こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は304話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
304話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 怪物②
「大公殿下に近づけないようにしろ!」
第2騎士団長のジェームズはバスタージュ家の騎士たちを止める。
「手伝おう」
後尾で皇宮近衛隊を率いて激しく戦っていたシアンが突然レンのそばに立った。
「何ですか?私一人でも十分なのに」
「彼女がそう言っていたよ。キングを狙えって」
フランチェ大公の後尾を取ったシアンが皇居近衛隊を長く布陣して包囲網を構築したのはごまかしだった。
そもそも大公家の騎士団より少ない兵力で敵を包囲するということ自体が話にならない。
皇宮近衛隊の包囲網に合わせて、大公家の騎士たちも同様に散開することを狙ったのだ。
西安は包囲網を築いた敵の密集を防いだ。
そして、信号に合わせて皇居近衛隊を螺旋形に集中させ、一気に大公家の騎士団を突破する。
そのような緻密な戦略があったため、シアンはレンのそばに立つことができたのだ。
「キングを狙うとは。私にはそんな話はなかったけど? 」
「君が頼もしくなかったようだ」
無愛想なシアンの言葉にレンが前髪をそっと渡す。
「なんでこんなにいきなり入ってくるんですか?伯父さんに八つ当たりしたくなるように」
「せっかく君と気が合うんだな」
レンとシアンが約束でもしたかのように、フランチェ大公を直視する。
露骨に殺気を見せると、先立ってシアンとレンを相手にして侮れない相手であることを認知した第1騎士団長フェリンと第2騎士団長ジェームズがフランチェ大公の両脇に立った。
「退け」
「ですが・・・」
「甘く見る者ではありません」
「「退け」と言った」
フランチェ大公の逆らえない権威に、両騎士団長は憂慮を飲み込んで退いた。
彼らはレンとシアンが抜けてバランスが崩れた皇居近衛隊とバスタージュ家を皆殺しにするために動き始める。
「チッ、キングを早く掴まないと」
レンは今にもフランチェ大公に飛びかかるように唸った。
そんな中でも敵の剣で味方の遺体が一つ二つ増えていく。
フランチェ大公が両腕を大きく広げて挑発した。
「殿下、何をじっと立っていらっしゃるんですか?私を殺せば終わるゲームじゃないですか?早く来てください」
「お望みなら」
言葉の余韻が消える前に、シアンが駆け寄った。
「一緒に行こうぜ」
レンもこれに負けまいと地面を蹴る。
一気に距離を縮め、二人の挟撃が続いた。
今日初めて呼吸を合わせたにもかかわらず、レンとシアンは長い間、挟撃を合わせた人のようにフランチェ大公を押し通す。
レンが動物的な感覚と本能を前面に出して剣の嵐を吹き荒れると、伝統派の剣術を追求するシアンが最小限の動きで隙を狙った。
見る人が舌を巻くほど完璧な挟み撃ち。
しかし、もっとすごいことは別にあった。
驚くべきレベルの剣撃にもかかわらず打ち返すフランチェ大公の驚異的な剣術だった。
「何だ、この怪物は?」
「・・・」
競合が続くほど、レンとシアンは驚きを禁じえなかった。
フランチェ大公は数百年間、堅固にその場を守ってきた泰山のように吹き荒れる剣の嵐を全て受け入れた。
だからといって、防御するだけではない。
「ク」
レンが大きく打った剣がフランチェ大公の剣刃に阻まれ、跳ね返った。
まるで鉄を打ったように腕に振動が伝わり、感覚が鈍くなる。
「剣が重い」
ベロニカを奇襲する時も感じたが、フランチェ大公は無分別に剣を振り回さなかった。
非常に防御的だと感じられるほど攻勢もしない。
攻撃するのはこちらだが、妙に身体が感じる負担と過負荷はシアンとレンがさらに大きく受けた。
「認めてやろう。二人ともなかなかだよ」
