視線を離すことができなかった。
無彩色だった彼の世の中が初めて鮮明な色彩を着た瞬間だった。
なぜ彼女だけが特別だったのか、その理由は依然として分からない。
ただその時に見たその涙だけが彼に唯一意味があり、その時の記憶を振り返って思い出すだけでも心の中で切実な空腹が来るようだった。
その後、デオンは自分でも納得できない執拗さで、これまでよりもさらに粘り強くロクサナを視線で追った。
そうするうちにふと彼は気になる。
なぜロクサナは恥ずべき廃棄処分を受け、死んだアシルなんかのために涙を流したのだろうか?
アシルにそれだけの価値があるのか?
デオンはその答えをまだ知らなかった。
そのような面で、デオンはロクサナが軽蔑する父親のラントと思った以上に似ていることも知らなかった。
彼は子も兄弟も何の憚りもなく殺し屋は人間であり、それはデオンも同様であった。
だから自分の最期もそれに似ているだろうと、デオンはずいぶん前からそんなに乾燥していると予想していた。
そしてこうして再びアシルと向き合った今、デオンはまた気になる。
もし今もう一度アシルが死んだら、彼女はまたあの時のように涙を流すだろうか?
もう昔のような知り合いではなくなった今でも、ロクサナは彼のために泣いてくれるだろうか?
その知り合いが、今では彼女があれほど嫌悪してしまわない他のアグリチェの兄弟たちとデオン側に近づいたとしても。
ニックスの手に持った武器がデオンの胸を斜めに切る。
デオンも手を動かして、ニックスの腰を引き裂いた。
同時に血がほとばしる。
デオンは歪んだニックスの顔を見て、今度は彼の心臓を貫くつもりで腕を上げた。
死んだアシルは、きっとロクサナの世界で最も美しく輝いている存在だろう。
最もきれいで美しい時に死ぬ、そのまま彼女の記憶の中に永遠に剥製されたからである。
だからある意味で、死んだ人は灰になってこの世から永遠に消えることであると同時に、誰かの中に永遠不滅に残されるとも言えるだろう。
「あ・・・」
その瞬間、デオンは今になって自分が望むことが何なのか分かるような気がした。
ロクサナの大切な人を殺せば、彼女は決して自分を許さないだろう。
そうだよ、デオンが望んでいたのはまさにそれだった。
今、アシルを殺した後・・・。
チェンガン!
ロクサナの手によって死ぬこと。
ファアッ!
悟りの瞬間、目の前に巨大な蝶の群れが舞い込んだ。
「・・・」
耳元に誰のかも分からない声が響く。
まさに今、彼が長い間待っていた瞬間だった。
口クサナが自分からアシルを守りに来たまさにこの瞬間。
すべてを襲うような赤い嵐の中、デオンはようやく満足感に浸って笑った。
4年前、ロクサナの涙を見た日からずっと彼の胸の中にくだらない疑問として残っていたのだ。
もし私が死んでも、誰かがあんなに悲しんでくれるだろうか?
ーいや。
もし私が死んでも、誰かが私のためにあんなに熱い涙を流してくれるだろうか?,
—それもまた・・・いや。
今になって、昔から遠くでぼんやりと光っていた光に手が触れた。
事実、デオンが本当に見たかったのは、知り合いのために泣くロクサナの姿のようなものではなかった。
そう、シエラの言うことが正しかった。
彼はロクサナを殺すことができなかった。
それならむしろ彼女の手によって死にたかった。
それで彼女の中から永遠に消えない傷跡になりたかった。
そうなれば、この深い空虚もようやく満たされるようだったから。
遠くなる覗野の向こうにすべてがぼやけていく。
少し前までお互いの心臓を狙っていた人も、ついに遠くで夕暮れを背に現れた人も。
デオンは武器を持っていた手から力を抜いた。
鋭い刃物が彼の目を刺すように、目前まで迫ってくる。
しかし、すぐにそれさえも赤い嵐に見舞われた。
彼の人生にこれほど甘い瞬間は他になかった。
近づいてくる全身を引き裂かれる苦痛さえ、喜んで笑って受け入れることができそうだった。
デオンはロクサナの赤い蝶の群れに飲み込まれ、目を閉じる。
ついに迎えることになった終幕。
彼にはもったいないほど、申し分のない完璧な最後だった。
ふと、一群の鳥の群れが赤い空を横切って飛び上がった。
シエラは頭上でさえずる音に従って頭をもたげる。
夕焼けに朱色に染まった髪の毛が、生ぬるい風に乗って飛び散った。
・・・余計な気持ちだろうか。
なんだか遠くから妙に鋭い空気の波動が伝わってくるようだった。
さっきから頬をかすめる風がどこかごちゃごちゃに感じられる。
シエラは持っているかごをつかみ直して風が吹いてくるところを見つめた。
「シエラ、夕食の準備ができたわよ!早く入ってきて!」
建物の中でマリアが彼女を呼ぶ声が聞こえる。
その後もしばらく青い瞳は夕日この地を去るとは思わなかった。
しかし、その中に映ったのは静かな夕暮れの風景だけ。
結局、シエラは再び自分を促す声に従い、沈む太陽に背を向けて後ろ向きに席を離れる。
静かな風がその空席から、その後も長い間うろうろした。
デオンは死んだのでしょうか?
歪んだロクサナへの愛情。
ニックスの安否も気になります。
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