こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は164話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
164話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ベロニカの代役として
「考えてくださいましたか?」
演奏に合わせてステップを踏みながら、エレナは本題を切り出した。
今この瞬間もリアブリックが植えた誰かがエレナを監視中だ。
曲が終わる前に会話を仕上げないといけない。
「はい、十分に」
「答えは?」
「その前に調整したいのです。ノブレス通り事業の収益分配について」
エレナの口元は笑っていたが、目は笑わなかった。
やはりボロニー伯爵は貪欲な男だ。
何とかして少しでも実利を得ようとするのが目に見えた。
「難しいことはありますか?収益分配は伯爵様の手にかかっています」
「私のですか?」
「ええ、投資金に比例して分配率が変わりますので」
「投資ですか?」
ボロニー伯爵の瞳が揺れる。
ただ食べることばかり考えていたのか、エレナが掲げた軍資金という言葉に当惑する気配が歴然だ。
「まさか投資もなしに収益分配を受けるつもりだったのですか?」
「そうではありませんが、前はそういう話がありませんでしたので・・・」
「そのために私たちがまた会ったんじゃないですか」
終始エレナの満面の笑みは絶えなかった。
このような人間は余裕を持って押してこそ統制が可能だからだ。
「誤解があると思うので申し上げますが、大公家に投資しろという話ではありません。私に投資しなさいということです」
「公女殿下に?どのような違いが?」
「リアブリックが失脚すれば、大公家の実権を誰が握ると思いますか?」
エレナは高慢な笑みを浮かべた。
ベロニカは名実共に大公家の後継者。
彼女の存在が、まさに大公家であるわけだ。
「どういうことなのか分かりました。でしたら、今後は契約書を作成して公証手続きを___」
「伯爵様」
エレナは声を低くして彼を呼ぶ。
彼女が氷のように寒気を漂わせると、ボロニー伯爵の肩がビクビクする。
「私はベロニカ・フォン・フリードリヒです」
「ええ、存じております」
「今それを知っている方が、私の前で契約書と公証を要求したのですか?」
エレナは表情を固め、ボロニー伯爵をじっと見つめる。
いつにも増して権威的な視線で、彼女が回帰後に一度も見せたことがない姿だった。
「私の顔が、私の名前が、私の地位が信用で担保です」
「・・・」
「そして、何か勘違いされているようですが、伯爵様の代わりになる方は大勢います」
エレナが強く追い詰めると、ボロニー伯爵は口を丸くするだけで何も言えなかった。
彼女の言葉通り、ベロニカという名前と顔、地位は帝国内で絶対的な影響力を持っている。
(ベロニカ、あなたが帰ってきた時に耐えなければならないことが多いと思うわ)
皇太子妃選出式が終われば、エレナは自ら大公家を出るつもりだ。
その時になれば、Lが持つ名声と評判、地位を前面に押し出し、大公家に潜在している危険要素が爆発するよう導火線に火をつける。
リアブリックを失脚させ、一部貴族から莫大な投資金を受け取るのは、ベロニカの代役としてエレナにできる最後のことだった。
「定員になっていただければ署名入り直筆証明書はお渡しできます」
「証明書?」
「ええ、約束の証です」
エレナは証明書の作成による最小限の余地を残した。
どうせ責任の素はベロニカの役目なので、引っかかることはない。
ボロニー伯爵は気軽に答えられずに躊躇った。
しきりにステップを外しているのは、彼がどれほど悩んでいるのかを推察させている。
「曲が終わりそうですね。そろそろ決定していただきたいのですが」
エレナが返事を催促しながら彼を追い詰めてい。
ボロニー伯爵は悩んだ末に決断を下した。
「・・・公女殿下の側に立ちます」
「賢明な選択です」
望んだ返事だったので、エレナの口元にも笑みが浮かんだ。
「リアブリックの失脚に関する西部貴族の世論は私にお任せください」
「頼もしいですね」
エレナが浮かべていた笑みがさらに濃くなる。
すべてが計画通りだ。
このまま進めばエレナが待ち望んでいた大公家の没落も遠くない。
「近いうちに伯爵家に代理人を送りましょう。その時までは軽挙妄動しないでください」
「これからもどうぞ宜しくお願いします」
「もちろんです」
取引は成立した。
ベロニカの名前、地位を利用して相手を追い込んだエレナ。
ベロニカが復帰した時、彼女に降りかかる負担は計り知れないでしょう。
大公家の没落に近づいたエレナ。
このまま別の有力貴族も引き込むことができるのでしょうか?
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