フランチェ大公は表情一つ変えず、平然と二人の猛攻を受けている。
「どこで評価するんだ。もうすぐ死ぬくせに」
「お前の剣術は本能に頼りすぎている」
「どうしろって言うんだ」
レンの一撃が詰まった瞬間、脇腹を狙っシアンが剣を押し込んだ。
一つの動作と見ても信じられるほど無駄のない突きだった。
しかし、フランチェ大公は体をひねりながら攻撃を受け流す。
「太子の剣は定石的で」
フランチェ大公がくるくると体を回転させ、体重をかけて足蹴りをした。
予想外の攻撃に驚いたシアンが反射的に両腕を重ねて防いだ。
パン。
鈍い音とともにシアンの体がずらりと押し出される。
シアンを吹き飛ばしたフランチェ大公は止まらず、レンに向かって雷のように剣を落とした。
「うっ」
レンの口からうめき声が出た。
身仕舞い押す力で足がふらふらする。
両手で剣刃を寝かせて受け取らなかったら、おそらく肩が半分ほど切れていたかもしれない。
やっと防いだと思った瞬間、フランチェ大公がそのまま露出したレンの腹部を蹴った。
内臓が破裂しそうな痛みに気をもむほどだ。
そんな中、本能的に距離を広げなかったら、続く攻撃によって殺されることはなかっただろう。
「10年ほど経つと分からないだろうか。まだ私に立ち向かうには足りない」
「怪物目」
レンは口の中に溜まった血をぺっと吐き出す。
すぐにでもあの生意気な面を向けたいが、なかなか隙が見えなかった。
フランチェ大公は殺しそうに私を睨みつけるシアンとレンを倦怠に見下した。
「天を恨め、オ能が花を咲かせる前に私に会ったことを」
これまで守備に集中していたフランチェ大公の動きが変わった。
精製されていない殺気は、すべてを形も残さず切ってしまうような鋭かった。
シアンとレンは深呼吸をしながら姿勢を整える。
退くところはない。
死ぬか殺すかの岐路だった。
「殿下を支援せよ!叛逆を起こした大公を殺せ!」
リンドン伯爵率いる騎士団がタイムリーに加わる。
彼の優れた傭兵術の下、劣勢に追い込まれていた皇宮近衛隊の勢いが蘇った。
第1騎士団がたじろぎ、死傷者が増え始める。
「ヒュ、ヒュレルバード!?」
大公家の騎士たちが走ってくるヒュレルバードを見つけては、目を見開いた。
うわさもなく大公家を離脱した不名誉な騎士を知らないはずがない。
「あの落伍者が!」
「騎士の名誉さえ知らない裏切り者。お前だけは私の手で殺す」
ヒュレルバードは、返事の必要性すら感じなかったかのように、淀みなく前に走った。
敵意を抱いて私の前に立ちはだかる騎士たちを躊躇うことなく切ってしまった。
一時は同じ釜の飯を食った仲だったが、私情など残っていない。
彼を動かすのはエレナの一言だけだった。
驚異的な技を発揮して中央を突破したヒュレルバードが止まったのは、フランチェ大公と一戦を交わすシアンとレンの前だった。
「申し訳ありません。気にするということがついつい血を引いてしまいました」
「そんなこと言わないでください。ここは戦場じゃないですか」
本来なら空っぽになるはずの鞍の上、か細い体のある女性がローブをすっぽりかぶり、ヒュレルバードの背中をぎゅっと抱きしめたまま身を隠していた。
真っ白な手を伸ばしてローブを後ろに反らすと、固く縛った積立金の足と素顔が明らかになる。
「お父様、いいえ、フランチェ大公」
「あなたは」
一時、ベロニカの代わりに自分の娘として生きていた代役と向き合ったフランチェ大公の目が細くなる。
一介の大役のくせに大公家を揺さぶり、彼に革命を強いた張本人。
今や帝国だけでなく、大陸にその名声をととろかすサロンの女主人、エレナだった。
シアンとレンの二人を相手に圧倒するフランチェ大公。
ついにエレナと対面しましたが、ヒュレルバードも加わるのでしょうか?
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