こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は155話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
155話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 冬のワルツ
「貴族たちの反応は?」
「最悪」
エレナの微かな微笑みが少し濃くなる。
大多数の貴族は賢く、物事の分別が優れている。
皇室を見捨てて、大公家の陰の下で世を享受する貴族たちだからこそ、何の説明が必要だろうか。
そのため、上納金を上げることに不満が生じざるを得ない。
ましてや、大公家から下された補償ということ自体があまりにも曖昧なため、なおさらだった。
さらに、大公家が保有している首都内の不動産屋や土地、領地、事業権は売却しないまま、貴族の上納金だけを高めたのだ。
これがどれだけ傲慢なことなのか。
大公家の権勢と庇護を抜け出すことが出来ないということを知っているので、度胸があるのだろう。
エレナは、その小さくて繊細な亀裂に入り適切に利用する計画だった。
「貴族たちを揺さぶるのにピッタリですね。口実は適当に作って・・・」
「君、また何か悪巧みしているだろ?」
レンはエレナの瞳をじっと見つめる。
そして、ニッコリ笑った。
「君が何をするのか、もうワクワクしているよ」
「期待してもいいと思います」
エレナは自信満々に打ち返す。
そんな彼女を見つめるレンの視線が妙に。
「何をするつもりか聞きたいけど我慢するよ。それに、このまま君が危機に陥ったら、それも楽しいから」
「悪趣味ですね」
「そうしてこそ、私が君を救えるじゃないか」
レンの視線に向き合ったエレナの気分がおかしくなる。
もはや敵ではなく、彼を味方として受け入れているからだろうか?
あのみっともない微笑が初めて嫌ではないという気がした。
対話が交わされる中、夏のワルツを過ぎ、秋のワルツまで大詰めを迎えた。
最後のパートである冬のワルツだけが残ったが、厳しい寒さを表現しただけに動作が激情的なため、対話をしながら踊るのは容易ではない。
レンもそれを知っているのか、一定距離を置いて踊っていたエレナをより身近に引く。
胸が触れ合って息の音が聞こえるほどの密着。
「そろそろ私の願いを聞いてもらわないとね」
レンは魅力的に笑い、演奏に合わせてステップとテンポを上げた。
「踊れるのですか?」
「もちろん」
エレナも同じように息を合わせて動き出す。
レンが決心すると、今まで上の空で踊っていたのとは比べ物にならないほど、格調のある踊りが続いた。
社交界の踊りが癖になったエレナが驚くほど、レンの踊りの腕前は絶品だ。
動作から続く身振り、それによって表現される線から拍子まで非の打ち所がない。
けれど、本当に理解できないのはレンのマナー。
一匹狼のレンがパートナーであるエレナに配慮して呼吸を合わせるという事実だ。
本当におかしい言葉かもしれないが、今この瞬間レンが違って見えた。
まるで同じ顔をした別人のように。
まもなく冬のワルツの絶頂といえるパートに入った。
パートナーを反対側に送っておいて抱き合う動作だ。
「きゃっ」
レンの男らしい迫力のある動作に、エレナは息を吸った。
その一方で、力を調節してエレナに衝撃が及ばないように配慮することも忘れていない。
動作が完成したとき、スミレのように小さなエレナがレンの懐に抱かれた格好になってしまった。
エレナは生前に感じられなかった妙な気分になる。
ただのダンスなのに、何の意味もない動作の連続に過ぎないのに。
レンの体温と息遣い、じっと見下ろす目つきまで全てが不慣れで、彼女をぎこちなくさせた。
そのためか分からないが、社交ダンスに自信があると自負していたエレナが動作を間違えるミスを犯す。
「残念な気持ちは残ったけど・・・」
曲が終わると、レンは短く舌打ちをする。
エレナが顔を上げると、いつもと違って、憂愁に満ちた目つきをしたレンが彼女をじっと見下ろしていた。
「それさえも楽しい。次が待ち遠しいと思えるのだから」
「あっ!」
レンは言い終えるや否や胸からエレナを追い出した。
驚いてよろめいたが、エレナは何とかバランスを取りながらレンを見る。
これはどういうことかと言うように。
「悪党は悪党らしく退場しないとね。公女殿下のために」
「・・・!」
レンがニヤニヤして礼儀もわきまえずに、さっと背を向けてホールを横切って出ていく。
貴族たちの不満のこもった視線と後ろ指が降り注ぐことは言うまでもなく、スペンサー子爵があたふたと追いかけていく姿が見えた。
「・・・」
その後ろ姿をエレナは黙って見つめる。
他の人は知らなくてもエレナは知っていた。
レンが自分のやり方で彼女に配慮し、万が一の疑いの余地も残さないよう悪党を演じていることを。
レンも魅力的なキャラクターになってきました!
エレナに好意を寄せる男性は複数人いますが、最後にエレナと結ばれる男性が気になりますね!
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